野口卓のレビュー一覧

  • 軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    短編が5つ.武士の矜恃を雑事との折り合いで、しぶしぶながらその剣を使う羽目になる岩倉源太夫の話だが、「夏の終わり」の大村圭二郎が権助と一緒になって挑む大きな鯉との戦いが面白かった.架空の園瀬藩を見事に描写する筆力は素晴らしい.しっかり楽しめる好著だ.

    0
    2015年08月06日
  • 隠れ蓑―北町奉行所朽木組―

    Posted by ブクログ

    朽木勘三郎がメインに伸六、安吉、弥太、和助、喜一が巧みな働きをして事件を解決する短編が4つ.表題作も良かったが「門前捕り」が面白かった.ここで出てくる北村太一郎の働きが素晴らしい.彼は表題作の「隠れ蓑」にも登場する.密度の濃い話しばかりで非常に楽しめる.

    0
    2015年07月21日
  • 水を出る―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    あまりに待ち遠しかったシリーズ4作目。
    面白い、としか言いようがない。
    表題作『水を出る』は、安易な落涙を許さない深淵な感動をもたらせてくれる。

    0
    2014年07月31日
  • 闇の黒猫―北町奉行所朽木組―

    Posted by ブクログ

    まさに痛感捕物帳。
    一冊に三部作みたいな形になってるけど、実は続いてるのね。
    という感じでしょうか。
    読んでいくと淡々としていて最初は、おや??と思ってたけど
    急にビックウェーブ来た!
    終わり方が実に綺麗で清々しい気分になれる。
    主人公は北町奉行所の朽木組の面々。
    朽木の旦那=口きかん
    とか、各登場人物が個性的なものはもちろんのこと
    途中でクスッと笑える、まるで落語の世界みたいになるのも不思議。

    0
    2014年05月27日
  • ふたたびの園瀬―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    軍鶏侍シリーズ第五弾。あまり時代小説を読むことのない自分だが、このシリーズだけは毎回、楽しみに読んでいる。軍鶏侍と呼ばれる剣豪・岩倉源太夫を主人公にした連作短編集である。

    今回は『新しい風』『ふたたびの園瀬』『黄金丸』の三編を収録。

    『新しい風』と表題作の『ふたたびの園瀬』は、若者の成長を描いた清々しい作品である。『新しい風』では、岩倉道場の権助が亀吉という弟子をとる。『ふたたびの園瀬』では、岩倉道場の若き師範代・東野二次郎が江戸で出会った園という女性と…

    『黄金丸』は、軍鶏を巡る話なのだが、久しぶりに岩倉源太夫の剣豪振りが堪能出来る。

    喜怒哀楽が散りばめられ、まるで諭すような文体で綴

    0
    2014年04月23日
  • 獺祭―軍鶏侍

    Posted by ブクログ

    面白さ前作より加速!
    自らが編み出した秘剣「蹴殺し」を断腸の思いで弟子の前で繰り出し、
    「秘剣唾棄すべき」
    と言い放つ軍鶏侍、岩倉源太夫。
    再度、泣ける。

    0
    2013年01月09日
  • 騙された! おやこ相談屋雑記帳

    Posted by ブクログ

    毎回驚いたり、関心 したり。人を観察してなる相談屋、妻もいつの間にか強力な腕利きの相棒となっていた。

    今回は、長く音信不通となっていた友人が遠方より来る。

    0
    2025年08月09日
  • 生命きらめく おやこ相談屋雑記帳

    Posted by ブクログ

    初めての子を授かり、人との繋がり相談屋の暮らしのなか、波乃が暮らしの中心になっていたことに今更ながらに驚く、信吾。

    0
    2025年07月25日
  • ちゃからかぽん おやこ相談屋雑記帳

    Posted by ブクログ

    人気シリーズ。赤ちゃんがもうすぐ産まれそうな夫婦。
    以前より、頼まれていた「将棋の指南書」の原稿を悩みながらも書き上げる信吾。

    どのタイミングで妊娠を公表するか悩んでいたが、天才少女ハツが気がついてみんなにお披露目を買って出てくれた。

    周りの人々の成長も見られますます深みが増す物語に。

    0
    2025年06月22日
  • からくり写楽―蔦屋重三郎、最後の賭け―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    写楽に特段興味ないけどな、と思って読み始めたが、巧みな文章にすっかり夢中で読んでしまった。キャラクターが立っていておもしろい。さすが野口卓。

    0
    2024年05月17日
  • 弟よ おやこ相談屋雑記帳

    Posted by ブクログ

    相談屋シリーズ、三部。おやこ相談屋の新刊。

    毎回、何らかの教えがさりげなく感じるシリーズで、軽妙な登場人物の会話に実は人生の中で重要な幸せになるためのポイントが隠されている。

    今回は、将棋会所の一年で一番大きなイベントを中心に、料理屋を継いだ弟の結婚話が。

    今回も、ほっこりじんわり、いいお話 四作品。

    0
    2024年03月15日
  • 出世払い おやこ相談屋雑記帳

    Posted by ブクログ

    軽妙な話し言葉の中に、深い真実が見え隠れするシリーズの最新版の始まり!

