あらすじ
フランスの若手経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』が大きな注目を集めている。
経済成長が必然的に格差と不平等を拡大させることを、膨大な過去のデータにより実証的に明らかにした同書は、
700頁を超える専門書にもかかわらず、フランス語版、英語版合わせて60万部を超える売上を記録し、
同時に激しい論争を生んでいる。
そこで本特集では、12月9日にいよいよ日本語版が刊行される同書をいち早く読解・検討することで、
その意義と可能性に深く迫りたい。
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Posted by ブクログ
この種の便乗本はダメなことが多いけど、これはオリジナル版を読むための補助として、かなり役に立ちます。700ページもある本の内容を大雑把に把握するのにも便利だけど、それだけじゃない。寄稿者は、ケインジアンから新自由主義者、マルクス主義まで異なる経済学派、公共哲学、租税論、社会格差論、環境、文学、フェミニストまで多様にわたっており、それぞれに組みとり重視するポイントが異なっている。こんなふうに多彩な読み方ができるのかという新鮮な驚きは、じぶん一人の読書では得られないものです。
たとえば諸富徹氏は租税がもつ間接的な政治的効果という観点から、ピケティのグローバル裕福税を実行可能か否かという観点からのみで評価しない、議論のポテンシャルを広げる読み方を示している。もちろん批判の中にはつまらない重箱の隅をつつくようなものもあるけど、足立眞理子氏のフェミニスト経済学からの批判は、ピケティを正当に評価しつつ、それが見えていないものを指し示している。全体としてはかなりよくできてると思います。
Posted by ブクログ
浜さんやフェミニズムさんは、何をいいたいのか、全体の流れをぶち壊しているようですが、雑誌の別冊特集なのだから、多面的な編集ということなのでしょう。