【感想・ネタバレ】ヴィクトリア朝時代のインターネットのレビュー

あらすじ

かつてない距離を即時に越えるコミュニケーションを可能にした電信。その発明史と、19世紀の欧米社会に与えた大いなる影響を描く

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Posted by ブクログ

19世紀のヨーロッパ。遠くへ情報を伝えるには、手紙で伝えるしかなかった時代から、モールス信号を電気で伝える電信が登場した。当初は国内に張り巡らされたケーブルはヨーロッパ中に広がり、ついに大西洋を渡る。
情報が速く、安く伝わるようになった世界はさまざまな変革を迫られ、そして電話の登場により衰退するまでのノンフィクション。
19世紀にすでに大陸間横断ケーブルが存在していたのは驚きだったし、ネットワークのなかで起こる悲喜こもごもの話達は、いまのインターネット世界とさして変わらないように感じる。
どんなテクノロジーも、まだ見ぬ未来のテクノロジーに埋もれていくのが常。電信も電話の登場により駆逐され、電話ももはらコモディティ化して久しい。
インターネットの一般普及から30年ほど、今後どんな未来が来るのか、楽しみしかない。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

面白かった!
『19世紀にはテレビも飛行機もコンピュータも宇宙船もなかったし、抗生物質もクレジットカードも電子レンジもCDも携帯電話もなかった。ところが、インターネットだけはあった。』から始まる導入は名文。
モールス信号でお馴染みの電信の歴史なのですが、インターネットを使っているとあるあるな話が19世紀でも何も変わらないことを知り、技術が発展しても人の考えることは一緒なんだなと思い知ることができる。長らく絶版だったようだけど、文庫で復刻してくれてありがたい。

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2025年09月19日

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コンピュータも電球もなかった時代にインターネットがあった。こんなSFのような話が現実の歴史にあったと言うのは実に信じがたかったが、まさに言葉通りだった。インターネットが人々の社会、文化に与えた影響がそのまま伝心の時代にも起こっていたのだ。そしてこれからAIの時代を迎える我々にとっても温故知新として必携の一冊になるだろう。

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2025年01月28日

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要は電信の誕生から衰退の物語。「ヴィクトリア朝時代のインターネット」とタイトルにあるように、現代のインターネットになぞらえて当時の社会にもたらしたインパクトを論じている。
現代に生きる我々はインターネットやSNSといった新技術に対して唯一無二の革新とみなしがちであるが(クロノセントリシティーっぽい)、電信に対する人々や社会の反応を思い出すことで一歩引いて考えることができるかもしれない。

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2024年09月16日

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電信の誕生と庶民の反応、犯罪への波及、恋愛への影響、戦争の変化、平和利用への期待、情報過多、新たな電話に取って代わられるまで

驚くほどインターネットに類似していて面白い
歴史に学ぶとはこのこと

著者のトム・スタンデージにも注目

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2024年09月11日

Posted by ブクログ

歴史に詳しくなくても電報というサービスを知っている人は多いだろう。現代の日本では儀礼的な利用にとどまり、冠婚葬祭をメインに綺麗なパッケージとともにメッセージを伝えるサービスに変化しているのだが、かつては遠隔地に情報を伝えるための実用的な通信手段であった。

実用サービスとしての電報は19世紀末、急速に発展した電信技術を用いて運用されていた。トム・スタンデージ『ヴィクトリア朝のインターネット』は電信技術の栄枯盛衰を楽しく解説しつつ、電信技術に人々が向けていた視線がインターネットへのそれと相似する部分があったことを示す一冊だ。

本書はおおまかに序盤で電信技術の開発史を解説し、中盤で電信技術によって起こった世界の変革を描き、終盤で電信技術の終焉を描く。一冊で電信の興亡がわかるようになっている。

序盤の開発史は最初期のカオスな状況も面白いのであるが、最大の盛り上がりは大西洋を横断する海底ケーブルの敷設にまつわる話だろう。当初技術面のデザインを担当していたのはエドワード・オレンジ・ワイルドマン・ホワイトハウスという人物だったのだが、彼は工学的には素人だったのだ。その結果、せっかく繋がった大西洋の海底ケーブルはすぐに不通となってしまった。工学という分野がまだ未発達だったことを強く感じさせる挿話である。

その後、きちんと改良された海底ケーブルにより大西洋を越えての通信はきちんとできるようになったのだが、グローバルな通信が可能になったことはどうも過大に評価されていたらしい。

> 電気式テレグラフの効果は「マスケット銃を燭台に」変えるものという標語も流行した。実際にブリッグスやメイヴェリックや多くの人が、グローバルな電網の構築が世界平和をもたらすと期待していた。「地球上のすべての国が考え方を交換できるこうした手段が創造された以上、もう古い偏見や敵愾心は存在してはならない」。(pp.86)

