ミシェル・ウエルベックのレビュー一覧
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老いるのが怖くなる小説だった。
人が不死の技術を手に入れて、肉体が老いてもまた新たな肉体を手に入れることができるようになり、そうした未来の可能性において人類はほとんど解脱に近い静穏な状態なのだけど、そうした描写になぜか息が詰まる。宗教SF。
その未来のダニエルの視点で現代のダニエルの手記を見通すなかでそこに何かしらの郷愁の念があって、手記を読むという行為そのものにやはり「感情」に対する執着が描きこまれているように思う。
そうした構造も面白いし、さらに現代ダニエルは皮肉屋のコメディアンかつ映画監督として栄華をものにし、快楽主義をつらぬいてセックス三昧。またこの性描写がたまらないのだけど、やはりそれは肉体の老いという陳腐な問題のなかで静かにすべてを失ってゆくという深い絶望感が最高の切れ味で描かれていていい(ダニエルは基本的に嫌なヤツなのでな、共感はするが)。
前半とラストが好き。 -
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人生の成功者による快楽の追求。その果ての絶望を描いた傑作である。人は誰も老いには勝てない。描写は情け容赦なく、描かれた性への渇望はグロテスクである。主人公のダニエル1の若い女性に対する執着心、特に最後の無様な姿は見苦しく醜悪だが、それは単なる性欲を超えた一人の人間としての絶望の叫びだ。愛と性に対して彼はとにかく誠実で、故に、彼の絶望は痛いほどに理解できる。若者と老人は対等ではない。未来に対する絶対量が違う。性的な意味での需要の無さや性的不能がそのまま人間としての価値に直結し、それはカネではどうにもならない。若さの価値を理解していればいるほどに、この物語は悲しく映る。だからこそある島に可能性を求めたわけだが、性やユーモアから解放されても、ネオヒューマンは幸せとは言えず、ネオヒューマンであるダニエル25の目を通して見た未来は理想郷とはほど遠い。文明を失い、野生や獣性をむき出しにした野人の姿は物悲しく、築き上げた文明が失われてしまった喪失感に苛まれる。また現代と遠い未来のダニエルが両者ともにペットを失うくだりも悲しく、現代では底辺ブルーカラーに、未来では野人にと、下の階層のものに奪われるという符号が中々に皮肉的で、階層の違う人間の断絶を表すのが非常に上手いと思った。人間の問題やシステム的な欠点を取り除いた未来になっても、そこに幸せはなく愛は存在しない。ただ、全てが失われてしまった後の空虚や絶望の中でも、生だけはひっそりと息づいている。
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他者を避けることが最高の贅沢となった、個人主義が行き着く果てを描いた世界の物語。難解かと思いきや内容は非常に分かりやすく、絶望と諦観に彩られた筆致はリーダビリティが高い。物語性もあり、前半の観光ツアーからの出会いと性、そして欧米市場に第三世界の買春ツアーを持ち込むことで、西側世界の価値観を揺るがそうとした男女がやがて悲劇的な結末へと流れ落ちていくさまは非常に読みやすく面白かった。多くの男が感じている現代女性に対する恐怖感が、はした金で娼婦を買う方向へ流れていき、その部分のニーズや解消されない性欲を第三世界の買春で埋めるというアンサーはかなり過激である。誰しもが倫理観や嫌悪感でブレーキをかける所を露悪的に暴きだしていく筆致は人を選ぶだろうが、無視できないリアリティに満ちているのだ。結局は生きにくさを性にすがりつくことで凌ごうとする、上手く生きられない人々のための物語であると思う。
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ネタバレ芸術と資本主義とアーティストの描くきれいな世界の終わりの話。人間と機械と芸術。
