あらすじ
テクノロジーの不可避な変化が向かう未来とは?
人工知能、 仮想現実、 拡張現実、 ロボット、
ブロックチェーン、 IoT、 シンギュラリティ――
これから30年の間に 私たちの生活に破壊的変化をもたらすテクノロジーはすべて、12の不可避な潮流から読み解ける。前作『テクニウム』でテクノロジー進化の原理を鮮やかに描き出したWIRED創刊編集長による待望の最新作!
(原書タイトル:THE INEVITABLE)
[目次]
1.BECOMING―ビカミング
2.COGNIFYING―コグニファイング
3.FLOWING―フローイング
4.SCREENING―スクリーニング
5.ACCESSING―アクセシング
6.SHARING―シェアリング
7.FILTERING―フィルタリング
8.REMIXING―リミクシング
9.INTERACTING―インタラクティング
10.TRACKING―トラッキング
11.QUESTIONING―クエスチョニング
12.BEGINNING―ビギニング
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
インターネットによって、今起こりつつあることをベースにこれから展開する方向性を示す。
平易な表現ではあるが、内容が濃いせいか読むのに骨が折れた。最新の事象が記載されていることから、知らない言葉も多く、調べながら読み進める必要があった。
Posted by ブクログ
ホール・アース・カタログ(かのスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学のスピーチで最後に話していた雑誌)やWIREDなど、世界的にきわめて影響力の高い雑誌の編集者を務めていたケリー氏が、未来へのガイドラインとして書いた本になります。副題にもあるように、未来を決める12の法則ということで、著者が考える「不可避」な動きを12の動詞で解説しています。「名詞」から「動詞」へというのも一つのキーメッセージで、これからのモノは固定的なモノではなく、常に変化していく、Flowingするモノになる、というのも本書内で記述されています。確かに、テスラの電気自動車を思い浮かべると、ソフトウェアが日々アップグレードされるので、見た目は変わらないように見えても、実は性能が日々変化しています。
本書を読んでたびたび感じたことを1つだけ。本書に記載されている12のキーワードが実現される世界は、仏教が考える世界観にきわめて近いのではないかという印象をたびたび感じました。IoTによって、すべての人やモノがつながる。そこでは各人が「いち」であると同時に「全体」でもある。”I”であると同時に”We”でもあるのです。これは従来の西洋哲学の世界観とは全く違います。つまり従来の西洋哲学は”I or You”であって、自己と他人は別のものであるという前提で近代科学も発展してきました。しかしケリー氏の描く次世代の世界は、自分が世界と融合しているという感覚を強く感じる世界だと思います。また、すべてのものがFLOWINGになる世界とはまさに仏教における「諸行無常」であります。そのため、本書を読んで、今起こっている情報通信革命は価値観をもひっくりかえす可能性があるのではないかと感じました(日本人はあまり抵抗なく受け入れられる気がしますが、欧米人にとっては強烈な変化かもしれません)。つまり単に技術革新だけが起こるだけでなく、意識革命、価値観革命も起こるかもしれない。そうなると、まさに18世紀にイギリスで起こった産業革命に匹敵する革命になりそうだと、個人的には感じました。
Posted by ブクログ
インターネットの誕生と今日における爆発的な広がりを以外12の視点から述べている。読み応えがあり、なお、まだ誰も想像できない何かの誕生を予感させる。
1.BECOMING
2.COGNIFYING
3.FLOWING
4.SCREENING
5.ACCESSING
6.SHARING
7.FILTERING
8.REMIXING
9.INTERACTING
10.TRACKING
11.QUESTIONING
12.BEGINING
Posted by ブクログ
SF作家になった気分
ワクワクしながら読み進めることができます。Googleの凄さ、Facebookの価値を目の当たりにしている現在でも、ビジネスチャンスは無限にあるのではと思います。