リアルタイムに言葉が交わせるのならば、対話を通して相互理解が進み平和が訪れるであろうというこの楽観的な考え方は19世紀の後半からあったようだ。

このように、本書では電信技術の華やかなりし時代に、かつてインターネット黎明期で起こったようなことがたくさんあったことが分かるのである。

通信技術の進歩に関して、最も敏感なのはビジネスパーソン、とくに証券関係者であった。本書によれば、ロンドンではメッセージの半分が証券取引所に関係していたという。現在でも超高速取引という手法があり、どことなく現代と関係性を感じるものである。

もちろん、新しい技術に敏感なのはビジネスパーソンだけではない。犯罪者も同様である。電信を利用した詐欺も増えており、本書では詳細に触れられていないがこちらは『詐欺師入門 騙しの天才たち、その華麗なる手口』に詳しい。私はこちらを先に読んでおり、「競馬の結果が馬券の発売締め切り前にわかる」という嘘の信憑性がよくわからなかったのだが、当時の電信の仕組みを考えると騙される人がいても仕方なかったかもしれない、と思い直した。

現代でもインターネット詐欺は多いし、最近では生成AIを利用した詐欺も増えている。この辺りも現代との相似を感じる。

通信技術の進歩で大きな影響を受けるのは(詐欺を「仕事」と呼ぶのは少し気が引けるが)仕事の面だけではない。人間関係も大きな影響を受けたようだ。なかでも通信を最も必要とする人間関係は恋愛である。電信のメッセージを介した恋愛や、電信での結婚宣誓なども行われていたようで、「メッセージから受ける印象と実際の印象が異なる」という現代あるあるも当時から発生していたようである。

終盤では電信の衰退が語られるのだが、まず減らされたのは電信オペレーターであった。この事例はワープロの普及でタイピストが減ったことや、最近では生成AIの進歩で複雑なプロンプト芸自体が廃れていったことを思わせるものである。そして電話が登場することで電信技術自体が廃れていったのは言うまでもない。

1つの技術の興亡を眺めていると、最初期のカオス、決定的な発明を受けての受容と社会変容、別の破壊的技術による衰退という流れを辿りがちだということに気付く。社会変容は世界平和のような楽観的な考えには結びつかず、むしろ犯罪のような使われ方に波及するが、かといって全てが悪い方に転がるわけでもない。そして何より、コミュニケーション技術は人間関係に大きく作用する。

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」とよく言われるが、電信技術の衰亡とインターネットの興隆はまさに「韻」である。そして世はまさに大生成AI時代である。かつての技術史から「韻」を掴むことは今後を生き抜くヒントになるだろう。

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2025年08月10日

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ヴィクトリア朝時代のインターネットを読んだ。電信の発明やその発展が詳しく書かれている。

電信って、「チチキトク、スグカエレ」みたいなメッセージを送る、古い時代のものだとぼんやりイメージしていたけれど、当時は蒸気機関と並んで称賛された技術革命だったそうで、そのイメージが覆った。考えてみれば、電信が出来る前は飛脚や伝書鳩で連絡をとっていたのだから、そりゃそうだ。

発明された当時はペテンや黒魔術の類だと思われて、なかなか社会に受け入れられなかったが、一度電信の有用さが知られると熱烈的に普及していったらしい。そういった全く新しい技術がどのように受け入れられていったのか、当時の空気感が伝わるエピソードがたくさん紹介されていて、面白かった。

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2025年01月10日

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ヴィクトリア朝時代から比べると現代はいろいろなものが大きく様変わりした。
そのなかでも現代において欠かせないものの一つに”インターネット”がある。インターネットの登場で情報へのアクセスの量は飛躍的に増大した。そして人々のコミュニケーションにも影響を与えており、インターネット以前以後でまったく違うものになった。
と、自分は思っていた。だから仮に昔の人が現代にタイムスリップしたらインターネットに最も驚くだろう、と。
しかし、違うのだと本書に記されている。
インターネットの原型であるものがヴィクトリア朝時代には既にあったのだと。
それが”電信”技術である。
腕木通信という腕の形をした木の形で遠くに情報を知らせる技術の誕生から、電気による通信技術の誕生、そしてテレグラフや電報、電話と姿を変えていく。
インターネットの誕生によってテキストメッセージのやり取りが手紙というフィジカルからデータへと変化したが、既に通っていた道だったのかという驚き。
電信オペレーターによる会ったことのない誰かとのやり取りやロマンスもSNSにも通じるようで面白かった。

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2024年10月07日

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【概要】
19世紀はヴィクトリア朝時代。
新しい発明であった「電気」を使って、国中でいや世界中で瞬く間に情報のやり取りが出来る「電信」が生み出された。
電信はビジネスを加速化させ、恋愛を生み出し、悪用しようする人間を生み出した。
まるで現代のインターネットを先駆けたかのような発明が100年以上前に生み出されていた!

