服部桂のレビュー一覧
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ヴィクトリア朝時代から比べると現代はいろいろなものが大きく様変わりした。
そのなかでも現代において欠かせないものの一つに”インターネット”がある。インターネットの登場で情報へのアクセスの量は飛躍的に増大した。そして人々のコミュニケーションにも影響を与えており、インターネット以前以後でまったく違うものになった。
と、自分は思っていた。だから仮に昔の人が現代にタイムスリップしたらインターネットに最も驚くだろう、と。
しかし、違うのだと本書に記されている。
インターネットの原型であるものがヴィクトリア朝時代には既にあったのだと。
それが”電信”技術である。
腕木通信という腕の形をした木の形で遠くに情 -
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【概要】
19世紀はヴィクトリア朝時代。
新しい発明であった「電気」を使って、国中でいや世界中で瞬く間に情報のやり取りが出来る「電信」が生み出された。
電信はビジネスを加速化させ、恋愛を生み出し、悪用しようする人間を生み出した。
まるで現代のインターネットを先駆けたかのような発明が100年以上前に生み出されていた!
【感想】
電信の前段階として塔を立ててパネルを交換することによって光学的に情報を送るテレグラフがフランスで生まれたという所がまず面白い。
それでいて、光学式テレグラフに予算を投資してしまったので、電気式テレグラフ=電信を敷設するのが遅れたという話が世界史あるあるでまた面白い。
こ -
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もちろん、19世紀に『インターネット」があったわけではない。しかし、『インターネット』に匹敵するものが実用化された。電信(テレグラフ)である。
腕木通信(手旗信号を機械化しリレー方式でつないでいくようなもの)から、やがて電気通信へ。さらに海底ケーブルの伸展による世界規模のネットワーク等々。現代のインターネットと同様のインパクトがあり、その発展と社会的影響は、現在のインターネットと驚くほど酷似していた。仕様の共通化、暗号化通信の導入や、電信を利用した犯罪などは、昔も今も変わらない。
あと、発明王のエジソンが電信で財を成したことにより、電球や蓄音機の開発につながったことなどは興味深い -
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ヴィクトリア朝時代には、インターネットのように全世界を繋ぐ情報ネットワークが既に存在した。電話以前に普及していた文字通信サービス「電信」をインターネットの前身と捉え、その繁栄と衰退を描きだしたノンフィクション。
電信とはモールス信号を使った文字通信のことで、要は今でも結婚式の謎風習として残っているあの電報である。19世紀半ばにアメリカとイギリスでほぼ同時に実用化され、誕生から20年足らずで海底ケーブルが大西洋を横断し、日本にまで電信網が引かれていた。1870年代には2万都市が繋がり、ロンドン-ボンベイ間通信の所要時間は4分!ものすごいオーバーテクノロジーだ。
偉人伝に興味を持たずに育ったた -
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予言的でも盲信的でもなく、これまでのテクノロジーの流れや、その技術が持っている特性、社会が求めていることなど、本質的な要素から、筋道立てて未来を予測している点に感服した。
未来予測に関してもすごいが、著者自身が世界中を旅していたり、アーミッシュとの交流や多くの起業家とのインタービューなどの様々な人生の経験を通じて、世の中を俯瞰しているからこそ、見えるものや気付けることがあるのだと思った。
著書に垣間見える、彼の幅広い経験や彼による彼自身の認識の深さにとても惹かれた。
著者が「WIRED」の共同設立者らしくこの雑誌がさらに好きになっちゃっいやした -
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「チューリングの大聖堂」で名を馳せた科学史家による現代文明批判の書。18世紀、ライプニッツにより提案されるもロシアのピョートル大帝の興を惹かずに終わった「道徳と形而上学を正確な計算により解明する」というアイディアに仮託させ、「特定の主体ではなくアルゴリズムにより支配される現代文明」というセルフ・イメージの改訂を我々に迫る。
著者はまず人間文明を4つの時代に区切る。工業化以前の第1の時代、工業が発展した第2の時代、デジタル論理が席巻する第3の時代、そして現在の第4の時代だ。第4の時代では、アルゴリズムとそれを制御する一部の層が支配的であると一般的には考えられているが著者の考えではさにあらず、 -