自分を自分が描く小説の中に描き出して自分を殺して、自分の死を誰かの(自分の描き出した架空の人間を)世界の終わりの思想の礎に仕立て上げたたストーリーが素晴らしかった。現実の世界と、現実の著者、そして架空の人間の架空の芸術、架空の芸術が評価されていく中に現実の著者が存在し、そしてその著者により影響を受けた芸術がまた成長してひとつの形になっていく。現実の中に架空の美があって、ページをめくり読み進めていくうちに、架空の美が本当に存在するもののような気持ちになっていく。
文中にはものすごい量の固有名詞が登場する。この小説は「ンフィクション」だと言っても違和感がない。
そしてそのための技術がすごいというか、流れが本当に「あったこと」のようにリアリティのある描き方をしているのがすごい。自分が生み出した架空の芸術家が本当に成功するための、そして本当にそういう思想に至るための成功体験や郷愁を描く中に自分(ウェルベック自身)が意味を持って存在している。ジェドというアーティストが存在し、ジェドというアーティストの人生があり、ジェドがどのようなアートをどんな意図で描いたのか、わたしはジェドが描いた最後の作品をこの目で見たいと心底思った。
ウェルベックの他の作品同様、作品の根底にあるのはこの世界への悲しみである、人の悲しみ、朽ちていくものへ寂れていくものへの悲しみをまっすぐにみつめるまなざしである。しかし、悲しみと対極にある生への固執のようなかたちで「セックス」があまり出てこない。淡々と悲しんで美しいものを見つめているというような印象があった。あんまりひねくれていないのでウェルベックの他の作品より読みやすいような気がする。
人と人の関わりが、美しい。主人公のジェドは生涯を通して大した数の人間と関わるわけではないが、その会話の一つ一つが素晴らしかった。ウェルベック、うつくしい女性オルガ、父、そして人生の後半で、警察と。
「…愛というのは、<めったにない>ものですよ。知らなかったんですか?だれもそう教えてくれなかった?」
p.136
「格好がつくでしょう。いかにもフランス人という感じで。それに人生では何かに興味をもたなくては。生きていく助けになる」
p.152
父は最後に一度だけ、彼の人生の物語を織りなした希望と挫折をよみがえらせたのだ。概して、ひとの一生とは取るに足らないものだ。それはいくつかの限られた出来事に要約することができる。
p.241
彼にとっての人生は、この見事な完成度のアウディ・オールロードA6の車内と同様、穏やかではあるが喜びのない、完全にニュートラルなものとなるだろう。
p.286
特に高齢の父と主人公がクリスマスの晩にディナーを食べながら話し合う場面がすごく良かった。
人生は取るに足らない。一晩も語れば十分だ。そしてその一番の語らいに人生のすべての意味がある。
ところで、ウェルベックは本当にかっこいいなと思ったのは自分の殺害現場を自分の小説で「できの悪いポロックの絵画のよう」なんて書けること。自分の死を、自分の描く最高に完璧で最高に完成された人間の人生に大きな意味を与えた上で、その人間に「世界は凡庸なものです」「そしてこの殺人を犯した者は、世界の凡庸さをいっそう増大させたのです」と言わせる。かっこいい。かっこいいなあ。
全体を通して、すごい本だなっていう思い。ある島の物語と闘争領域の拡大は粗いなって印象があったけど、地図と領土はすごい。すごいけどめっちゃ長かった、すごい時間かかった。だけど長さを感じなかった。 -
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ネタバレ一つの人間が生きて誰かを愛して愛そうと思って、老いてゆくありふれた生の中に、永遠の命を科学的に成立させられる宗教があり、そしてその永遠の命を獲得した1人の人間のコピーが一つの島の中で終わっていく話。
ウェルベックを読むのは闘争領域の拡大に続いて2冊目。
人によって好き嫌いが分かれるのはわかる。
