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Posted by ブクログ
「なんてやつだ」という題なので、軽妙痛快物だと思ったが、意外と読み応えのある時代小説だった。主人公の設定がいい。老舗料理店の長男なのだが、3歳の時に大病をしてから、生き物の声が聞こえ、話もできるようになる。いざというときは、その声が危機を警告してくれる。鎖双棍(ヌンチャク)の使い手でもある。その主人公の慎吾が店を弟に継がせることにして、「よろず相談屋」「将棋会所」の二枚看板を開く。そうすると、いりいろな事件が起こって…。主人公の思っていることを結構丁寧に描いていて臨場感がある。主人公の慎吾は20歳と若いが、思慮深く落ち着いている。動物の声にも助けられ、事件を解決していく。面白い。これは拾い物だった。
Posted by ブクログ
目次
・人は見掛けに
・渡らぬ狸の
・あれも人の子
・船は波間に
・騙し騙され
タイトルの「なんてやつだ」を見て、武者小路実篤の詩『うんどうぐつ』を思い出した。
3歳の孫と散歩に行こうと靴を履かせようとするのだが、靴が硬くてなかなか履かせられない。
「なんてくつだ!」と怒ると孫が「うんどうぐつ」という。
私は負けたと思った、という内容の詩。
今となってはネットでも探しきれないけれど、確かに中学校の頃国語で習った。
閑話休題。
主人公の信吾は、老舗料理屋の跡取り息子なのだが、3歳の時高熱が3日続いた後奇跡的に回復したのだが、そのために人には言えないが動物と話ができるようになった。
頭がよく、武術も堪能だが、時々記憶が欠ける時があるらしい。
そのため、店を継ぐのではなく、生きながらえた恩返しも兼ねてよろず相談屋として、人々の助けになりたいと思っている。
第一巻なので、両親を説得して独立したが、よろず相談屋に来るのは金にならない相談ばかり。
ようやく何とか、生活費稼ぎのための将棋会所で起こった問題を解決したことが、初めての相談料に繋がる、というところまで。
『よろず相談屋繁盛記』なんて、看板に偽りありやんか!
私自身、小学1年生の時に40度以上の高熱が一週間続いたことがあったので、信吾に親近感を抱いたけれど、動物と話はできないなあ。ちぇ。
Posted by ブクログ
202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~と思ったけど、主人公は勿論、登場人物達が生き生きと描写されているのでこの世界に入り込んで楽しめた。最初は使い物にならずぼんやりしてた小僧の成長ぶりやちゃっかりぶりも微笑ましい。相談事の内容や解決手法等、物語としてパッとしないものや偶然の産物だったりも多いし、自分の好みではない話(将棋会所で皆が艶話や与太話をただただ話すだけとか)もあるし、時代物とはいえ書いている今の時代にそぐわない描写や設定も感じるけど、総じて面白かった。「主人公と話してたら何故か解決してしまう」のと同様、とらえどころのないなんかわからない面白さもあった。
よろず相談屋繁盛記シリーズ(なんてやつだ/まさかまさか/そりゃないよ/やってみなきゃ/あっけらかん)
めおと相談屋奮闘記シリーズ(なんて嫁だ/次から次へと/友の友は友だ/寝乱れ姿/梟の来る庭)
Posted by ブクログ
老舗料理屋の跡取りながら幼い頃に患った高熱のせいか、記憶が時折抜け落ちるという信吾。その代わりなのか、何故か動物たちの声が聞こえるように。
色男で武芸も出来、将棋の腕もある。一見抜けているようで人を見る目がある。身の危険を知らせてくれたり、逆に安全だと教えてくれる動物たちの声に守られて、実家を継がなくとも将棋の指南所兼よろず相談屋などという先の見えない商売を始めても安泰。
お人好しなようで強か者、色男のようで嫁取りには興味なし、人の役に立ちたいのに相談に来る者は現れない。
何とも掴み所のない信吾のキャラクターとストーリーだがいつの間にか引き込まれる。
相談に来たのではないのにいつの間にかもやもやしたものが晴れている。
シリーズものらしいので、魅力が出てくるのはこれからだろうか。
Posted by ブクログ
社会に出て実感する。何よりも得難いのは人徳だと。自身の言動の醜さに消沈することもあるが,あきらめず励みたいと思う。本作の主人公のようになれるように。とても感慨深い一冊でした。
あらすじ(背表紙より)
江戸の文化が花開く下町の老舗料理屋「宮戸屋」の跡取り息子は、なんとも妙な若者だ。鎖双棍とかいう武器をしのばせ、いざとなれば浪人とも渡り合う。将棋を指せば腕自慢のご隠居もひとひねり。動物と話しているのを見た、なんて噂も。そんな信吾が、店を弟に継がせて、自分は「よろず相談屋」を開くなんて言い出した…。不思議な魅力をもつ青年と、そこから広がる人の輪を描いた軽妙な時代小説。
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小説・文芸
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