野口卓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「軍鶏侍」では、藩主の側室で長男「一亀」はサラッと数行しかでてこないが、4作目の番外編となる「遊び奉行」の主人公。「軍鶏侍」ででてくる地名の「うそヶ淵」が続編の「獺祭」と繋がる。デビュー作で既に連作、番外まで構成して描いている。・・。
「強い軍鶏は美しい。美しい軍鶏は強い。」と繰り返し出てくる言葉は生き方の表現か。
また、葉室麟やこの野口卓のように物語の中で季節や土地の豊さを瞼に浮かぶように描ける作家はすばらしい。
「広大な水田の稲が風に揺れ、まるで海原の波のように感じられた。稲の葉の表面は光沢のある濃い緑をしているが、葉裏はいくぶん白く、そしてすこし青味がかっている。風の動きによって緑の葉表