服部桂のレビュー一覧
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テクノロジーで変わっていく世界。
テクノロジーは51%の良い側面と49%の悪い側面を持つという。人は当初の思惑通りに何かを使うわけでなく、人を傷付ける為に使うこともある。それでも、技術の進歩が悪い側面を潰していくという。
インターネットの発展により、世界は大きく進歩してきた。良い面と悪い面を持ちながら。AIもまた、正しい使われ方がされないかもしれないけど、進化したAIにより正されるということでしょうか。
ARの話や、教育の話、農業の話など、様々な未来の変化の話が出てきましたが、クリーンミートの話は面白かったです。生き物の命を奪わずにというのは、人が生きていく上で、画期的な出来事のような気もしました。
テクノロジーによって、人は悪魔にも天使にもなれるんですね。 -
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あらゆる事象がデータ化されあらゆる人が消費すると同時に生産する社会になり、価値は静的で所有するものから、常に流動的で形成途中で流れていく状態にアクセスしシェアするものになる、という内容は真新しさはないが納得感は高い。
新しい視点としては、
・生活の全てのフェーズがデータ化され検索や参照ができる対象になる。
・小説家が既にある言葉をリミックスして価値を生み出すように、音楽や動画も素材に分解されてリミックスされることになる。
・感知できなかった定量データを測定して効果的なフィードバックができるようになると、望ましい行動につながる感覚自体を作り出すことができる(北側が常に振動するベルトを常時装着した人は「北」を感じるようになる)
などが興味深かった。 -
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雑誌"Wired"の創刊編集長のケヴィン・ケリーによるテクノロジーの「進化論」。
テクノロジーの総体、システムを「テクニウム」と名付けて、それが生物の進化同様の動きをしていることを説明するにとどまらず、物質や宇宙の進化、生命の進化、そしてテクニウムの進化を一つの進化の大きな流れとしてとらえる。
ダーウィンの進化論にもとづきつつも、それ自体がある種の目的性というか、方向性をもっており、かならずしもランダムな変異と淘汰だけのものでないと論じている。
ここは、議論が分かれるところであろうが、著者は、神秘的なものではなくて、複雑系的な秩序が自己組織化し、一定の方向感をもって、進化することを主張していて、結構な説得力がある。
もっとも、技術自体については、日頃、あまり考えていないので、議論として実感をもって理解できないところもあるので、主張がどのくらい説得力があるのかは、わたしにはよくわからない。
そして、そうしたテクノロジーと人間はどう付きあうのかが、もう一つの大きなテーマ。著者は、過度な悲観論にも、楽観論にもよらず、一定の距離をおきつつ、テクノロジーとつきあおうという感じかな?
というと当たり前の結論ぽいけど、途中で、アーミッシュのコミュニティのテクノロジーとの関わり方の話しが、結構、丁寧に記述されていて、彼らがなんでもかんでもテクノロジーを拒否しているわけではなく、一つ一つをじっくりと検証しながら、どうそれと向き合うか時間をかけて考えているというところが、とても印象的だった。 -
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テクノロジーの発展の背後に潜むテクニウムをこれまでの歴史の中核に据えて論じてある。テクニウムは自律した方向性を持っており、それにより長い目で見れば自己組織的に発展している。テクノロジーの発展は我々の進化と通底するものであり、これからテクノロジーはまさに何者になっていくのだ。
現代の主流の科学とはあいなれない部分のある理論であると思ったら。根源的なところから振り返ってみると、テクノロジーが独自の方向性を望んでいるというのもわからなくもないと思った。
テクノロジーの発展は人類全体に可能性のある可能性を提供できるという点で自分の目指す道かもしれない。 -
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ネタバレ2016年の本ながら今でも有用。備忘録的に目次解説残しておきます。
1.Becoming
2.Cognifying
3.Flowing
4.Screening
5.Accessing
