【感想・ネタバレ】平安人の心で「源氏物語」を読むのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月06日

NHKの大河ドラマも見て、興味を持って「源氏物語」を読みたくなった。この本は、平安時代の背景を解説しながら、源氏物語を詳しく書いてあって、とてもわかりやすかった。高校生の時に読んでいれば、もっと古文が出来るようになったのに、と残念に思う。

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Posted by ブクログ 2023年12月01日

源氏物語の完訳を読んだ直後には最高の読書だった。少しずつ作家さんによる源氏物語の訳を読み比べていきたいし、いつか原文にも挑戦したいと思った。

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Posted by ブクログ 2021年02月09日

コンパクトなのに非常に奥深い教養が身につく本。
源氏物語全54帖のあらすじも載っているが、そちらよりも物語に関連した平安時代の風俗や文学の歴史、人物の系譜などを学べることが面白い。
菅原道真公の飛梅伝説は知っていたけれど、ずっと白梅だと思っていたのが紅梅だったことを43帖「紅梅」の解説で知ったし、梅...続きを読む自体が奈良時代に中国から渡来したことも知りました。などなど…。

源氏物語の楽しさはちゃんと全訳本などを読むべきだけれど、この本をサブテキストとして併用すればバッチリ!
源氏物語をきっかけに色々なことが学べる素晴らしい1冊でした。今後も折にふれて再読します。

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Posted by ブクログ 2021年01月09日

源氏物語の各章のあらすじを1頁、関連する蘊蓄を3頁紹介してくれる。

めっさ面白かった。(じっくり読んだので時間がかかった)

人妻の不倫が厳しく罰せられるのは武家社会に入ってから以降で、父の財産を子が相続する場合、妻が婚外子を産むとややこしくなるからとか。

如来は極楽浄土の住人で、菩薩はまだ修行...続きを読む中だとか(知らなかった)

光源氏は、どんだけ女好きなんだとか、改めて千年前も前に書かれた物語にひれ伏す。

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Posted by ブクログ 2019年01月04日

源氏物語の巻ごとのあらすじ、平安貴族社会の事情を知ることによって登場人物の行動・心情の理由がよくわかる。桐壺更衣のモデルを一条天皇の中宮定子し、その悲劇性が物語の根幹をなしているという説が興味深い。

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Posted by ブクログ 2015年01月30日

「源氏物語」の背景を知ることができ、ますます「源氏物語」への興味が広がる。いろいろな角度から「源氏物語」を知っていきたいと思う。

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Posted by ブクログ 2014年08月18日

本書は「週刊 絵巻で楽しむ源氏物語五十四帖」というビジュアルシリーズに連載されたエッセイがもとになっているそうで、一般向けの読みやすいものだ。最初のあたりは、以前出た著者の「源氏物語の時代」と比べるとやや浅い感じがして、読者サービスのような軽い書き方に少し違和感があった。章のタイトルが「恋の”燃え度...続きを読む”を確かめ合う、後朝の文」とか「祖先はセレブだった紫式部」とかだったり…。それでもやっぱり、専門の研究者による源氏のお話はさすがに面白く、内容も章が進むにつれどんどん深みを増して、結局は大満足のうちに読み終えた。

「源氏物語」は(今更言うまでもないけれど)たいそう魅力的な物語なので、時代により人により、いろいろな読み方をされるのは当然だと思うが、私はどうも現代人のものの考え方に引きつけて源氏を読んだものが苦手である。中にはいたって無自覚に、源氏の登場人物が今の私たちと同じような考え方、感じ方をするものとして書かれているものもあったりして、それは違うでしょ!と思ってしまう。

近代以前、どころか千年も昔の王朝人の感覚など、そう簡単に想像できるものではないだろうが、この物語が、どういう社会常識や生活文化の中で書かれたのか、作者がどんな思いをそこに込め、当時の人々がどのように読んだのか、少しでも知りたいと思う。だから、本書のような研究者による一般向けの本は本当にありがたい。疑問に思っていたことがすっきりしたり、間違った受け取り方をしていたことがわかったり、思いもかけなかった視点が提示されたり、いやまったく充実した読書だった。