金を手に入れた人間の性への執着がすごい。やたらとセックスセックス、フェラチオフェラチオ、と語彙が並ぶ。多分ここがダメだと絶対中盤でむりだと思う。
けど、いくらセックスをしても、足りないし満たされない。ウェルベックが話の主軸にしているのは愛なのではないか
「いくら誰もがある程度の抵抗力を持っているといっても、いずれ誰もが愛のために死ぬ。というより、愛の欠如のために死ぬのだ。」
主人公のダニエルは、コメディアンとして成功する。そのコメディは人間を観察して分析して笑いに変えるものだ。ダニエルは、人間をよく見ていて、なおかつ批判的で、ちょっとというかかなり斜に構えている。これはこういうものだ、こういう人間はこうだ。そういうのを理解していながら、一人の人間の膣の中でしか安らぎを得られない、幸せだと思えない。
「ふたりきりで生きる孤独は、同意ずくの地獄である。」と結婚生活を語る。
孤独とは愛がないことだ。
愛は1人で生まれない、ダニエルが欲しているのは他者からの愛であり、自己愛ではない。
「無条件の愛情が幸せになるための必須条件であることは、すでに人間も把握していた。」
信仰宗教のエロヒム教が出てきて話は変わる。
この宗教、実在した宗教らしいですね。
永遠の命を獲得するための宗教で、永遠の命の中では人間は本当に自由になる。社会は愛を嫌うようになり、自己愛の社会になる。この辺の流れがすごく好きだった。
ダニエルはこの宗教のまっただなかにいて、愛がなくても生きていけるようになるはずだった。しかし、ダニエルはそれでも愛を求める。数多くの人間が体を不要として、他者とのコミュニケーションが不要になり、愛や家庭なんて不要になった中で、ダニエルは最後まで愛が足らない。愛の欠如によって死ぬ、前時代の人間だ。
人をけなして、見下して、それでも愛が欲しい、人が生きるには愛が必要で、そして人は老いる。
「とにかく、公平な見地からみて、人間は幸せではありえない。どう考えても幸せに向いてない。」
「まったくこの世界ときたら、実にシンプルだ!おまけに出口がないときている!」
この本のいいとこ、人間が嫌いなのに(多分そうだと思う、大体バカにしてるし)人間を愛したいし、人間に愛されたいし、人間の愛が無条件の愛情、それも肉体的に与えられるものが最も幸福だと書いてあるところだと思う。そんなのほぼ幻想だと言ってるし、人間は老いるし灰になるけど、愛が1番至高なのだ、それがなくなるから人間は死ぬ。いくら永遠の命を手に入れても、愛が足らないから死ぬ。
人生は大体の人間が語りつくしているなという気持ちにさせられる良い本だった。電子書籍で読んだけれどめちゃめちゃ好きなので書籍版も買う。 -
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これはただのSF小説ではない。個人・国家・自由といった概念がこれからどのような変貌を遂げるのか、ウェルベック独自の視点で読者に提示する傑作である。私の理解では、この作品のテーマは先進国における個人主義・自由主義の未来であると考える。重要なのは「服従」というタイトルで、多様性の中で自由を謳歌していた個人がその自由によって疲弊し自己を見失い、共同体的なしがらみに「服従」することで「自由疲れ」からの解放と生の実感を得るという筋書きになっている。
「フランスにイスラーム政権が誕生!」「社会をリードする知的エリートがイスラームに服従!」という設定はセンセーショナルだが、よく読むと服従する先は何もイスラームに限った話ではなく、それこそ伝統的なキリスト教でもよかったことがわかる。その証拠に、「中世キリスト教文明が1000年も続いたこと」が、「近代文明が高々200年しか続いていないこと」と対比して描かれ、「近代社会に対する中世キリスト教文明の偉大さ」が賞賛される場面が多くある。本書の主人公はキリスト教の聖地を訪れ心の平安を求めようとするが、上手くいかず修道院を後にする。ウェルベックが「服従先」としてあえてイスラームを設定したのは、人々の思想や行動に対する拘束力・人々が進んで身を委ねようとする求心力を、今のキリスト教に見出せなかったからに相違あるまい。