6.Sharing
7.Filtering
8.Remixing
9.Interacting
10.Tracking
11.Questioning
12.Beginning
1. Becoming
地球をテクノロジーが覆い、止まることのないアップデートが永遠続くという意味において、ネット化したデジタル世界は名詞(結果)ではなく動詞(プロセス)化する。テクノロジーは生命のように生態系を構成(=テクニウム空間)し、我々は目的地となるユートピア的な発想ではなく、明日が今日よりも良くなるというプロトピア(ある状態になっていくことを指す言葉)の世界観を持つ。その中では、新たに生み出される利便性と同じくらい新しい問題も起きてくる。
2. Cognifying
ほんのちょっとであれAIによる認知機能を組み込むだけで、全てが従来とはまるで違うレベルの働きをするようになる。AIは無料化されコモンズ(=共有物)となり、この惑星を膜のように覆い(ネットワーク化されたAI超生命体、そしてスタンドアロンのAIとが共存する)、人間全ての文明からフィードバックを受けて自動修正され、強化され、新たなサービス価値を生む。それは「無料である」ということを超えた生成的な価値で、即時性、パーソナライズ、解釈(マニュアルとか)、信頼性、アクセス可能性(保管、アクセスの便利さ)、実体化(身体性)、発見可能性(レコメンドやレビュー)等が想定される。
ディープブルーがガルリ・カスタロフを最初に破ったのは1997年。その後に、カスタロフはデータベースツールを使うのがAIに許されるなら人間が使ってもいいはずだという考えから、人間の知性を拡張するマシン強化型プレーヤー(=ケンタウロス)による試合を考案した。これからは、ロボットやマシンと一緒に働くプロセスを最適化できたものが成功を掴む。つまり、われわれ人間の役割は、ロボットのために仕事を作り続けることだ。
3. Flowing
デジタルであるということは、自由にコピーを繰り返されるということ。あらゆるサービスが他の領域に流れて合流していく。
4. Screening
つまりは、本などに固定されること無く流動化して、空間の画面で読まれるようになるということ。
デジタル化によって人は本を読まなくなったというが、人々が「文字」を読む時間は1980年代と比べてほぼ3倍になっている。いわゆる「文章」を読むばかりでなく、MVの歌詞や映画のエンドロールやアバターのやり取りの吹き出しやラベルやオンラインの図形に出てくる言葉を解読するようになる。我々のこの新しい活動は読書(リーディング)というより「画面で読む(スクリーニング)」と呼ぶ方が正しいだろう。言葉を読むばかりか、イメージを読んだりすることさえ含まれる。
5. Accessing
デジタルになると、すべての製品がサービス化してリアルタイムにアクセスされるようになる。まずその変化は音楽(Spotify等)から始まり、映画(Netflix等)、そして他の領域にも展開していく。所有の概念が変化する。
6. Sharing
さらに、シェアによって所有という概念が時代遅れになる。これは、アドホクラシー(構造のない組織)、デジタル社会主義といったものを実現する、コラボレーションを可能にするソーシャルテクノロジーである。最貧層への医療提供や無料大学の教科書開発、珍しい病気の薬の開発資金調達にも使われる。現在の資本主義社会の人間があまり価値を置いていなかった、シェアやコラボレーション、オープン化、自由価格、透明化などに力がシフトしていく。また、資本主義においては、生産者と消費者は明確に分かれているものと考えられていたが、これからはトフラーの言うプロシューマー(生産者+消費者)といった概念が一般的になる。
7. Filtering
コンテンツの増え過ぎにより見つけたいものが見つからなくなるため、フィルタリング機能がこれからますます重要になる。フィルタリング機能は、ゲートキーパー(親、権威、牧師、教師)、仲介者(出版社、音楽レーベル)、キュレーター、ブランド、政府、文化的環境、友人、われわれ、といったもので分類される。時間の奪い合いが始まっているわけだが、アテンションの時間は等しく24時間しかない。そのアテンションの先にお金が流れる。
8. Remixing
Flowingされるようになると、サービス化した従来の産業やコンテンツが自由にリミックスして新しい形となる。音楽用語では、リミックスやマッシュアップ、サンプリング。さらには、分配、借用、変換、変異し、改良され、進化したものがリミックスだ。何らかの価値を持つ創造物はやがて明日には何か違うものになる。これから30年の間に生まれる最も重要な文化的作品や強力なメディアは最もリミックスされたものになる。
