椋本夏夜のレビュー一覧
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藤原祐×椋本夏夜のライトノベル。
二人のコンビはレジミル以来で、レジミルに似た感じのタイトルだったので今回も読んでみることに。
「魔法の国」からやって来た住人と契約を交わして魔法少女になるなんてメルヘンチック!しかも前回みたいな退廃的な世界じゃなくて現代世界の女の子たちが主人公だからストーリーも明るい!
……と思ってはいけないのが藤原祐作品。
魔法少女になってすることは、魔法の国の女王を決めるための戦争。しかも彼女らの能力は「罪科」と呼ばれる、人間のマイナス部分を具現化したもの。ネーミングも効果もなかなか凶悪です。
主人公がチートなのは相変わらず。そして、主人公の女の子とコンビ -
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これにて本編完結。
最終決戦は、味方側の多彩な虚軸を総動員しながらも、圧倒的な戦力差と、無限回廊のトリッキーな虚軸攻撃によって激しい消耗戦、いつ負けてもおかしくない死闘です。
その結末は……、ドローといった感じで正直不服ですが。
なにより不服なのは、勝敗の結果のその先!
最大の敵を倒し、戦う理由を作り出していた無限回廊もいなくなり、すわこれにて大団円、と思いきや、日常を取り戻すためにはまたまた生贄の儀式が必要だというので。
でも、「彼女」にとって、仲間を失い、戦う理由を失うということは、本人も言う通り死ぬよりも辛いことなんだろう。だから、あの結末にのうのうと収まることはできるはず -
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殊子せんぱーいっ!!!!!
レジミルは毎度エピローグから始まる構成ですが、最後まで読んで、もう一度最初へ戻ったとき、どうしようもなくやるせない気持ちになった。
虚軸の消滅。本来世界にあるべきではない存在が消えるということは、世界が正しさを取り戻すということ。
「これから覚えてください」という硝子の姫へのセリフがとても胸に刺さりました。
そして、再登場の鴛野在亜。
弱者だからこそ大きな願望を持つし、願望に溺れやすいんだろう。
多くの人間は、向きは違えど彼女のような弱者であって、そういう意味では、彼女はそんな大多数の代表として、虚軸に狂わされていく、陰の主人公なんだろうな。
も -
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待ってました佐伯先生! 先生、でも表紙のお衣裳が過激すぎやしませんか! つか、ご職業はどちらですか!
……表紙の人は、全生徒を愛してやまない、まごうかたなき養護教諭でございます。
ついにラスボスの登場、そして、今まで散々主人公にちょっかいかけてきた敵、無限回廊の出自が明らかになります。
ちょっと想像しにくいことですが、自分が偽物で敵が本物だと告げられたときのショックは計り知れないのだろうと思います。
そしてついに佐伯先生の本気!
アンダーゲート開放(本気モード突入)のためには、呪文を唱える演出があるのですが、この方は見開き一ページを真黒に染める、実に先生に相応しい演出でした。
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明るい表紙とは正反対の真黒な中身。
敵陣に新しい虚軸が登場し、ついに大々的な日常への侵攻が始まる。
前巻までは、敵の襲撃前まではコミカルな日常パート、襲撃後にシリアスな非日常(戦闘)パートと分かれていたけど、ここからは常に非日常なので、コミカルな描写は減りそう。
そしてついに出てくる主人公たちの本気。
ただ、その力を出すための苦痛がえぐいことこの上ない。どんな物理攻撃より酷いです。硝子といっしょにわたしも悔しくて泣きそうでした。
しかし敵が目の前にいるのが分かっているのに、この期に及んで後手後手の対応しかできず敢えて茨の道を進んでいるような主人公の采配。
話を盛り上げるため -
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身近な友人の身の上に起こった出来事に、心を揺さぶられ不安定な状態に陥るヒロイン。
「機械だから」とおのれの人間らしさを否定してきた彼女に、次第に感情が芽吹いていくが、それは同時に、機械としての完璧が失われていくということ。
今回のストーリーの核は舞鶴蜜。物理攻撃専門の虚軸の持ち主だけに、全体的に血なまぐさくて痛々しいのが難点……。
3,4巻は二冊で一つのエピソードという構成ですが、つまり蜜を語るために二冊分用意されているといっても過言ではないです。
おそらく、全一コンビ除いて主要人物の中で一番設定が作りこまれているのが蜜でしょう。記憶を改ざんしたり傷を治したりといった、応用の利く便 -