もっとも印象に残ったのは、ピカソが「コンピュータは役に立たない…」という発言とアインシュタインの例。良い質問こそ、我々人間がコンピュータに勝り出来ること、何処かで聞いた言葉でしたが、腹落ちしました。(p381)
自分の思考力、創造力を鍛えて読み直すと、また違う次元で楽しめると思います。
Posted by ブクログ
インターネットが使われるようになって約30年。Windows95が発売されて一般人にも使われるようになってからは、本書出版時(2015年)でまだ20年。この20年をリアルタイムで、しかもインターネットに比較的近い仕事に携われて経験できたことは、凄いことだった。著者も言うように、これから何千年先の人が振り返ったとき、初めて人類がネットワークでつながり始めたこの時代は、必ず記録されるだろう。
でも、まだ始まったばかり、これから加速度的に大きな変化が起きてくる。雑誌Wired創刊者の著者が、根底に流れるテクノロジーの大きな方向を12のキーワードで解説したのが本書。AI、全てがデジタル化にデータ化する、限りなくコピーされ続ける情報、所有からシェアへ、フィルタリングによる検索、コンテンツの自由な融合、新しいIFとしてのVR、トラッキングによるライフログ情報の集積、など。数十年の間には、揺り戻しや、国家などによる規制はあるだろうが、この大きなテクノロジーの流れには逆らえない。しかし、著者は未来について比較的楽観的だ。人類が初めて完全に繋がり、想像もつかない情報量が行きかうことにより、現在では想像もつかない新たな知が創造される。しかし、ずっと後から振り返ってみれば、そのとっかかりは現在に存在している。
課題満載の世の中ですが、テクノロジーによる未来を信じてみたくなる一冊です。
Posted by ブクログ
いわゆる未来予測に関する本で、
これまでの30年のテクノロジーの進歩から
テクノロジーの持つ本質的な性質、
それがもたらす傾向を解き明かし、
これからの30年に起こる変化を予測した本。
2016年に刊行されたため、刊行当時から
考えると2021年は5年後の未来になるわけですが、
かなりのことが本書の予測した通りに
進んでいるのには驚きました。
Posted by ブクログ
インターネットを活用した次なるサービス(ストリーミング配信やサブスクなど)について説明がなされていて、実際にそのサービスが台頭してきてるところに、著者の先見の目を感じた。
Posted by ブクログ
世界がどこに向かっているのかの楽観的な見通し。これらが実現していく世界において,人間とは何か,生きることの意味とは何か,と考えざるを得ない。インターネットの次に来るのは人間の終わりかもしれない。
Posted by ブクログ
若林恵「さよなら未来」からたどり着いた本書。しばらく積読だったのですがSTAYHOME読書でやっと取り掛かりました。こんないい本、さっさと読んどけよ、ですが自分にとってのタイミングはベストだったかも。緊急事態宣言後のNHK ETV特集でイアン・ブレマー、ユヴァル・ハラリ、ジャック・アタリへのインタビュー番組のエンディングで道傳愛子キャスターが語っていた「パンデミックに向き合うことはあるべき未来を私たち自身が手繰り寄せること」という言葉の「あるべき未来」がこの本に書かれている、と思いました。そういう時、ついついDXとかが変化の主役だ、とかいう話になってしまいますが、その先にある人間とテクノロジイーの関係性についての流れを12個の動詞で指し示しています。動詞というところがミソで「〈インターネット〉の次に来るもの」という題名への期待としては、それはどんな「もの」なのになっちゃうと思うのですが、それをゴールとしての名詞で示すのではなく、ベクトルとしての動詞ingで提示してあるところが素晴らしい。未来に獲得する「もの」でなく、現在もう始まっている「こと」という流れがこの本をアクティブにしています。BECOMING、COGNIFYNING、FLOWING、SCREENING、ACCESSING、SHARING、FILTERING、REMIXING、INTERACTING、TRACKING、QUESTIONING、BEGINNIG、方向わからなくなった時は、ここに戻って風を確認しよう。答探しではなく、良い質問をし続けよう。
Posted by ブクログ