9. Interacting
VRのような機能によってプレゼンスは解像度が上がり、コマ数がアップし、コントラストが増し、カラー表現の幅が広がり、音響が豊かになる。VRはプレゼンスとインタラクティブ。しかし、VRの真の凄さはインタラクティブにある。マイノリティリポートとかアイアンマンみたいに空間で手を動かすものではなく(=疲れる)、手話に近いものや、目で選んだり、ぶつぶつしゃべったりといった操作方法になる。ウェアラブル、BMI、各種センサーによってより多くの感覚を使うことになり、すべての体験の没入感が格段に増す。クアッドコプターの操縦などは正にそれ。ゲーミィフィケーションの手法で実際の生活でも参加者を好ましい方向に誘導できるようになる(ポイントが貯まる、スコアが出せる、レベルが上がる)。
10. Tracking
自分が何者であるか解き明かす非正規IDサービスなども出てくる。定量化された自己(Quantified self) を管理する時代に。そうした全てを追跡するセルフトラッキングは健康分野だけでなく、あらゆるサービスを向上させ、ライフストリームを記録し、現在のライフログを超えた電子版人生の物語を紡ぐ。
11. Questioning
問題を解決する以上に新たな良い疑問を生み出す。Wikipediaは社会の力についての新しい評価を生んだ(こんな辞書が成立するなどは誰しもが信じていなかった、不可能であると考えていた)。かつて不可能であったことが毎日現実になっていく。こういったテクノロジーは善いことにも使われるが、悪いことにも使われる。テクノロジーは新たな疑問、まだ誰も発していない疑問を発する。
12. Becoming
そしてついには全てが統合され、次のデジタル環境(未来のインターネット)へと進化していく。インターネット2.0は、世の中の全てを検索できるようになり、過去の情報やフッテージを見ることができるようになる。さらには、行動を予測し、行動に応じたリコメンドをしてくれる。テクノロジーが生活に融け込み、常時存在している会話の一種のようなものになる。新しい考え方、完璧な検索や記憶、惑星規模の知的能力と新しい精神をもたらす。それが始まっている。 -
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テクノロジーが生活にどう作用するか考えたい人におすすめ。
【概要】
●人工知能などのテクノロジーがこれから30年の間にどう作用するか、
不可避であるトレンドについて12の観点から提示
【感想】
●アイデアを生み出すための予備知識が増えた。
●特に、「FILTERING」「FLOWING」「COGNIFYING」の項目が参考になった。
●AIで何ができるかを考えることも重要だが、AIで何ができないかを考えることも重要である。
●「人間の経験」と「信用」は普遍的な価値であり、今後も変わることはないだろう。
信用が普遍的な価値であることは他の書物にも書かれていた。 -
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インターネットを起点とした、今後のテクノロジーの進む方向性が書かれている。
インターネットはだいぶ発達したように思えるが、まだまだ途上段階であり、今後個人の生体情報なども含めてさらに記録される情報が増大し、またそれを含めてあらゆる情報がネットワークを形成していく。
ネットに載せられた情報は無限にコピーされ、無料に近づいていく中で、個人の信用や、パーソナライズされた情報、プロダクトの価値が増していくという話が興味深かった。
個人的には、現代のテクノロジーの潮流をニュースなどから読み解くのが難しいため、世の中を俯瞰できるという意味でいい本だった。しかしながら自分の中ではまだまだ消化不良な部分が多く、実際の企業のニュースと照らし合わせながら何度も読んで理解を深める必要があると感じた。 -
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テクノロジーの発展は、人間が恣意的に主導してきたものではなくテクノロジーそのものが内在的に自己組織化し、必然的に行われるものであるという刺激的な主張が展開される。
天文学的な確率でしか発生しない形質が別々の進化系統で同様に発生すること。
歴史を変えるような発明が、必ず同時多発的に同様の発明(と、一番手を主張する争い)と共に出現すること。