個人的に尊敬する佐藤優氏が解説を寄せているが、「イスラームによるヨーロパの統合がウェルベックの作業仮説であり、知的エリートはとかく権威に服従するものだ」という氏の見立てはどこか的が外れているように感じる。 私は、本書はヨーロッパ統合の問題ではなく個人の生きかたを問いかけているのだと考える。より正確に言うと、「このままでは本書のような社会がやってきますよ、読者の皆さんはそれでいいんですか?」といった感じだろうか。本書で描かれる世界がすべて現実のものとなるということはないとは思うが、本書を構成する様々な要素は現実社会に大きな影響を与えることとなる気がしてならない。 -
Posted by ブクログ
読み応えのある、読む価値を感じる作品。
ウエルベックの作品はすべて読もう。
著名お笑い芸人ダニエルの人生記と、それを確認し、注釈を加える2000年後の彼のクローンたち(24代目と25代目)の物語。
ダニエルは辛口で卑猥な芸風で世間の人気を得、二人の女性を真剣に愛するものの、老いには逆らえず、愛に振り回される。カルト宗教団体エロヒム会に入り、遺伝子を残す。
エロヒム会は独自の研究で遺伝子からクローンを作り出すことに成功し、子供を作らずクローンのみで世代を繋ぐ新しい人間を構想する。新しい人間は口から食べ物を摂取することもなく、排泄もせず、一定の期間を経て肉体が衰えると、次の世代に交代する。感情の起伏は少なく、愛も感じない。従来の人間とは区別し、ネオ・ヒューマンと呼ばれる。
クローンである子孫たちは祖先の人生記を確認し注釈を加えることだけに明け暮れる。
しかし愛や感情の必要を感じた25代目ダニエルは、外の世界へ飛び出す。そこは核戦争や大干ばつによって人類がほとんど滅びた不毛の世界。一部が野人として文化のない動物のような生活を送っている。
25代目ダニエルは愛を求めてさすらうが、それは叶わず、無限の海と無限の雲が広がる場所で肉体が滅びるのを待つ。
愛に耽溺し、争いごとが好きな人類は滅亡に至らざるをえないが、かといって他との接触を絶ち愛を知らない状態で世代を重ねても果たして生きていると言えるのか。
人間はこの苦悩を忍び続けるしかないのか。
エピローグのとてつもなく広い世界に放り出された間隔が読んでいて印象的だった。
しかし隅々まできちんと理解しているとは思えない。
次に読めばきっとまた新しい発見があるだろう。
少し本筋からは逸れるが、クローンというのは遺伝的にまったく同一人物ながら、
中にある意識としては同じ人物が継続しているわけではない。
そう考えると自分というのはいったい何だろうと少し思った。
あと、犬がいい。
犬にはずっと楽しく生き続けてほしかった。 -
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相反する貞淑と自由恋愛の概念、オクシデントへの僕らの眼差しは依然として、性に対しては十分に自由な選択を彼らは行っているに違いないというものだといえるが、本書を通してみると、月並みな表現であるがなにもかもいいことづくめではないようだ。
「恋愛先進国」(こういってよければ、そして現代において恋愛とはすなわち性行為と結婚を後に控えた個人の一大スペクタクルである)フランス作家界の旗手ウェルベックの最高傑作と謳われる今作、一般的には個人的な問題として片付けられて来たセクシュアリティを、遺伝子と先端科学というフィルターを通して、社会変革プログラムの超えるべき壁として呈示する。
日本においても、高度経済成長を境に進む都市への人口流入、それによってもたられた「核家族」という家族構成の最小単位と、凄まじい移り変わりの中に僕らの”性”こういってよければ”生”は置かれてきたといえる。人間を取り巻く環境が人間を作り出すという「唯物史観」的な観点にたてば、観念的な異性関係とは、正しい性関係・夫婦関係とは、などという論の立て方は、厳格なカトリックがその信徒に教会を通して指導してきた方針と同様にお笑いぐさである。