なるほど!と思った点を箇条書きで挙げると

・「源氏物語」というタイトルは、主人公が身分社会の敗者であることを示している。
・巻名はいつ誰が付けたのか。
・作者はいつから「紫式部」と呼ばれるようになったか。
・物語はサブカル。文芸の中でも格下のジャンルだった。
・今私たちが読んでいる「源氏物語」は、研究者の並々ならぬ苦闘の成果である。
・源氏には語り手がある。
・薫は決して「草食男子」ではない。
・平安京で火災が多発したのはなぜか。
・外戚という方法での権力掌握は、考えてみればまことに迂遠な方法で、実に平和的。

などなど。源氏好きな人は楽しめること請け合い。

圧巻は、終盤で提示される源氏物語のとらえ方だ。著者は、一条天皇の中宮定子こそが「源氏物語」の原点であり、主題であった、と考える。同時代に目の当たりにした中宮定子の悲劇的な人生、その理不尽さに深く思いをいたし、虚構世界の中でその投げかけた問いに答えようとしたのが「源氏物語」なのだと。これは著者の持論であり、長く主張していきたいと書かれているだけあって、筆致に迫力があった。

「人とは何か。それは、時代や運命や世間という『世』に縛られた『身』である。身は決して心のままにならない」「筆を執り物語を書き始めたとき、紫式部が生み出した登場人物たちは、誰もがすべて『世』を生きる『身』であった。人として『世』に阻まれる『身』、それを各々がどのような『心』で生きるか。それを描くことに挑んだ『源氏物語』は、日本の文学史上初めてのリアリズム小説となった」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月11日

 現在、私は光源氏の晩年に差し掛かった部分を読んでいます。『若菜上』ですね。

 古典を読むということと古典を学ぶということは全く違うことなのだなぁと改めて思いながら、こちらの著作を読ませていただいておりました。

 古文の授業といえば、活用形を学んだことが一番意識に残っていて、『源氏物語』も一部し...続きを読むか扱うことはできませんから、平安時代の代表文学で『あわれ』の文学ということばかりが記憶に残っています。

 一般常識を学んだという感じが今はしています。

 実際、自分で読んでいくとわからないことは山のようにあり、光源氏は何故源氏なのか? 藤原道長が紫式部を愛娘の彰子の女房にしたのは何故なのか? 読んでいけばいくほど謎は多くて(;^_^A

 目に鱗だったのが、源という姓が天皇の血族を意味するということ。そして、光源氏は藤壺更衣という身分の低い母親を持って生まれたために臣下となるのですが、その血の源が天皇にあるという意味での『源』であるというのが、そうだったのね と。

 因みに現在大河で活躍中の源頼朝は清和天皇が始祖でそこから十代目に当たるそうです(もうほとんど他人という気もしますが)

 光源氏は一代源氏となります。

 他にも王氏と呼ばれるいう一族などもいたそうです(こちらは在原業平の血筋)

 そして、紫式部は「源氏物語」を書いていたために藤原道長に見出されたというのも、この本で初めて知りました。

 しかも、ヒロインである女性・藤壺更衣のモデルが中宮定子だったというのも、ああ、と思うところでありました。

 定子は若くして亡くなりましたし、しかも彼女が亡くなった時は没落の身の上でしたものね。それでも一条帝は彼女を溺愛していましたし、そのことは知られていたことでしょうし、確かに藤壷更衣の立場などを考えれば、ヒロインのモデルといわれて納得です。

 光源氏が多くの女性と恋愛をして、自ら理想の女性になるように若紫を育て、弘徽殿皇太后の思惑に嵌って流刑にされたり、光源氏の人生もまさに波乱万丈なのですが、それに多くの女性たちが哀切の形でかかわっていくのは、リアルでもあり、また末摘花のように醜くて貧しくても光源氏のような男性に出会うことができるというのは、当時の狭い社会の中で生きていくしかなかった女房達に人気が出たのはわかります。

 私も当時生きていたら、今以上に夢中になって読んでいたのかなとかも思います。

 家系図や当時の寝殿造りの図も掲載されていて、人物の整理ができましたし、読んでいて楽しかったです。内裏の図や衣装などもなかなかその手の本まで手が届かないのでうれしかったです)

 宇治十帖まであと少し、そこまでくればゴールには近い♪
 頑張って読むぞ!