【感想】
電信の前段階として塔を立ててパネルを交換することによって光学的に情報を送るテレグラフがフランスで生まれたという所がまず面白い。
それでいて、光学式テレグラフに予算を投資してしまったので、電気式テレグラフ=電信を敷設するのが遅れたという話が世界史あるあるでまた面白い。
この新しい技術がすぐにまた新しい技術に取って代わられる……勿論電信もその例を違えず100年余りで電話に地位を奪われる!……これこそが技術の歴史の面白さだと思う。
そして毎回新しい発明が生まれると、人間は飽きもせずそれによって世界が良い方向に向かうと楽観視する。
電信の完全な民主化がインターネットだという著者の結論が的を射ていると思う。

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2024年09月28日

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 もちろん、19世紀に『インターネット」があったわけではない。しかし、『インターネット』に匹敵するものが実用化された。電信(テレグラフ)である。
  
 腕木通信(手旗信号を機械化しリレー方式でつないでいくようなもの)から、やがて電気通信へ。さらに海底ケーブルの伸展による世界規模のネットワーク等々。現代のインターネットと同様のインパクトがあり、その発展と社会的影響は、現在のインターネットと驚くほど酷似していた。仕様の共通化、暗号化通信の導入や、電信を利用した犯罪などは、昔も今も変わらない。

 あと、発明王のエジソンが電信で財を成したことにより、電球や蓄音機の開発につながったことなどは興味深い。

 そして今では、電信(電報)は慶弔目的以外に目にしたことがない。

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2024年07月05日

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ヴィクトリア朝時代には、インターネットのように全世界を繋ぐ情報ネットワークが既に存在した。電話以前に普及していた文字通信サービス「電信」をインターネットの前身と捉え、その繁栄と衰退を描きだしたノンフィクション。


電信とはモールス信号を使った文字通信のことで、要は今でも結婚式の謎風習として残っているあの電報である。19世紀半ばにアメリカとイギリスでほぼ同時に実用化され、誕生から20年足らずで海底ケーブルが大西洋を横断し、日本にまで電信網が引かれていた。1870年代には2万都市が繋がり、ロンドン-ボンベイ間通信の所要時間は4分!ものすごいオーバーテクノロジーだ。
偉人伝に興味を持たずに育ったため、本書で初めてモールスの経歴を知って今更驚いた。こんな技師でも科学者でもない山師じみたド素人だったなんて、歴史って面白いなぁ。電気が「目に見えない」という理由で心霊と同じ扱いを受けていた時代だから、スポンサーの前で実演してみせても詐欺師や手品師と一緒くたにされるモールスたちがモーセみたいで笑える。降霊術とか神智学会とか千里眼とか盛り上がってたのと完全に同時進行の話だもんなぁ。
電信局のオペレーター周りの話なんかはかなり"インターネット"で、独自に生みだした略語はプログラム言語の先祖のようだし、仕事の合間に上司の目を盗んでチャットしたりオンラインチェスをしたりも今のデスクワークと変わらない。なんとなく女性ばかりのイメージだったけど男女どちらも働いていて(部屋は別)、当時は最先端のイケてる職業だったとか。その後機械化され、猛スピードで信号を読み取る技術職だったオペレーターの地位は下がった。この辺はタイプライターの普及とも関係づけられそう(しかしタイプライターの実用化より電信の普及のほうが早いっていうのも考えてみるとタイムパラドックス感がある)。
情報がスピード勝負の時代になったビジネスマンたちの「通信スピードが上がれば上がるほど楽にならずに仕事が増えるだけじゃねえか!」という叫びはあまりにも21世紀的すぎる。電信誕生以前は新聞屋がニュースを余裕で2日寝かせてた話なんかも面白かった。しかしまもなく電話が発明されると、電信の天下は50年足らずで終わってしまう。
そして時代の中心は電話、ラジオ、テレビへ移り変わる。著者がこれらの音声・映像メディアよりも電信を"インターネット的"だと見做したのは、原書がでた1998年当時はインターネットの大半がまだ文字情報のやりとりだけで成り立っていたからだ。リアルタイムの情報を交換できるようになり、新聞や雑誌などのメディアが力を持ったオンラインテキスト文化。全世界を繋ぐ情報ネットワークが平和をもたらすという無邪気なユートピア幻想。この二つが100年の時を跨いで電信とインターネットを繋ぐ。97年にMITメディアラボ所長が語った「将来子どもはナショナリズムとは何かをわからなくなる」という展望とは真逆の未来にきちゃったけど、それを笑いたくはないなぁ。