インターネットは現在の生活にはなくてはならないものとなった。現在インターネットなしでは生活ができない環境の中、今後のネット社会、進化するデジタルテクノロジーを使ってどのような将来になっていくのだろうかと言うことを書いているのが著者の話である。大変内容が奥深く示唆に飛んでおり普遍的な真理を非常に感じさせられる深い内容の本である。著者は今後のデジタルテクノロジーがもたらす世の中を12の傾向の動詞の名称になぞらえて語っている。私たちは今まさにデジタル革命の本質を読みとこうとしているこの本に置いて、このデジタルの環境が何を現しているのか、人類に何をもたらしているのか、深く考えられないでいる。内容的には今後の人々が生活するためにおいてデジタルテクノロジーと共生して未来をなお素晴らしいものにするために深い示唆を与える本でありました。この本の良いところはAI化された未来と言うものがよりリアルに具体化されていろんな生活を例えに出して描かれているので非常にわかりやすくイメージがされやすく今後の来たるべき未来がどのようにデジタルテクノロジーを通して全てが統合されていくのか予想されるものを考えながら私たちの生活とどのように共生させていくべきか機械でできたコンピューター(AI)と人間のどちらが偉いとかではなく、その使い方、人間としての今後の生き方、倫理基準などの判断の参考になると思います。
Posted by ブクログ
『インターネットの次に来るもの』
1.個人のアテンション
益々重要視される。個人も企業も。
なぜならば、情報が増えすぎて、個人が本来見つけたい情報、コンテンツの価値が相対的に高くなってるから。
2.コネクト→タグ→意味づけ
そのために自分が作成保存した情報も、外部情報にもタグづけが益々進む。
タグづけ→関連づけ→注釈リンクという具合に、便利になる。
3.解答<質問推測
Google検査。解答を見つけるではなく、あなたの探し物、質問、これですか?
そう、質問への重要度が増してくる。
4.n分母の変化。
大衆統計→自分自身
僕は周りと比較して、、、ではなく、たとえば医療も益々カスタマイズが進む。
日常のセンサーデータで情報は蓄積されているのだから。
著者マイノリティ・リポート アイデア出しの方。
税抜2,000円はお得すぎました。
そうね!→会社自己に転換したくなる書籍。
#マーケティング
Posted by ブクログ
「人工知能のための哲学塾」の感想のところでも書いたけど,この本も大学の頃を思い出させてくれる本。著者のケヴィン・ケリーは初めて読んだ洋書。収穫逓増の法則とか書かれてたのを思い出す。
著者のこれからの社会を見つめる視線は先端をいっているのに,楽観論でもなく悲観論でもなく,まっすぐさを強く感じる。実際にそうなるかはわからないけれど,書かれていることは信じられる。なんとなく進もうとして,よくわからなくなったときに立ち戻りたくなるような本だ。
Posted by ブクログ
これほど骨太な本を読んだのは久し振りだったから年始から中々の体力が持ってかれた。。
昨今のテクノロジー進化の流れから、未来を決める12の法則を見出しており、それはあらゆる先進的なテクノロジー企業が持つ優位性を分析するのにも役立つ。
抽象的思考もここまで究めると未来予測の領域まで行くんだなーと感心。もっと『本質って何ですか』って自分に問い続けていかないといけないなーと痛感。
ネット人生計画立案のお供に
書籍にリンクを張り巡らせることによって、読書のスタイルが次の段階に進む。この部分に強い共感を覚えました。マーカーやしおりを使いこなしながら、クラウド上にその記録を蓄積し、資産を形成していくことがどれほど重要なことなのか。個人の読書においても、マーカーした箇所をクラウド上に記録して活用することは最重要事項なのです。迷走している日本の電子書籍業界の人達にぜひ読んで欲しい本です。
Posted by ブクログ
このネット社会で今後どのようになるのかあまり考えてなかった。
所有ではなくアクセスとは、なるほどと思う。
今となってはクラウドなどがあるため所有する必要もあまりなくなり、欲しい時に手に入れられるという世の中になってきた。
なので欲しい本があっても積読する必要もあまりなく、読みたい時に電子図書で読めばいい時代。
また、動画や映像にも脚注や目次が出来る時代ご時期に来ると思うので、これは早く欲しいと思った。
Posted by ブクログ
少し先の未来を観る眼が養われる感覚に没入できる現代の必読書。ってくらい面白かった。
