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Posted by ブクログ
読みえ終えるのに4週間かかった。面白くないわけではない。面白い。写楽正体の新しい説だ。あまり細かいところはわからないが、写楽は正体だけではなく作風の変化など色々な謎がある。そこをうまく説明できている。先に読んだ島田荘司の説(どこまで説にしたいのかは不明だが)の方がぶっ飛んでいて面白かった。そこまではぶっ飛んでいないにしても、飛んでいるが島田荘司説より有り得そうに思う。
これは小説である。ノンフィクションではない。解釈に穴があってもこれはフィクションですから、と逃げられる。と同時に史実に疎いものとしては、どこからがフィクションなのか線引ができない。
フィクションの形をとったノンフィクションとして書かれたものか、ノンフィクションをイメージさせるフィクションなのか判別がつかない。という状態なので、考えながら読んだし、ノンフィクションの要素が入ってくるので理屈っぽい解説が多く、人間関係も複雑で、読み解くのに苦労して、小説として楽しめなかった。色恋沙汰がないのも、周辺が描かれていなので登場人物に人間味がない、立場だけの人物にしか見えないのもワクワクしなかった要因だろう。
面白い。ノンフィクションとして読んでしまい、でもワクワクしなかった。そんな小説だった。
Posted by ブクログ
特徴ある浮世絵デフォルメ満載の「役者絵」の作者「写楽」が何者か、謎に包まれていたのですね。その謎を逆手に取って、謎をますます深めたフィクションです。
江戸時代中期、「出版社」の蔦屋重三郎がある人の絵の芸術性に惚れ込んで、役者絵を描かせて売り出そうと画策しました。その人とは身分高き元藩主。江戸時代、お殿様の趣味となれば、匿名希望はもちろん、プロ意識はどうだろうかとか、身分への遠慮など障害がたくさんあったでしょうけど、側近を巻き込んで「東洲斎写楽」という名で世に出そうとします。果たして成功するのか、という趣向です。
これは浮世絵の話ですが「読み物」とて同じでしょう。趣味が高じだ人の作品を売りに出すのはリスクを伴います、並大抵ではありません。
浮世絵や江戸時代の出版事情(版画ですもんね)が作者の豊富な知識の語りで解ったり、物語の謎と駆け引きがなかなか面白かったです。ちょっと説明が饒舌すぎたところもありますが。
ある作品が売れ、もてはやされるか、真に芸術的価値があるもか、興味尽きないものです。
時代を経てしまうと作者が誰だろうと、作品が光っていれば永遠に残っていくものだなあと思いました。
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小説・文芸
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