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Posted by ブクログ 2021年02月08日

源氏物語の各巻に寄せて、当時の社会を解説。
源氏物語が参考または下敷きにしたであろう和歌や事実、時代を挙げて。

こうしたことを念頭に源氏を読んでいた一条天皇を始め当時の人々は、同時代の躍動感やリアリティを感じ、感慨深く、また面白かっただろう。

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Posted by ブクログ 2018年07月29日

当時の「常識」から源氏物語を考えることができる。1000年残ってきた軌跡も知ることができ、先行研究も知りたくなった。

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Posted by ブクログ 2018年07月06日

源氏物語そのものは各帖ごとにあらすじをまとめているもので、当時の時代背景やら社会常識などを解説してくれている。
帖によっては全然ストーリーとは関係ない話のものもあるので源氏物語そのものを楽しみたいなら少々物足りないけど、紫式部や平安時代を含めての源氏解説本としては分かりやすくておもしろい。
読めば読...続きを読むむほど源氏物語はほんと傑作だなと思えてくるので、伊達に1000年語り継がれていないよなほんと。

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Posted by ブクログ 2014年07月24日

同時代人なら、源氏物語を読んで、どんな現実の事例を思い起こしたか、ということを主題にした本。
『週刊絵巻で楽しむ源氏物語』で連載されたコラムが元なのだそうだ。
あらすじはあるものの、例えば、若紫の巻の記事では、「源」氏とはどのような位置づけの一族かという解説がくる。
若紫(紫の上)のことは一言も触れ...続きを読むられていない!
源氏物語の筋も全く知らない、という人にとっては、びっくりするかも?

ただ、私にはこの解説、面白く読めた。
桐壺の更衣と桐壺帝のモデルは定子中宮と一条帝だという著者の持論も。
(さすがに浮舟にも定子を重ねられるというところでは、どうなのかと思ったけれど)

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Posted by ブクログ 2024年02月24日

のんびり読みすぎて光る君へ始まってしまった
平易な文章で、源氏物語のあらすじを振り返られるし
平安時代の風俗や習慣がわかりやすく述べられていて面白かった
特に、源氏物語が発表当時どのように受け止められたかの推論は興味深い

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Posted by ブクログ 2021年06月04日

源氏物語の根幹には定子(紫式部の上司のライバル)がいるのではないか? という説は、初めて読んだかもしれない。

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Posted by ブクログ 2019年05月02日

元々は週間分冊百科のコラム欄に掲載されていた文章だということで、源氏物語の各帖を肴に、平安時代の生活のあれこれを説明していく、というものでした。
一通り源氏物語は読んできたつもりですが、平安時代の貴族の生活について、知らないことが多かったもんだなぁと自己反省です。

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Posted by ブクログ 2015年06月28日

平安人の視点で源氏物語を読めるように,その背景となる平安時代の貴族社会を紹介した本.
源氏物語の五十四帖(長い部分は2節にわけてある)のそれぞれに対し,1ページの要約と3ページの解説というスタイルですすむ.要約は本文から読み取れるよりも,思い切って踏み込んだものになっている.解説の部分が秀逸.かなら...続きを読むずしもその巻に密着したものではなくて,平安時代の政治や社会の常識から,紫式部が源氏物語を書いた背景,貴族の生活など,まさに平安人が源氏物語を読んだときに常識としてもっていたことがいろいろ紹介されている.源氏物語を読む上でよい伴侶だと思う.

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