【感想・ネタバレ】梟の来る庭 めおと相談屋奮闘記のレビュー

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Posted by ブクログ

よろず相談屋繁盛記シリーズ5巻に続く、主人公の信吾が結婚して始めた、めおと相談屋奮闘記シリーズ5巻目の本書。

今回は、今まで信吾と関わりのあった登場人物が関わり、この頃話題になっていた長崎屋という、外国人が逗留する旅籠にまつわる話題。
中でも珍しい鳥の話題。

そして、波乃の実家春秋屋から、料理も習っていなかった波乃に伝授しながら女将としての采配を教えようとついてきた女中モトの秘密が判明する。

誰しもがそれぞれに物語を背負っており、それぞれの人生を生きている。
交わる人も交わらずに終わる人もいる中で、互いに何かを共有しあい感化されて生きてゆく。

筆者が思う、人々の苦悩も併せ持つ人生の考え方ひとつでどんな未来も違っていったり、感謝する心や信じる心、言葉を素直に受ける心など生き方そのものを語っている。

人とは違う、だけどそれを楽しむ。
そこには想いを突き詰めていくことで、時には壁にぶち当たり苦労も拾うが、それも含めて人生の彩りという哲学が漂う。

面白くて、ほろりとし、そして感銘するそんなシリーズ。

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2021年12月01日

Posted by ブクログ

よろず相談屋シリーズで10巻目、途中でめおと相談屋になって5巻目。マンネリ感は否めないが、それなりに題材を工夫して物語を繰り広げている。友人の恋、庭に来る梟との交流(信吾は動物と喋れるから)、警護を引き受けた話、波乃付の女中モトの話の4つ。ストレートな相談事じゃない話ばかりかな。信吾と波乃のいい人過ぎて、道徳ぽいところが鼻につくが、まあ面白い。モトの壮絶な過去も、伝聞だけで済まして穏やかに仕上げている。深刻にはしないんだよね。

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2021年11月30日

Posted by ブクログ

202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~と思ったけど、主人公は勿論、登場人物達が生き生きと描写されているのでこの世界に入り込んで楽しめた。最初は使い物にならずぼんやりしてた小僧の成長ぶりやちゃっかりぶりも微笑ましい。相談事の内容や解決手法等、物語としてパッとしないものや偶然の産物だったりも多いし、自分の好みではない話(将棋会所で皆が艶話や与太話をただただ話すだけとか)もあるし、時代物とはいえ書いている今の時代にそぐわない描写や設定も感じるけど、総じて面白かった。「主人公と話してたら何故か解決してしまう」のと同様、とらえどころのないなんかわからない面白さもあった。

よろず相談屋繁盛記シリーズ(なんてやつだ/まさかまさか/そりゃないよ/やってみなきゃ/あっけらかん)
めおと相談屋奮闘記シリーズ(なんて嫁だ/次から次へと/友の友は友だ/寝乱れ姿/梟の来る庭)

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

現代ぽい会話なのに話題は江戸時代。しかもユーモアのセンス抜群かつシニカル。さながら江戸の「かわら版」「戯作」はこうだった?それとも講談本?クスリとさせる会話多々。ホロリ、ジーンとなる場面も忘れていない。

主人公信吾の「よろず相談屋」波乃と結婚して「めおと相談屋」シリーズ物の最新版。キャッチフレーズの「どこから読んでもOK」は本当。短編4つ。

特に表題作「梟が来る庭」はお江戸の趣味世界「鳥」シリーズになっていて博覧強記。土地勘(江戸切絵図参照)、料理献立、神社仏閣、行儀作法、階級論、恋愛論と盛りだくさんなのに嫌味がないんだなあ。

「蚤の涎」は痛快だった、ほんとすっきりした。「泣いた塑像」の最後モトさんに贈った百人一首は次作で明かされるのかな、なんて期待している。

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2021年11月10日

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