未来について。
我々がどう思おうとも世界はBECOMING。不可避的にそうなっていく。
あらゆるパターンはAIや機械学習によってCOGNIFYING。認知化され我々はどんどん賢くなり、
あらゆる情報はデジタル化されコピーが可能になりFLOWING。我々を流れていく。
私たちはそれら総てをSCREENING、画面で見ていくことになり、
欲しいときに欲しいモノへいつでもACCESSING。アクセスするようになる。
近代に支配された所有するという概念よりもSHARING。分け与えるほうが物理的にも地球環境的にもそして人間的にもメリットがあり、
未知の好みはそれぞれの個性でFILTERING。不要なものをフィルタしパーソナライズされ届けられる。
新しい価値はヒップホップばりにREMIXING。すでに存在する資源の組み合わせで再編成され、
感覚とフィジカルはあらゆるレベルでINTERACTING。双方向に影響を与え合い、
我々の行動は監視を望まずともTRACKING。追跡可能なデータに可視化される。
AIの進歩により検索と回答の精度の高まる世の中においてQUESTIONING。人間の問いそのものが非常に重要になる。
そしてそれはまだBEGINNING。 始まったばかりの序章に過ぎないのである。
魅惑的な現在進行形ワードのみのスカしたインデックスをヒップに繋げて文章にしてみるだけでもわくわくの面白い未来のイメージが脳に浮かび上がる。
チャンスはいつでもいくらでも平等にある気がする!
Posted by ブクログ
タイトル通りではありますが、インターネット以降の未来予測が具体的に書かれています。ただし、具体的な商品やサービスというよりも、フレームワーク、考え方が12個に分けられています。
Posted by ブクログ
あらゆる事象がデータ化されあらゆる人が消費すると同時に生産する社会になり、価値は静的で所有するものから、常に流動的で形成途中で流れていく状態にアクセスしシェアするものになる、という内容は真新しさはないが納得感は高い。
新しい視点としては、
・生活の全てのフェーズがデータ化され検索や参照ができる対象になる。
・小説家が既にある言葉をリミックスして価値を生み出すように、音楽や動画も素材に分解されてリミックスされることになる。
・感知できなかった定量データを測定して効果的なフィードバックができるようになると、望ましい行動につながる感覚自体を作り出すことができる(北側が常に振動するベルトを常時装着した人は「北」を感じるようになる)
などが興味深かった。
Posted by ブクログ
2016年の本ながら今でも有用。備忘録的に目次解説残しておきます。
1.Becoming
2.Cognifying
3.Flowing
4.Screening
5.Accessing
6.Sharing
7.Filtering
8.Remixing
9.Interacting
10.Tracking
11.Questioning
12.Beginning
1. Becoming
地球をテクノロジーが覆い、止まることのないアップデートが永遠続くという意味において、ネット化したデジタル世界は名詞(結果)ではなく動詞(プロセス)化する。テクノロジーは生命のように生態系を構成(=テクニウム空間)し、我々は目的地となるユートピア的な発想ではなく、明日が今日よりも良くなるというプロトピア(ある状態になっていくことを指す言葉)の世界観を持つ。その中では、新たに生み出される利便性と同じくらい新しい問題も起きてくる。
2. Cognifying
ほんのちょっとであれAIによる認知機能を組み込むだけで、全てが従来とはまるで違うレベルの働きをするようになる。AIは無料化されコモンズ(=共有物)となり、この惑星を膜のように覆い(ネットワーク化されたAI超生命体、そしてスタンドアロンのAIとが共存する)、人間全ての文明からフィードバックを受けて自動修正され、強化され、新たなサービス価値を生む。それは「無料である」ということを超えた生成的な価値で、即時性、パーソナライズ、解釈(マニュアルとか)、信頼性、アクセス可能性(保管、アクセスの便利さ)、実体化(身体性)、発見可能性(レコメンドやレビュー)等が想定される。
