ポール・クルーグマンのレビュー一覧
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色んな視点があって面白い。
現代社会を憂えている点では一緒。
個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。
以下、個人的なメモ(ネタバレ?)
ポール・クルーグマン
富の集中は防がなければならない。
資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。
トーマス・フリードマン
「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキルになる。
加速化する時代に生き残るには「生涯学習者」になる能力が、最も重要。
デヴィッド・グレーバー
「Bullshit Jobs」意味のない仕事をしていると実感している人が多い。
仕事が社会に貢献している割合と、貰ってる報酬が逆相関になっている。
トーマス・セドラチェク
経済学の誤り。数字で計算出来るものだけを考えていること。
長期的な成長が前提であること。意思あるものが多くを取り、意志のないものは少なく取る傾向を前提にしていること。
タイラー・コーエン
中間層の凋落の原因は孤独。人と触れ合うコミュニティが減っている。
ルドガー・ブレグマン
歴史の中で何度もユートピアを現実となっている。奴隷制の廃止、民主主義、男女の権利平等、福祉国家の権利。
GDPの成長は必ずしも幸福を意味しない。この富をどう活用するか?
テレビの視聴時間が長いのは労働時間の長い国。本当に疲れてる時に余った時間を使えるのはテレビぐらい。
より多くの人がボランティア活動に従事し、子供やお年寄りの世話、作曲や芸術活動に携わるのは、労働時間が短い国。
働く時間を短くするべき=ベーシックインカム。
高給の仕事は、富を動かしているだけで、新しい価値はほとんど生み出さない。銀行業、シリコンバレー、管理職。
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
データ納税。
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Posted by ブクログ
先に読んだ「財政破綻は回避できるか」とはまるで真逆のことを主張している。
あとがきに主張がまとめてある。
「いま(2012年)はまだ、リーマンショック以後の不景気が続いていてまともに回復していない。そして失業者の技能や労働市場での価値の低下から、その害が一時的なものではなく、長期的な被害になりつつある。だから景気回復策をきちんとやろうということだ。
そして、その手法も明快。昔ながらのケインズ的な財政出動をやろう。赤字国債を出して、大量の公共事業をやろう。いままで行われている景気刺激策は小さすぎる。これまでの規模の数倍をどーんとやるべきだ。…そして中央銀行はそれを金融緩和で徹底的に支援すべきだ。それに伴う財政破綻だの金利上昇だのは、悪しき固定為替制度の下にある、ユーロ圏のスペインやイタリアのようなかわいそうな国以外は、全く心配する必要はない。」
財政破たんについて、考え方のどこが異なっているか。それは、つまるところ、クルーグマンはインフレで借金は返済可能だと考えているのに対し、深尾氏は財政健全化を急がずに、国の信用力が落ちれば、資金調達のコストがさらに増し、将来もっと厳しい不況と増税に襲われるという危惧をいただいているということだろうか。そういう意味でアベノミクスは、どちらが正しかったのを証明することになるのだろうか。 -
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山形浩生の解説が分かりやすかった。
以下、引用。
本書は経済学という分野を震撼させた、革命的な本だ。
本書は失業というものが一時的な過渡期の現象などではなく、定常的に存在し得ることを説明し、そしてそれが金利を通じてお金の市場(つまりはお金の量)に左右されることを、まとまった形でほぼ初めて示した。
それまでの経済学はこの状況に対して答えを持っていなかった。それまでの経済学は、失業は変な規制や不合理な抵抗さえなければ、だまっていてもなくなる、と述べていた。
需要と供給は市場メカニズムを通じて価格によって均衡する。失業なんてのは、価格による調整が完了するまでの一時的で些末な現象でしかない、と。
そして恐ろしいことだが、もはやケインズ『一般理論』など過去の遺物と思われつつあった 2008 年になって、サブプライム問題とリーマンショックに端を発する世界金融危機が発生し、世界的に急激な景気停滞と失業増加が見られた。そのときも、ケインズから70 年にわたり進歩と洗練をとげてきたはずの新しい経済学は、有効な診断も処方箋も出せなかった。そして危機に対してきちんと対処を行ったあらゆる国(つまり日本以外のほぼすべての国)は、この古くさいケインズの基本的な処方箋どおりの対応を(不十分ながらも)実施し、最悪の事態を回避している。
この本は
「美人投票」 2箇所に出てくる?