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舞鶴蜜の過去から始まる3巻からの続編。
歪んだ友情と姉妹関係。虚軸によって一変したそれらの関係は、ある意味で、歪みが正されたようで皮肉なこと。
物理的な暴力一辺倒の虚軸ゆえに、敵意でもってまっすぐ不器用に相手に挑んでいく蜜のスタンスは、かっこ悪くもとてもかっこいいと思います。(その性質がツンデレになって性格にあらわれているのが可愛いところ。)
ただ傷つけることしかできない力、誰かを救うためには使えない力だからこそ、彼女は大切な存在と距離を置くし、誰かを傷つけた過去はすべて背負う。
下手な小細工が利かないがために、一本筋の通ったスタンスを貫けるのだと思うと、戦力云々抜きにして彼女がシ -
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表紙の理緒と小町(猫)と携帯ストラップがひたすら可愛い。
レジミルで一番好きなのは理緒ですが、表紙の通り、理緒が頑張る回。
今回の話の核になる鴛野在亜という少女。
引っ込み思案でまとにコミュニケーションを取れず、太陽のように明るい親友に憧れながら、その陰のようにくっついていることしかできない。
そんな彼女の「変わりたい」願望を、ネチネチ系愉快犯もとい敵役がちょっかいかけて、キーワード「自殺」「流血」なえげつない「虚軸」にしてしまうわけですが、そんな彼女の性格、願望たる虚軸でさえ、他人事のように思えず、ちょっと羨ましいような苦々しいような気持ちで読んでいました。
えげつない手段を -
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藤原祐×椋本夏夜の新シリーズが始まったということで、ふと思い出して再読。
ネーミングセンスや筆致など、この方にしかない才能だと思います。
改めて読み返してみると、好きじゃない個所もけっこうあるのですが、初めて読んだときは大好きで大好きでどっぷり浸かってました。
主人公たちの命題は「日常を死守すること」。
物語はおもに、日常と非日常をいったりきたりしながら進行します。
非日常とは、実軸(ランナ)と呼ばれる現実世界から、「もしも」という願望によって枝分かれしたパラレル・ワールド(偽物の世界)、虚軸(キャスト)を身のうちに宿し、特殊能力を得たものたちの殺し合いです。
主人公や、主人公 -
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ネタバレ詰まらないってわけじゃないんだけど……。
ストーリーも複線をざっくり見た感じ回収しているし上手いとは思うけど、こう、どうも気が乗らないっていうか、何かじみーって感じがしてしまう。そもそも伊織を主人公に持ってきているのが、どうも楽しめないような。冬馬が主人公だったらもっと爽快に読めたような気もするけどよく解らない。伊織の叙述トリックを知っていた+絵柄でばればれとかも損しているようなツルカメ。
時代物を魔法で脚色している世界を描ききる文章力は素晴らしいと感じるけれども、中二病でもいいからもっと風呂敷を大きく広げても良かったんじゃないかな。などと読みながら感じてしまった。
星四でもいいような気もする -
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どうにか『昼』と『夜』を分ける事はできないのか。
その答えは、無情なもの。
それでも諦めきれない彼女の横で、『昼』は戦う事を決め
『夜』はどうするべきか、進みながら悩むような…。
攻守逆転、な状態になってしまっている兄弟です。
このままの現状維持だけは出来ない状態ですし
まぁ希望するハッピーエンドはなかろう、と思いましたが…。
そうまで渇望するならば、普通に産まれて来て下さい、と思いますが
それに器が耐えきれないから…という事でしょうか?
いやでも普通、中身すげ替えるならば、この問題に行きあたるべきですが
そこを考えなかったのは…替わってくれると思うから?
その思考回路こそ、傲慢でしかない -
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体を共有しあっている兄弟の下で、せっせと真面目にお仕事をする司祭。
そんな彼らのもとにやってきたのは、先輩司教。
増えた登場人物には、一瞬ハーレム状態? とか思いましたけど
色々とヒントのかけらがごろごろ。
前回は伯爵の秘密なので、今回は主人公の秘密、だそうで。
確かに妙なこと男鹿多かったですが、まさかそのまんま、とは。
そして弟、手段選んでおりません。
いや、ある意味選んでる?w
が、そのまま突き進んでも、手に入るのは一瞬ですよね。
去って行った『娘』が喋っていた内容。
何か意味があるのか、それともただの文句なのか。
確実に複線っぽい感じがします…w