服部桂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
19世紀のヨーロッパ。遠くへ情報を伝えるには、手紙で伝えるしかなかった時代から、モールス信号を電気で伝える電信が登場した。当初は国内に張り巡らされたケーブルはヨーロッパ中に広がり、ついに大西洋を渡る。
情報が速く、安く伝わるようになった世界はさまざまな変革を迫られ、そして電話の登場により衰退するまでのノンフィクション。
19世紀にすでに大陸間横断ケーブルが存在していたのは驚きだったし、ネットワークのなかで起こる悲喜こもごもの話達は、いまのインターネット世界とさして変わらないように感じる。
どんなテクノロジーも、まだ見ぬ未来のテクノロジーに埋もれていくのが常。電信も電話の登場により駆逐され、電話 -
Posted by ブクログ
トム・スタンデージ『謎のチェス指し人形「ターク」』ハヤカワ文庫。
2011年12月にNTT出版から単行本として刊行された作品の文庫化。
なかなか面白いノンフィクションであった。現代でこそ、スーパーコンピュータやAIといった情報技術が進歩し、チェスや将棋といった分野で機械が人間を打ち負かすのは当たり前になっているが、1770年にチェス指し人形という物が創られていたとは驚いた。
勿論、チェス指し人形にはトリックがあるのだが、当時の機械制御の技術が垣間見ることが出来、それが後のスーパーコンピュータやAIなどにつながっていくという点が面白い。
1770年、ウィーン宮廷の官吏ケンペルはチェスを -
Posted by ブクログ
ホール・アース・カタログ(かのスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学のスピーチで最後に話していた雑誌)やWIREDなど、世界的にきわめて影響力の高い雑誌の編集者を務めていたケリー氏が、未来へのガイドラインとして書いた本になります。副題にもあるように、未来を決める12の法則ということで、著者が考える「不可避」な動きを12の動詞で解説しています。「名詞」から「動詞」へというのも一つのキーメッセージで、これからのモノは固定的なモノではなく、常に変化していく、Flowingするモノになる、というのも本書内で記述されています。確かに、テスラの電気自動車を思い浮かべると、ソフトウェアが日々アップグレード
-
Posted by ブクログ
ケヴィン・ケリーは、雑誌「WIRED」(デジタルがもたらす経済の変革を追う世界的な著名雑誌)創刊編集長で、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾスなどシリコンバレーで成功した沢山の起業家たちを取材してきた人物。
彼は「テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる」と言う。
テクノロジーの進化の未来を、5000日後と日数で考えます。
10数年というとまだまだ先な感じがしますが、日数で考えると近い将来だなとちょっと不安になりますね。
スマホの次に来るものは、スマートグラス。
身につけて画面を表示するウェラブル。
ミラーワールド=(AR世界)拡張現実の世界。
AR機能を搭載したスマートグラス -
Posted by ブクログ
『5000日後の世界』という表題にまず目を惹かれた。10年後とか20年後という表現ではなく、日にちだったこと。日にちで考えることについては、本書6章に答えがある。思考を止めないために日にちを数えるのだそうだ。詳細を知りたい人はぜひ本書を手に取り確認をしてほしい。
1章から4章で、5000日後の世界を描き、5章から6章では著者の思考をたどることができる。シンプルな言葉で語られているが、真似て実践しようとしても簡単ではない。それでも、著者の思考に近づいて見たいので、『テクニウム』『<インターネット>の次に来るもの』を読み解きたい。
著者が提唱しているミラーワールドがどのようなものかや、各産業がどの -
Posted by ブクログ
インターネットが使われるようになって約30年。Windows95が発売されて一般人にも使われるようになってからは、本書出版時(2015年)でまだ20年。この20年をリアルタイムで、しかもインターネットに比較的近い仕事に携われて経験できたことは、凄いことだった。著者も言うように、これから何千年先の人が振り返ったとき、初めて人類がネットワークでつながり始めたこの時代は、必ず記録されるだろう。
でも、まだ始まったばかり、これから加速度的に大きな変化が起きてくる。雑誌Wired創刊者の著者が、根底に流れるテクノロジーの大きな方向を12のキーワードで解説したのが本書。AI、全てがデジタル化にデータ化す -
Posted by ブクログ
若林恵「さよなら未来」からたどり着いた本書。しばらく積読だったのですがSTAYHOME読書でやっと取り掛かりました。こんないい本、さっさと読んどけよ、ですが自分にとってのタイミングはベストだったかも。緊急事態宣言後のNHK ETV特集でイアン・ブレマー、ユヴァル・ハラリ、ジャック・アタリへのインタビュー番組のエンディングで道傳愛子キャスターが語っていた「パンデミックに向き合うことはあるべき未来を私たち自身が手繰り寄せること」という言葉の「あるべき未来」がこの本に書かれている、と思いました。そういう時、ついついDXとかが変化の主役だ、とかいう話になってしまいますが、その先にある人間とテクノロジイ