「アニマルスピリット」 6箇所に出てくる?
「穴を掘って埋める公共事業」 2箇所に出てくる?
といった、印象的で有名な比喩やフレーズがたくさん登場する。
一部のケインズ解説書などでは、『一般理論』の英語は格調高い美文なのでわかりにくいなどと書かれているがまったくのウソで、関係節に関係節がぶら下がり、そこにいくつもの条件節が並置されて延々と引き延ばされた典型的な古くさい悪文だ(むろん古くさいわかりにくい書きぶりこそが格調高いのだ、という価値観はあり得るが)。
純粋ケインズ左派の立場からすれば、IS-LM などというのは経済学の数理的な処理を明白に否定していたケインズの理論を、中途半端に数式化して後退させてしまったということになる。厳密すぎるからダメ、というわけだ。それどころかこのヒックス論文は、こともあろうにケインズがあれほど批判した古典派の理論を、ケインズ経済学と野合させている。おかげでサミュエルソンが、両者を統合した新古典派総合なんかをでっちあげることになったではないか、と。
IS-LM がなければケインズ理論が戦後の世界経済を席巻できたかどうか。この
モデルの異様な使いやすさは比類がない。この図を一つ描けば、ほとんどの場合には経済政策の基本的な方向性は見極められる。 -
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この種の便乗本はダメなことが多いけど、これはオリジナル版を読むための補助として、かなり役に立ちます。700ページもある本の内容を大雑把に把握するのにも便利だけど、それだけじゃない。寄稿者は、ケインジアンから新自由主義者、マルクス主義まで異なる経済学派、公共哲学、租税論、社会格差論、環境、文学、フェミニストまで多様にわたっており、それぞれに組みとり重視するポイントが異なっている。こんなふうに多彩な読み方ができるのかという新鮮な驚きは、じぶん一人の読書では得られないものです。
たとえば諸富徹氏は租税がもつ間接的な政治的効果という観点から、ピケティのグローバル裕福税を実行可能か否かという観点からのみで評価しない、議論のポテンシャルを広げる読み方を示している。もちろん批判の中にはつまらない重箱の隅をつつくようなものもあるけど、足立眞理子氏のフェミニスト経済学からの批判は、ピケティを正当に評価しつつ、それが見えていないものを指し示している。全体としてはかなりよくできてると思います。 -
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基礎解析以上の数学と経済学は、私の最も苦手とする分野で、これまでも果敢に入門書・解説書に取り組みながら、その都度多少は理解を深めつつも、私のシナプス回路が苦手な知識を葬り去ろうと自動的に機能するのか、たちまち記憶からきれいさっぱり消えてしまい、もはや何も覚えていないのである。
ケインズは以前小文集を読んだことがあるが、主著とされるこの本は今回初めて読んだ。
とりわけ難解とされる本ではあるものの、実際に読んでみると、全部は理解できなくても何となく面白く、少なくとも経済というものが「わけのわからん用語と数式で記述された、おっそろしく複雑で奇怪なロジックのシステムで、誰もコントロールしきれないようなシロモノ」だということを体得できる。山形浩生氏による翻訳は口語体も混ざる平易なもので、この訳書はおすすめできる。恐れることはない。わからん部分はわからんままでいいのだ。
1936年、大恐慌により失業者が20%以上も出た時代に書かれた本書は、その後のマクロ経済学の祖型であり、ポール・クルーグマン氏も「この本のあとに経済学が新たに獲得した知なんて微々たるものだ」と断言している。
雇用の情勢に「利子」が直接的に影響しているという指摘は、さすが、わけのわからん複雑系=経済だなと思う。
古典派経済学が生産者(労働者)側のダイナミズムばかり記述していたのに対し、私は、いまや「超」消費社会なのだから、需要と供給のバランスというより、問題なのは選択消費のベクトルを左右する欲望生成装置なんじゃないの、と考えている。
ケインズもこの本で「消費性向」のコントロール不能なパワーの重要性を指摘していた。