ディープブルーがガルリ・カスタロフを最初に破ったのは1997年。その後に、カスタロフはデータベースツールを使うのがAIに許されるなら人間が使ってもいいはずだという考えから、人間の知性を拡張するマシン強化型プレーヤー(=ケンタウロス)による試合を考案した。これからは、ロボットやマシンと一緒に働くプロセスを最適化できたものが成功を掴む。つまり、われわれ人間の役割は、ロボットのために仕事を作り続けることだ。
3. Flowing
デジタルであるということは、自由にコピーを繰り返されるということ。あらゆるサービスが他の領域に流れて合流していく。
4. Screening
つまりは、本などに固定されること無く流動化して、空間の画面で読まれるようになるということ。
デジタル化によって人は本を読まなくなったというが、人々が「文字」を読む時間は1980年代と比べてほぼ3倍になっている。いわゆる「文章」を読むばかりでなく、MVの歌詞や映画のエンドロールやアバターのやり取りの吹き出しやラベルやオンラインの図形に出てくる言葉を解読するようになる。我々のこの新しい活動は読書(リーディング)というより「画面で読む(スクリーニング)」と呼ぶ方が正しいだろう。言葉を読むばかりか、イメージを読んだりすることさえ含まれる。
5. Accessing
デジタルになると、すべての製品がサービス化してリアルタイムにアクセスされるようになる。まずその変化は音楽(Spotify等)から始まり、映画(Netflix等)、そして他の領域にも展開していく。所有の概念が変化する。
6. Sharing
さらに、シェアによって所有という概念が時代遅れになる。これは、アドホクラシー(構造のない組織)、デジタル社会主義といったものを実現する、コラボレーションを可能にするソーシャルテクノロジーである。最貧層への医療提供や無料大学の教科書開発、珍しい病気の薬の開発資金調達にも使われる。現在の資本主義社会の人間があまり価値を置いていなかった、シェアやコラボレーション、オープン化、自由価格、透明化などに力がシフトしていく。また、資本主義においては、生産者と消費者は明確に分かれているものと考えられていたが、これからはトフラーの言うプロシューマー(生産者+消費者)といった概念が一般的になる。
7. Filtering
コンテンツの増え過ぎにより見つけたいものが見つからなくなるため、フィルタリング機能がこれからますます重要になる。フィルタリング機能は、ゲートキーパー(親、権威、牧師、教師)、仲介者(出版社、音楽レーベル)、キュレーター、ブランド、政府、文化的環境、友人、われわれ、といったもので分類される。時間の奪い合いが始まっているわけだが、アテンションの時間は等しく24時間しかない。そのアテンションの先にお金が流れる。
8. Remixing
Flowingされるようになると、サービス化した従来の産業やコンテンツが自由にリミックスして新しい形となる。音楽用語では、リミックスやマッシュアップ、サンプリング。さらには、分配、借用、変換、変異し、改良され、進化したものがリミックスだ。何らかの価値を持つ創造物はやがて明日には何か違うものになる。これから30年の間に生まれる最も重要な文化的作品や強力なメディアは最もリミックスされたものになる。
9. Interacting
VRのような機能によってプレゼンスは解像度が上がり、コマ数がアップし、コントラストが増し、カラー表現の幅が広がり、音響が豊かになる。VRはプレゼンスとインタラクティブ。しかし、VRの真の凄さはインタラクティブにある。マイノリティリポートとかアイアンマンみたいに空間で手を動かすものではなく(=疲れる)、手話に近いものや、目で選んだり、ぶつぶつしゃべったりといった操作方法になる。ウェアラブル、BMI、各種センサーによってより多くの感覚を使うことになり、すべての体験の没入感が格段に増す。クアッドコプターの操縦などは正にそれ。ゲーミィフィケーションの手法で実際の生活でも参加者を好ましい方向に誘導できるようになる(ポイントが貯まる、スコアが出せる、レベルが上がる)。
10. Tracking
自分が何者であるか解き明かす非正規IDサービスなども出てくる。定量化された自己(Quantified self) を管理する時代に。そうした全てを追跡するセルフトラッキングは健康分野だけでなく、あらゆるサービスを向上させ、ライフストリームを記録し、現在のライフログを超えた電子版人生の物語を紡ぐ。
11. Questioning