    めおと相談屋から、波乃が妊娠しておやこ相談屋のはじまり。

    今回もいくつかの話題が盛り込まれ、感心したり、考えたり、、、。

    0
    2023年10月26日
  • 親と子 めおと相談屋奮闘記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    相談屋の伝言箱の下に、赤子が籠に入れられ置き去りにされ慎吾夫婦宛てに手紙が・・・。
    そんな赤ちゃんに振り回されてんやわんやの巻。
    帯に「シーリーズ完」とあったのっでこれで終わりかと思ったら、早とちりだった模様。

    0
    2023年08月04日
  • 親と子 めおと相談屋奮闘記

    Posted by ブクログ

    最終巻とは書いていないものの、一旦区切りの・・・というからにはしばし間が開きそうだ。

    さて今回は「捨て子」にまつわるお話。

    波乃の懐妊、相談やと知ってての捨て子。
    捨て子にまつわるお話を座敷の中での名作と変えた幇間。
    伝え聞いたその話を猿回しの芸に変化させた誠と三吉。

    後妻の子供が立派になり、先妻の子である嫡男の苦悩。

    様々な悩みに対処する相談屋。

    0
    2023年06月02日
  • とんとん拍子 めおと相談屋奮闘記

    Posted by ブクログ

    めおと相談屋奮闘記も回を重ねてますます生きのあった二人に。

    今回は将棋会所に通ってくるお客さんからの相談が多い。

    毎回、相談には真正面から、そして良くなるようにと明るく前を見るような話しぶりで、相手の悩みにそう信吾。

    信吾自身の奇妙な体験に良く似ている女性の悩み。

    髪結の女房から働かなくていいと紐のように暮らしていた男がその年上の女房に、初めて宿った赤子に、一念発起するお話。

    願っていたような女性に出会うが、つい偽の名前で、付き合ってしまい、ボタンのかけ違いが、事件になってしまう男など。

    毎回、胸に染みる深い言葉が為になる。

    0
    2022年10月08日
  • 春だから めおと相談屋奮闘記

    Posted by ブクログ

    めおと相談屋奮闘記シリーズも、早7巻目。
    夫婦としての二人も、息がますますあってきた。
    初めは箸にも棒にもかからなかったただの子供の、常吉も、今では奉公人としても、将棋が強くなりたいという気持ちも、自分から工夫を重ね、精進ができ、それに伴うように商人としての心構えができてきた。

    今回は、常吉が初めての藪入りで、実家に帰る話。
    不思議な風鈴が鳴る話。
    立派な志を持ちながら真面目さゆえに頑なになっている医者の話。
    そして最後は、将棋の上達本を依頼される話。

    それぞれの逸話の中にも、考えさせられる言葉があって、毎回必ず心に響く言葉になるシリーズ。

    0
    2022年06月11日
  • 風が吹く めおと相談屋奮闘記

    Posted by ブクログ

    このシリーズの面白さは、他の時代小説と趣が違う。
    人だけでなく動物までが物を言う。
    そして、何が大切か。
    生きていくこと。
    社会の中の一人。
    支え合う生き方。
    なにやら、読後はさわやかで清涼感漂う。
    人の弱さや強さ、愛おしさを感じる哲学が貫かれるシリーズなのだ。

    今回は、将棋にのめり込みすぎた商家の跡取りの嫁取りの悩みを解決。
    新参者の武家たち。
    猿回しの当事者の猿の悩み。
    恒例となりそうな将棋の会所の大会運営と、人物として嫌な男が優勝し、だが信吾が一矢報いてピシリとものいう。

    0
    2022年03月17日
  • 思い孕み ご隠居さん(六)

    購入済み

    鏡の不思議

    今回のお話は、鏡が持っている不思議さ、みたいな物が、多かったな。しかし、梟助さんは、物知りだなぁ。という事は、作者が、物知りという事なんだけれど(笑)
    あっという間に、読んでしまった。続きは、でないのかな?まだまだ、読んでみたい。

    0
    2022年02月24日
  • 還暦猫 ご隠居さん(五)

    ネタバレ 購入済み

    うーん

    還暦猫は、ちょっと、話が、くどくて、長過ぎた感じ。
    このシリーズに関しては、落語や小話を語るような短編が、面白い。

    0
    2022年02月23日
  • 出来心 ご隠居さん(四)

    ネタバレ 購入済み

    ふふふっ

    じーんと心を打つ話、ふふっと笑える話、色々有ったけれど、最後の出来心が、一番良かったかな。落語を通しての愚翁と梟助の掛け合い が面白い。笑いの余韻が、いつまでも、お腹の中に残って、ふふふっと、出てくる。

    0
    2022年02月23日