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「テクノロジーの中を流れる力はただのぼんやりした情報に過ぎないのか。その力は自然なのか非自然なのか。テクノロジーはどういう意味で自然と異なるのか。テクノロジーは人間の知性から出てきたものであることは明らかだが、われわれの知性とどう違うのか」(本文より)人類は石器からコンピューターに至るまで、さまざまなテクノロジーを生み出してきた。これらに通底する普遍的な法則、そしてテクノロジーの本質とは、いったい何なのだろうか?現代のテクノロジーが向かう情報化、非物質化への流れを踏まえつつ、生命における生態系と同等なものとして、テクノロジーの活動空間を〈テクニウム〉と定義し、そこでのテクノロジーの振る舞いを、複雑性、多様性、自由、美、感受性、構造性、遍在性などの概念で読み解いていく。雑誌『Wired』の創刊編集長であり、毎月50万人のユニークユーザーを持つサイト Cool Tools も運営する著者が贈る、テクノロジー版〈種の起源〉。
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Posted by ブクログ
テクノロジーを「テクニウム」という生物種になぞらえ、その様相について驚くべき深い洞察と極めて重要なビジョンを示す非常に興味深い本です。
テクノロジーの性質は、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』風に、人間の知性を<乗り物>にして一種自律的に進化するものである。その進化には方向性がありしかも「進化が進化する」驚異的なものである。
では人間はテクノロジーにどう向き合い、付き合えば良いのか。ここで原理主義的なラッダイトを実践したユナボマーと、テクノロジーの受容と選択を共同体としてコントロールするアーミッシュについて考察し、テクノロジーを「選択肢を解放するもの」と考え、とにかく新しいテクノロジーは「常に監視しながら継続的に試験されなくてはならない」としている。
筆者は最終章に神を引き合いに出していますが、正に神学や歴史学も同じフレームで考察すべきなのだと思います。筆者は(テクノロジーにおいて)未来は現在よりも良くなる史観をもっています。「テクノロジー」の定義からして人間はこれから逃れることは不可能であるため、やはりテクノロジーに対する態度は「常に監視しながら継続的に試験されなくてはならない」となるべきであると筆者の意見に賛成します(これはエリック・ブリニョルフソン他の『機械との競争』に対する部分的な回答になっており、結論の核の部分で一致しています)。
Posted by ブクログ
雑誌"Wired"の創刊編集長のケヴィン・ケリーによるテクノロジーの「進化論」。
テクノロジーの総体、システムを「テクニウム」と名付けて、それが生物の進化同様の動きをしていることを説明するにとどまらず、物質や宇宙の進化、生命の進化、そしてテクニウムの進化を一つの進化の大きな流れとしてとらえる。
ダーウィンの進化論にもとづきつつも、それ自体がある種の目的性というか、方向性をもっており、かならずしもランダムな変異と淘汰だけのものでないと論じている。
ここは、議論が分かれるところであろうが、著者は、神秘的なものではなくて、複雑系的な秩序が自己組織化し、一定の方向感をもって、進化することを主張していて、結構な説得力がある。
もっとも、技術自体については、日頃、あまり考えていないので、議論として実感をもって理解できないところもあるので、主張がどのくらい説得力があるのかは、わたしにはよくわからない。
そして、そうしたテクノロジーと人間はどう付きあうのかが、もう一つの大きなテーマ。著者は、過度な悲観論にも、楽観論にもよらず、一定の距離をおきつつ、テクノロジーとつきあおうという感じかな?
というと当たり前の結論ぽいけど、途中で、アーミッシュのコミュニティのテクノロジーとの関わり方の話しが、結構、丁寧に記述されていて、彼らがなんでもかんでもテクノロジーを拒否しているわけではなく、一つ一つをじっくりと検証しながら、どうそれと向き合うか時間をかけて考えているというところが、とても印象的だった。
Posted by ブクログ
テクノロジーの発展の背後に潜むテクニウムをこれまでの歴史の中核に据えて論じてある。テクニウムは自律した方向性を持っており、それにより長い目で見れば自己組織的に発展している。テクノロジーの発展は我々の進化と通底するものであり、これからテクノロジーはまさに何者になっていくのだ。
現代の主流の科学とはあいなれない部分のある理論であると思ったら。根源的なところから振り返ってみると、テクノロジーが独自の方向性を望んでいるというのもわからなくもないと思った。
テクノロジーの発展は人類全体に可能性のある可能性を提供できるという点で自分の目指す道かもしれない。
Posted by ブクログ
テクノロジーの発展は、人間が恣意的に主導してきたものではなくテクノロジーそのものが内在的に自己組織化し、必然的に行われるものであるという刺激的な主張が展開される。
天文学的な確率でしか発生しない形質が別々の進化系統で同様に発生すること。
歴史を変えるような発明が、必ず同時多発的に同様の発明(と、一番手を主張する争い)と共に出現すること。
こういった事実を眺めていると、なるほどテクノロジーそのものに必然的な発展が織り込まれているという主張にも説得力を感じる。
アーミッシュが、むしろ通常の都市生活者よりもうまくテクノロジーと向き合っているというような話は著者のバックグラウンドによる偏りを感じるが、全体を通して丁寧にエビデンスを示しながら展開される持論は示唆に富んでいる。
Posted by ブクログ
ワイアードの創刊編集長ケヴィンケリー。彼が若い頃に途上国を旅したテクノロジーを排して生きるミニマリストだったとわw そういう時間を過ごしたからこそ、テクノロジーのありがたみをわかる。
ひどいアイデアに対する正しい反応は思考停止ではない。よりよいアイデアを思いつくことだ。何のアイデアもないより悪いアイデアがあったほうがいい。少なくともそれを修正すればいい。
禁止ではなく方向転換。禁止したり放棄するだけではうまくいかない。それより新しい働きを見つけた方がいい。テクノロジーの表現は一つではない。色々な初期値を持ちうる。政治的にも役割は複数ある。禁止するよりテクノロジーの方向性を変えてもっと共存できる形にすればいい。
ひどいアイデアに対する正しい反応は思考を止めることではない。良いアイデアをおもいつくこと。(ーーではない、からの批判的発展)何もないより悪いアイデアがあった方がいい。修正すればいいだけだからだ。
Convivial自立共生
イヴァンイリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』の中で自立共生的な道具を定義して「自律的な個人や一次集団の寄与を拡大するもの」
ところどころ、特に動物行動学や歴史など、面白い話はあるのだが、少々神秘主義にかかっている部分もある。「有意味」を感じられる知識とはどの辺にあるのか、という疑問を持つに至る。
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