問題を解決する以上に新たな良い疑問を生み出す。Wikipediaは社会の力についての新しい評価を生んだ(こんな辞書が成立するなどは誰しもが信じていなかった、不可能であると考えていた)。かつて不可能であったことが毎日現実になっていく。こういったテクノロジーは善いことにも使われるが、悪いことにも使われる。テクノロジーは新たな疑問、まだ誰も発していない疑問を発する。
12. Becoming
そしてついには全てが統合され、次のデジタル環境(未来のインターネット)へと進化していく。インターネット2.0は、世の中の全てを検索できるようになり、過去の情報やフッテージを見ることができるようになる。さらには、行動を予測し、行動に応じたリコメンドをしてくれる。テクノロジーが生活に融け込み、常時存在している会話の一種のようなものになる。新しい考え方、完璧な検索や記憶、惑星規模の知的能力と新しい精神をもたらす。それが始まっている。
Posted by ブクログ
テクノロジーが生活にどう作用するか考えたい人におすすめ。
【概要】
●人工知能などのテクノロジーがこれから30年の間にどう作用するか、
不可避であるトレンドについて12の観点から提示
【感想】
●アイデアを生み出すための予備知識が増えた。
●特に、「FILTERING」「FLOWING」「COGNIFYING」の項目が参考になった。
●AIで何ができるかを考えることも重要だが、AIで何ができないかを考えることも重要である。
●「人間の経験」と「信用」は普遍的な価値であり、今後も変わることはないだろう。
信用が普遍的な価値であることは他の書物にも書かれていた。
Posted by ブクログ
インターネットを起点とした、今後のテクノロジーの進む方向性が書かれている。
インターネットはだいぶ発達したように思えるが、まだまだ途上段階であり、今後個人の生体情報なども含めてさらに記録される情報が増大し、またそれを含めてあらゆる情報がネットワークを形成していく。
ネットに載せられた情報は無限にコピーされ、無料に近づいていく中で、個人の信用や、パーソナライズされた情報、プロダクトの価値が増していくという話が興味深かった。
個人的には、現代のテクノロジーの潮流をニュースなどから読み解くのが難しいため、世の中を俯瞰できるという意味でいい本だった。しかしながら自分の中ではまだまだ消化不良な部分が多く、実際の企業のニュースと照らし合わせながら何度も読んで理解を深める必要があると感じた。
Posted by ブクログ
インターネットによってもたらされる今後の変化について述べている。
デジタルでものが簡単にコピーできるようになることで、アナログよりも一定程度の品質を安定して供給することができるようになった。しかし一方で、アナログのオリジナルが価値を高めることにもなった。
人口が少ない村では、隣の人が何をしているかというのが把握される監視社会だった。今でもトラッキングによって個人情報を企業が把握している形にはなるが、トラッキングとの違いは自身の知らない人が自分のことを把握しているという点で違い、そこに違和感を覚える。
Posted by ブクログ
Becoming
Cognifying
Accessing
Flowing
Screening
Filtering
Sharing
Interacting
Tracking
Remixing
Questioning
Beginning
Posted by ブクログ
・いまこの瞬間に始めるべきだ。いまこそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言うときなのだ
・コミュニケーションテクノロジーはすべてをオンデマンドで動かそうとする力が働いている。そしてオンデマンドには、所有よりもアクセスへと向かう力が働いているのだ
・インタークラウドを動かす何百万ものサーバーの中で走る何億行ものコードがフィルターにフィルターを重ねることで、われわら自身を蒸留してその特異な部分を抽出し、個性を最適化してくれる
・テクノロジーの未来は、かなりの部分、新しいインタラクションをどう発見していくかにかかっている。これから30年の間に、きちんとインタラクションしないものは、故障していると見なされるようになるだろう
Posted by ブクログ
やはり外国人の著者のものは難しい
becoming
cognifying
flowing
screening
accessing