しかし、ポストモダン的・脱構築的手法がすべてを解体し、白日の下に曝したとき、僕らがこれまで信じて来た”性関係”とは空無であったという”衝撃的”な事実に未だ耐えられない”ピュア”な僕たちというのもまた事実である。論理だけで生きていくことはできない。いかに馬鹿な決まりであれ、文化というのは撞着語法的なものなのである。そこに”ある”と強く信じることにによって何かが見たされている空無、それが文化の本質である。
ラカンのテーゼに従えば、「異性関係は存在しない」。ここでいう異性は、広く他者ということもできるし、言葉通りの異性でも言える。僕らは性交を行うとき、相手の性器と自分の性器をこすりあわせてマスターベーションをしているのである。平たく言えばこういうことだ。それは、とりもなおさず他者表象や他者とのコミュニケーションの地平を揺るがす、断絶である。
そういった、不通・不全のなかで、僕らの性関係、言い換えるなら遺伝子にインプリントされた醜いプログラム”再生産”をどう扱うのか、唯物的に歪められてきた性の変遷に終わりはあるのか、日本においては現代美術家の中原浩大がその作品『デート・マシン』で表現した”再生産過程の現時点におけるスペクタクル的表象”をどう乗り越えていくことができるのか、性の商品化の動きと、それらと切り離せない、”性の実験”ともいえる西洋のニューカルチャーの歴史的記述と、それらに対する辛辣な批判と幻滅、そしてそれの悲しい残滓をあけすけに記述してゆく。
弁証法的な解決を著者自身ももはや望めない世界に対して、SF的な解決を用意するあたり、個人的には非常に面白いが、ここでは善し悪しが別れるところであろう。 -
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一度読んでそのままだったが、最近思い出し再読。
著者の主観が非常に強く偏見に満ちた書き方をしているので、感情移入しないで見世物として読むことを推薦します。
母親の愛を知らずに惨めな人生をおくる兄と、遺伝子物理学の天才である異父兄弟の弟のそれぞれの生き様が描かれている。
性に振り回され滑稽な悲劇ばかりで彼らの相方も皆不幸せな生き様ばかり。こっけいな行動は身にしみる箇所があって苦みばしった笑いしかでてこない。
そんな描写が延々と続くのですが、哀愁ただよう表現とポエジー溢れる文章が心地良い。
くだくだしい部分が多々ありますが好きな人にはたまらないところがある作品です。 -
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(記憶では)兄弟がいて、兄は不細工で性欲ありありで、機会に恵まれない人。弟は天才科学者で性欲無い人。この兄弟の性的遍歴と、一族の歴史に20世紀思想史の偉人たちが絡んで、加えて量子力学の発展史も絡んで・・・・・ポストモダン全否定して・・・・・ニューエイジ称揚して・・・・・みたいな。端折りすぎですが(笑
なにせ凄い小説です。やばい文学です。
なんせ、ひたすら性的描写と思想史エピソードがくんずほぐれつです!!頭悪い紹介ですみません(´_`ヽ)
最近ちくま文庫に入ったみたいなんで、よろしければどうぞ。
作者は、ラヴクラフト論でデビューしたという変人じゃなくてユニークな方。残念ながら、ラヴクラフト論翻訳されてませんが。
「素粒子」の後、タイの買春ツアーに参加するビジネスマンの小説(悪趣味ですねぇ)が、翻訳出てたような気もします。グ愚って下さい、手抜きです。
「素粒子」の凄い?ところは、とにかく性をえげつなくというか、苦渋に満ちたものに描くところです。人間の苦悩のすべては性に起因するといわんばかりに。というか、ずばりそう言ってます!!初期のオーケン(ノーベル賞の方)なんかにも近いかなぁ?どうだろ?