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久しぶりにケヴィン・ケリーの書籍が出たということで、楽しみに読み進める。
ケヴィンの基本的な思考である「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」に基づき、テクノロジーの未来における変化を予測している。
一つ一つは興味深かったが、第5章以降のケヴィンの思考と経験についての内容が面白かった。
特異な考え方を持つ著者に学ぶことは多い。
以下、参考になった点。
・テクノロジーが持つ自然の方向性
・どうやって学ぶかを学ぶ
・テクノロジーは良い面が51%、悪い面が49%
・イノベーションを起こしてきた人たちが世間的に最高峰を極めている時には、カオスの底にいた(カオスの縁にいて完璧な秩序にも縛られないと感 -
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帯に書いてるのは「ビジョナリー(預言者)」。それはそうなんだけど,ケヴィン・ケリーを初めて知ったのは、二十年前に大学のときに課題で与えられた洋書の人。その時から今後の社会がどうなっていくのかという視点を与えて続けてくれていると思っている。本書はそんなケヴィン・ケリーの本書のためのインタビューを一冊にした本。ARの話とかAIの話とかもいろいろ書かれているけれど,ポジティブ過ぎず,ネガティブ過ぎず,それでいて今後の社会に期待をさせてくれる内容に勇気づけられる。そして日本の読者向けの本なので日本の特徴や今後のヒントも書かれていているのもいい。その視点で考えてると,海外では~という論調にはあまり意味が
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テクノロジーで変わっていく世界。
テクノロジーは51%の良い側面と49%の悪い側面を持つという。人は当初の思惑通りに何かを使うわけでなく、人を傷付ける為に使うこともある。それでも、技術の進歩が悪い側面を潰していくという。
インターネットの発展により、世界は大きく進歩してきた。良い面と悪い面を持ちながら。AIもまた、正しい使われ方がされないかもしれないけど、進化したAIにより正されるということでしょうか。
ARの話や、教育の話、農業の話など、様々な未来の変化の話が出てきましたが、クリーンミートの話は面白かったです。生き物の命を奪わずにというのは、人が生きていく上で、画期的な出来事のような気もしま -
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あらゆる事象がデータ化されあらゆる人が消費すると同時に生産する社会になり、価値は静的で所有するものから、常に流動的で形成途中で流れていく状態にアクセスしシェアするものになる、という内容は真新しさはないが納得感は高い。
新しい視点としては、
・生活の全てのフェーズがデータ化され検索や参照ができる対象になる。
・小説家が既にある言葉をリミックスして価値を生み出すように、音楽や動画も素材に分解されてリミックスされることになる。
・感知できなかった定量データを測定して効果的なフィードバックができるようになると、望ましい行動につながる感覚自体を作り出すことができる(北側が常に振動するベルトを常時装着した -
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雑誌"Wired"の創刊編集長のケヴィン・ケリーによるテクノロジーの「進化論」。
テクノロジーの総体、システムを「テクニウム」と名付けて、それが生物の進化同様の動きをしていることを説明するにとどまらず、物質や宇宙の進化、生命の進化、そしてテクニウムの進化を一つの進化の大きな流れとしてとらえる。
ダーウィンの進化論にもとづきつつも、それ自体がある種の目的性というか、方向性をもっており、かならずしもランダムな変異と淘汰だけのものでないと論じている。
ここは、議論が分かれるところであろうが、著者は、神秘的なものではなくて、複雑系的な秩序が自己組織化し、一定の方向感をもって、 -
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テクノロジーの発展の背後に潜むテクニウムをこれまでの歴史の中核に据えて論じてある。テクニウムは自律した方向性を持っており、それにより長い目で見れば自己組織的に発展している。テクノロジーの発展は我々の進化と通底するものであり、これからテクノロジーはまさに何者になっていくのだ。
現代の主流の科学とはあいなれない部分のある理論であると思ったら。根源的なところから振り返ってみると、テクノロジーが独自の方向性を望んでいるというのもわからなくもないと思った。
テクノロジーの発展は人類全体に可能性のある可能性を提供できるという点で自分の目指す道かもしれない。