斬新な欲望を惹起するパッケージの創造こそが企業の利益を生み、市場を活性化すると思うのだが、日本の企業はみんなノークリエイティビティで、何かが売れ出したと気づいてから必死に「需要」に「供給」を合わせようとするばかり。いつまでも亜流・二流のメーカーである。
クルーグマンさんの言うとおり、ケインズを超える新たなケインズの登場が待ち望まれているのかもしれないが、そうそう簡単に、この巨大な複雑系をコントロールはできないだろうという気がする。
なにしろ絶え間なく揺れ動く人びとの「こころ」の動向がカギを握っているのだ。 -
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ネタバレクルーグマンで、言っていることはクルーグマンだから変わんないんだけど、なんかインフレターゲットというか、健全なインフレってのが何を意味するのかやっとわかった。クルーグマンのすごいところは、(だめなところも多分おんなじなんだろうけど)経済の成長ということを疑わないところ。普通にうまくやってれば経済というのは未来になればよくなる。なぜなら生産性が上がるから。ってところ。ここは動かない。インフレーションによって現金の価値が下がるということは経済の縮小を意味することはない(彼にとっては)なぜなら健全な経済であれば成長する。ということは、4%のインフレをターゲットにすると、経済活動のうちの4%(+成長部分)は新しい産業やセクターによって入れ替えられるということ。その入れ替えによって世の中がよくなるっていうことだと思う。
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ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン氏の著書。大変、分かりやすかったです。アベノミクスに対しては満足げな感じです。デフレよりも、インフレの方が良いと言う点が、根底にあります。そして、継続的に実施するという政府の姿勢と、財政緊縮でなく、金融緩和が大切だという。消費増税もいけないとのこと。
デフレの方が、手持ちの現金の価値も上がるし、資源も安くなると思ってきましたが、適度なインフレも雇用への貢献や金利低下による政府債務の削減に貢献すると知りました。結局、デフレでもインフレでも、きちんとした政策を取り、実施する仕組みが必要かなと感じました。中途半端が一番駄目ですね。
他にも、アメリカのシェールガス革命や、中国、ブラジル、EUについても少しずつ触れています。平時でない時には、学者出身の人が日銀などのブレーンになるべきだと言うのは、官僚出身の人が多く頂点についてきたことを考えると新鮮でした。 -
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不況は決してどうしようもないものでなく、人の力によって十分に対処できるって本。
なんか日本のマスコミが嫌いそうな政策を提言しているのだけど、その説得力はかなりあるように僕は感じたな。
そして、今話題(?)のアベノミクスは、だいたい著者の主張をなぞるような政策のように僕には見える。
はたしてこの壮大な社会実験は成功するのか。
成功しなかったとき、著者はどのような言辞を弄するのか。そんなことを考えました。
個人的には、著者の提唱する方策、そして現実のアベノミクスは、ぜひとも成功してほしい。
経済成長ってバブルの成金の嫌な姿が思い出されがちだけど、底辺の人もそれなりにうるおって、自殺者とかの問題も結構軽減するからね。
そんな感じで、少しでも「まし」な世界になりますように。 -
Posted by ブクログ
クルーグマンで山形訳となれば、おもしろさはテッパン。リーマンショック以来の世界の不景気は、終わらせることができる、そのための知識・武器もある、というのが筆者の主張。ケインズ以来の財政出動と金融緩和をちゃんとやれば大丈夫だと。
じゃあ、なぜ不況は終わらないのか。規模が小さすぎる、小出しにしすぎる、果ては財政破綻を心配するあまり引き締めに走るようなまるきり逆の政策まで。ここらへんへの反論が読みどころ。
まさに日本がアベノミックスというか黒田バズーカをきっかけとして経済的に浮上しつつあるいまが読みどきかも。クルーグマンの、日本の経済政策に対する評価も聞いてみたいところだ。