こういった事実を眺めていると、なるほどテクノロジーそのものに必然的な発展が織り込まれているという主張にも説得力を感じる。
アーミッシュが、むしろ通常の都市生活者よりもうまくテクノロジーと向き合っているというような話は著者のバックグラウンドによる偏りを感じるが、全体を通して丁寧にエビデンスを示しながら展開される持論は示唆に富んでいる。 -
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・いまこの瞬間に始めるべきだ。いまこそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言うときなのだ
・コミュニケーションテクノロジーはすべてをオンデマンドで動かそうとする力が働いている。そしてオンデマンドには、所有よりもアクセスへと向かう力が働いているのだ
・インタークラウドを動かす何百万ものサーバーの中で走る何億行ものコードがフィルターにフィルターを重ねることで、われわら自身を蒸留してその特異な部分を抽出し、個性を最適化してくれる
・テクノロジーの未来は、かなりの部分、新しいインタラクションをどう発見していくかにかかっている。これから30年の間に、きちんとインタラクションしないものは、故障していると見なされるようになるだろう -
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・消費者が突然こうして生産に関わりだすのは驚き。それは馬車と同様に遠い昔に滅んでいる。
・所有することは昔ほど重要ではなくなっている。その一方でアクセスすることは、かつてないほど重要になってきている。
・プロダクトは所有を促すものだが、サービスは所有する気をくじく-というのも所有という特権を伴う排他性、コントロール、責任といった足かせがサービスにはないから。
・自分にぴったりの五つ星の映画は一生に見切れないほどある。カッコいいウェブサイトも見て回る時間が足りないほどある。自分が好きだとわかっているものがもっと手元に届いてほしい。レコメンドエンジンとしてのフィルターが必要。 -
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ワイアードの創刊編集長ケヴィンケリー。彼が若い頃に途上国を旅したテクノロジーを排して生きるミニマリストだったとわw そういう時間を過ごしたからこそ、テクノロジーのありがたみをわかる。
ひどいアイデアに対する正しい反応は思考停止ではない。よりよいアイデアを思いつくことだ。何のアイデアもないより悪いアイデアがあったほうがいい。少なくともそれを修正すればいい。
禁止ではなく方向転換。禁止したり放棄するだけではうまくいかない。それより新しい働きを見つけた方がいい。テクノロジーの表現は一つではない。色々な初期値を持ちうる。政治的にも役割は複数ある。禁止するよりテクノロジーの方向性を変えてもっと共存できる形にすればいい。
ひどいアイデアに対する正しい反応は思考を止めることではない。良いアイデアをおもいつくこと。(ーーではない、からの批判的発展)何もないより悪いアイデアがあった方がいい。修正すればいいだけだからだ。
Convivial自立共生
イヴァンイリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』の中で自立共生的な道具を定義して「自律的な個人や一次集団の寄与を拡大するもの」
ところどころ、特に動物行動学や歴史など、面白い話はあるのだが、少々神秘主義にかかっている部分もある。「有意味」を感じられる知識とはどの辺にあるのか、という疑問を持つに至る。 -
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電信の発明から発展、そして衰退の歴史を丹念に辿りながら、ヴィクトリア朝時代は実は最初のインターネット時代であったことを描き出す一冊。
Tom Standageのジャーナリストらしい丁寧な取材力は見事で、技術史にとどまらず社会の変容を立体的に浮かび上がらせる。それは現代のテクノロジーの理解にも通じるものがある。
電信の浸透は、商慣習を変え、犯罪を生み、軍事のあり方も再編した。当時発せられた言葉を読むと、それは現代のデジタル、さらにはAIテクノロジーの進展を語る論評とほとんど区別がつかない。
テクノロジーが旧来の秩序を飲み込みながら広がり、やがて自らも別の技術に置き換えられる。
AIはどこまで隆盛し、どこまで他の領域を包摂していくのか。その循環の只中にいることを自覚させる、思索的な読後感であった。