sharing
filtering
remixing
interacting
tracking
questioning
beginning
全てが今も繋がっており、そのことが今までは考えられなかったこと。
そこから、想像もしないことが生まれてくる。
Posted by ブクログ
・消費者が突然こうして生産に関わりだすのは驚き。それは馬車と同様に遠い昔に滅んでいる。
・所有することは昔ほど重要ではなくなっている。その一方でアクセスすることは、かつてないほど重要になってきている。
・プロダクトは所有を促すものだが、サービスは所有する気をくじく-というのも所有という特権を伴う排他性、コントロール、責任といった足かせがサービスにはないから。
・自分にぴったりの五つ星の映画は一生に見切れないほどある。カッコいいウェブサイトも見て回る時間が足りないほどある。自分が好きだとわかっているものがもっと手元に届いてほしい。レコメンドエンジンとしてのフィルターが必要。
Posted by ブクログ
考えさせられるお題提供という意味で読書の価値あり、テクノロジーの進化という観点では、目新しさは感じられず残念。
「インターネット社会で膨大な情報が我々の手中にあるのに、使いこなせていない」と、最近出会った人が発言していて、印象に残った。インターネットは、劇的に社会を変えたが、大きな変化は生活の利便性や娯楽分野であり、恒久平和や社会問題の解決に有効かと言えば、まだ可能性が残されている気がする。
本著に記されるようにAIの価値は、その追求により、人間を再定義する事にもある。働き方が変わり、旧式の単純労働の形が変わり、人間はどのように生きるべきか。農業でも工業でも、人に対するサービスでも、「生産」する事が労働で、「生産性」を高める事がマーケティングを含む企画業務とする付加価値至上主義は、間もなく終わるだろう。インターネットの次に来るもの。そこに氾濫する情報を生産性という価値観から切り離した世界に待つものを、私は見てみたい。
Posted by ブクログ
1. 次の産業革命を起こした国が覇権を握るとメディアは報じており、その最先端として米国と中国が争っています。ここでそもそも何をしたら産業革命になるのか?という疑問を持ったのでヒントになるかと思い読んでみました。
2.インターネットが普及したことは革命的であった。それにより、不可避の未来がある。本書ではbegining,cognifying,flowing,screening,accessing,sharing,filetering,remixing,interacting,tracking,questioning,beginingの12個のキーワードを取り上げています。
人類はインターネットを活用し、テクノロジーを受け入れることを強制されています。これを活用できなくては取り残される人間となってしまいます。根本として、変化していくことを避けず、社会に適応していかなければならない。そのうえで、未来を見極める要素が何なのかを把握しなさいということです。本書では、その要素として12個上げています。
3.かなりの分量があったので、読み切るに時間がかかりました。しかし、理解できたのは40%くらいだと思っています。外国人の著者はどうしても回りくどい口調になってしまうため、要点をつかみづらく、苦戦してしまいます。その中で得た答えとして、人口知能(AI)を人間社会に役立てていけるかどうかが産業革命の要なのだと思いました。今は研究が盛んに行われており、実験段階ですが、自動化された世の中がかつてないほど人間の生活を楽にできればそれを生み出した国が勝つということになるでしょう。日本の場合、テクノロジーを受け入れる体制が海外より整備されないため、国内企業は政府の規制に阻まれることは予想されます。そうなると日本からGAFAMのような企業は生まれないでしょう。他方、より便利な方を消費者が好んでしまい、海外産に依存してしまう恐れもあります。
日本が産業革命によって覇権を握ることはないので残念ですが、IT企業が苦しくなっていくのが目に見えているので何かしら対策があればいいかなと思います。(現時点で自分は何も思いついていない)
Posted by ブクログ
・未来を決める12の法則 p.380
・物は小さくなり重さあたりの価値は増加、物は各地に分散しそれを繋ぐネットワークが必要、リアルタイムで繋がる、クラウドにアクセスできる