山本淳子のレビュー一覧
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日は入日 入り果てぬる山の端に 光 なほとまりて 赤う見ゆるに 淡黄ばみたる雲の たなびきわたりたる いとあはれなり
枕草子の後半に書き連ねてある「日、月、星、雲」の段。上の部分はその中の「日」の段にあたる。
初段の「春はあけぼの」にも通じるお題ありきの構成をとる。自然への洞察力に長け軽妙で小気味いい清少納言らしい文章だ。
もちろんこれだけを読んでも十分に枕草子の世界を堪能できる。
ただ、この背景にあるものを知ったらどうだろう。また一段と作品世界が広がることは間違いない。
この本によると、おそらく「春はあけぼの」は定子の生前に書かれたもの。そして上に上げた段は定子の没後に書かれたものとある。
平安という雅の中にありながらも、時代の波に翻弄された悲劇の中宮、定子。
そんな彼女の心を慰めるため、そして彼女の魂を鎮めるために書かれたのがほかでもない枕草子だったのである。
いったんこの作品がある種の挽歌だったと知ると、枕草子における清少納言のきらびやかな貴族社会への執着に合点が行った。
もともと山吹の花のくだりが好きで、ここを読むと定子の清少納言への愛情の深さに胸がいっぱいになってしまうのだが、この本を読んだ今はどのくだりを呼んでも清少納言の定子への思いがひしひしと伝わってきて切ない。
高校の授業で出会った枕草子。
知っているようで全然知らなかったその世界。
一筋縄じゃいかない。
だからこそ面白い。
平安の時代に思いを馳せながら、読み耽るのもいとあわれなり(笑)
尊敬するブク友さんから紹介された素敵な本です。
読んでよかった。
ありがとう~♪
久々のレビューでした! -
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同時代人なら、源氏物語を読んで、どんな現実の事例を思い起こしたか、ということを主題にした本。
『週刊絵巻で楽しむ源氏物語』で連載されたコラムが元なのだそうだ。
あらすじはあるものの、例えば、若紫の巻の記事では、「源」氏とはどのような位置づけの一族かという解説がくる。
若紫(紫の上)のことは一言も触れられていない!
源氏物語の筋も全く知らない、という人にとっては、びっくりするかも?
ただ、私にはこの解説、面白く読めた。
桐壺の更衣と桐壺帝のモデルは定子中宮と一条帝だという著者の持論も。
(さすがに浮舟にも定子を重ねられるというところでは、どうなのかと思ったけれど) -
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「千年の黙」があまりにおもしろかったので、紫式部についてもっと読みたくなって。 この本は、原文に忠実そうな現代語訳、原文、解説、とあって、すごくわかりやすく、読みやすかった。古文嫌いなので原文は飛ばしたけど。(古文法とか旧かなとかが異常に嫌い。ちゃんと勉強して理解すれば好きになれるのか?)おもに、皇后に子が生まれ、そのお祝いごととかの様子が描かれているのだけれど、紫式部はそもそも宮中づとめがイヤでイヤで、イベントごとも嫌いで、仲のよい同僚の局とうしろのほうでこそこそしていた、とか、行事にギリギリに行った、とか、そんな話がおもしろかった。すごく気持ち、わかる(笑)。しかし一方で、あんまり引っ込み思案でも、子どもっぽくてみっともない、お勤めを果たしているといえない、とか考えていたり、そういう心のうちが書かれているのが興味深かった。主婦として家にいれば、守られているし、好きにできるし、いちおう家の主でいられるけど、華やかな職場に勤めに出れば刺激があって楽しい反面、気苦労も多いという。今と同じみたい、と、宮中づとめの感覚がわかったような気になったり。
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古典作品を翻訳と原文と解説で読むシリーズの紫式部日記。
源氏物語で知られる、紫式部の日記をに当たるもので、
紫式部の女房としての仕事や、紫式部の日常がわかるし、
解説も合わせると、紫式部という人物像っていても、多くの人は、
全くわからない古典作家という印象時価ないと思いますし、
自分もそうだったのですが、それがこういう人か、意外な面もあるなと
なりました。
物語として読めるかどうかでいうと、日記ですから、
ちょっと厳しいかもしれず、平安時代(古文)になじみというか、得意じゃない
人にはちょっとばかし退屈というか大変というかって感じかもしれません。 -
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NHK大河ドラマで紫式部を主人公とする「光る君へ」が2024年に放映され始めた頃に
小説家の門田光代が源氏物語の研究家・山本淳子と対話した記録が大変興味深かった。女性2人の対話からは、これまでの「源氏」解釈が如何に男性の立場から光源氏視線で行われていたかを指摘し、女性研究家が増えてきた現代では、登場する女性たち(藤壺、朧月夜、紫の上、髭黒の妻、女三宮、浮舟とその母など)の心の内面分析などが進み、源氏解釈がかなり変化してきているということが強調され、非常に納得がいくように感じた。
その中で、従来は薫君、匂宮のことばかりが注目され、その二人の間に浮舟はの如くさ迷う女性だとされていたが、浮舟は実は自ら判断し、行動する女性になった! 私自身も目が開かれる思いがした。また物語が玉鬘の登場するあたりから内容が一変し、長編小説のようになる理由が、道長から彰子にパトロンが代わった時期ではないか、また桐壺帝と桐壺更衣の関係は一条天皇と定子をモデルにしているのでは、などと政治的な背景の分析も面白かった。正に、「いま読む」に相応しい書だった。 -
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大河ドラマ『光る君へ』を見ていて平安時代のことをもっと知りたくなって手に取りました。
すごく分かりやすく読みやすいので、道長の人生を知るのに最適な本だと思います。
当たり前ですが、大河の藤原三兄弟と史実は全く違いますね。特に道兼は、実際は和歌が得意で風流な人物であったようなので、大河の暴力的な設定はちょっと可哀想だな…と思ったり。
定子は兄の道隆の娘で彰子は道長の娘だということも知らなかったので、勉強になりました(それぞれ清少納言と紫式部が家庭教師として付いていてライバル関係にあるということしか知らなかった)。定子は兄の娘でつまりは姪なのに道長が娘を中宮にするために虐めて邪険にしたというのは可哀想ですが、この時代親の身分が高くないとか親が死亡して有力な身内がいないことが如何に大変なことなのか、よく理解できました(それは貴族だけではなく天皇の息子も同様)。