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2024年06月07日

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けんすうさんが、この本を推してたので読みました。難しかったです。150年前にインターネットが誕生したという本書の切り口は面白いです。
当時の人が今の時代を見たらなんで言うのかなと感じました。

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2025年11月29日

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ヴィクトリア朝のインターネットとは電信(テレグラフ)のことであり、本書はその電信の歴史を政治、経済、社会、文化など人類に与えたインパクトについて考察している。確かに電信がもたらしたインパクトはインターネットがもたらしたそれと似ていなくもない。というか似た面が浮き彫りになるような叙述がされている。しかし、たとえば既存の新聞メディアに与えた影響などは電信とインターネットでは大きく異なっているようにも思える。

トーマス・エジソンが電信まわりの発明で財をなして、その後の発明に繋がっていったという話は面白かった。昔、どこかで読んだ気がしなくもないが……。

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2025年03月13日

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現在のインターネットが世界をつなげて狭くし、人々の生活を変容したことは、ここでいうまでもないこと。しかし、同じように世界を変えた技術として、電信、電話があったというお話。
今起こっている変革は全く新しいものではなく、かつて別な技術、サービスの普及によって世界に起こったことが、姿を変えて繰り返されているものであり、それによる功罪の発生も似たような傾向を見えているということに気付かされる。おそらくはそれは今後も繰り返されると思われるが、次に革命をもたらす技術が何だろうと考えてみる。

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2025年01月14日

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電信の始まりから終わりまで、細かな調査から当時の空気を詳しく教えてくれる。新たな技術の始まりから終わりまでを辿ることで、電話しかりインターネットしかり同じような事情を抱えることを教えてくれる。

ネット上の評判から期待しすぎたことでそれほど楽しめなかった。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

やっぱりテクノロジーが人の意識を変容させるのだなあ。電信の実演を見せられてもその価値や可能性にまったく気づくことができない人たち。思えばインターネットの出始めの頃、それがコミュニケーションのあり方を変えるなんて自分も考えなかった

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

歴史は繰り返す。古の通信手段である電信の栄枯盛衰について綴った本書からもそれがありありとわかる。株取引から結婚に至るまで、電信という「新しい」テクノロジーは大きな影響を与えた。興味深いことにヴィクトリア朝時代から電信を使ったオンライン恋愛もあったというのだ。現代と全く同じである。一方で電信は暗い影も落とす。電信の出現と共にそれを悪用する「ハッカー」も台頭し始めたのだ。筆者曰く「新しいテクノロジーが物事をよい方向に導く可能性はいつでも大げさに語られすぎ、一方それが物事を悪 い方向に向かわせるということは、たいてい予見できないものなのだ。」今も昔も変わらないということか。再記する、歴史は繰り返す。

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2024年10月15日

Posted by ブクログ

ヴィクトリア朝時代?
中世ヨーロッパのインターネットって何よ、と思ったら、ヴィクトリア朝時代って、19世紀末から20世紀頭なんね。

遠距離で高速な情報伝達の発展。

当初は、双眼鏡で遠くを見て、みたいだったのが、電気、電信技術の発達によって、あっという間に世界の距離が短くなった。

ビジネスや軍事についての影響、個人の生活への影響など、まさに今のインターネットの発展と相似する時代であったのだ。

確かにそうだなあ。
それまでは、船より早く海を渡る方法もなかったんだし、船より早く情報が届くということがどれだけ世界を変えたか。

電信結婚とか、考えるこたあ似たようなもんだなと感心した。

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2024年10月14日

Posted by ブクログ

2024-09-28
電信の黎明前夜から衰退までをドラマチックに描いた名著。大雑把なことは知っていたけれど、ここまでエキサイティングだったとは。そして出てくる背景(南北戦争とかナポレオンとかクリミア戦争とか)で、知識でしか無かった歴史が有機的に呼び起こされた。
何より、電信ネットワークとインターネットの似姿に驚かされる。さて、次の大変革は何時何でもたらされるのだろうか。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

電信って言葉は聞いたことあっても具体的にどういうものなのか知らなかったから理解が深まった。
ちょうどこの辺りの時代が舞台の本を読む時、電信とか電報とかよく出てくるけど分からないまま読んでたので今後は少し解像度が高くなるかもしれない。
人間いつの時代も考えることとかやることが同じだな。
現代では冠婚葬祭の時にギリ使うかなというレベルのものになってしまったけど、当時はとんでもない大発明で、その名残は今も色濃く残っている。

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2024年08月05日

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