個人的見解ですが・・・・・
フランス文学好きな人、
ラヴクラフト好きな人←関係ありません、
SF好き!!な人、
20世紀思想史に興味ある人、
性嫌悪症な人、
生物嫌いな人、
食物連鎖と生殖連鎖が愚劣だと思う、「はにや」な人
科学の力で人間をなんとか出来ないかと思う人、
思想はともかくヴィトゲンシュタインの生き様に惹かれる人、
生きるのってかったるい・・・・な人、
性行為の機会ありません・・・・な人、
もう、はなから興味ありません・・・・な人、
なんでみんなそんな事に・・・・・みたいな人、
にはお勧めです!!なんか書いてて疑問に思えてきましたけど・・・・・。
・・・・・・このリストは・・・・・自分の事か?・・・・・(×_×*)
エピローグで、体に電気走って・・・・感激して涙出そうになった私は・・・・・世間的にはアレですね(笑
あんまり詳細書きたくないのだな、この原作については。とにかく読んでみろって!!強気に押す!!
なんでこんな小説・・・・・と思われても、私は責任持ちませんが。
私は脳天直撃でしたがねヽ(T_T )ノ -
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ストーリー冒頭のブリュノ大臣偽殺害動画は何の目的で誰によって作られたのかも分からないまま、主人公ポールと妹弟たちとの関わりが描かれていくので、ミステリ的な展開を期待して読んでいたら動きがなくて肩透かしをくらった感じになった。
本作は主要人物たちが著者によって意識的に描かれてると思うからその辺を注意して読むと面白い。
ポールは現代社会の「勝ち組」で今のところ現代フランスのハイクラス男性の典型みたいな描かれ方にとどまっているように思う。
妹のセシルは田舎で暮らす敬虔なキリスト教信者で経済的な成功者のポールと差があるように見えるけど、関係は良好に見える。
一方、男性的な成功基準から外れた弱い男として描かれている弟のオーレリアンはポールから見ても頼りない存在。
まともな政治家ブリュノや権力欲の強いジャーナリストとして描かれているオーレリアンの妻インディーも注目すべき人物。
上巻だけでは評価が難しいけと、下巻でストーリー的にも大きく動きがあると思うのでラストに向かって主要人物たちがどうなるかで本作の真価が見えてくると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって、思いの外、哀切な恋愛小説だったのでは…と思ってしまいました。
ヴァレリー、ミシェルが同じような心を抱えてると感じたから惹かれたんだろうか。でも、ずいぶんと主人公にとって都合がいいヒロインだな。
これ書いてる今、主人公の名前がミシェルだというところにハッとしました。全然意識せず読んでた…
主人公も恋人も、かれらが出会って仲良くなる人たちも揃いも揃って楽しみがそれしかないのか?と思うけれど、類友と言われたらそれはそう。
趣味合わない地獄にはならないからいいのかな。後々、ビジネスにして一瞬大成功するし。
読んでる場面に出てくる人たち、普通にその辺にいるのに全裸だったりするのが多いので面食らいます。
開放的すぎる…性愛も。。。女性2の3Pも超ある。
幸福を感じた直後にそれが永遠に喪われたシーン、連続して描かれるところに圧倒されました。
後から書かれた「服従」や「セロトニン」を先に読んでしまってるけれど、フランスの農業政策が落ち込んでるところやイスラム描写は繰り返し描いてるのかな。
ミシェルもヴァレリーも、語尾に「…」が入ってることが多かったので長くは続かないだろうなと思ったけれど、単に失恋して離れるかと思いきや。
最終的に、積極的に生きない緩慢な死みたいになるのもずっと同じ。
どことなく「人間失格」みたいだなと思ったので、これは好悪が極端に分かれるだろうなと。一緒にするのはダメかもしれんけど読みながら連想してしまいました。
タイトルはどの「プラットフォーム」だろうと思ってたら「鉄塔の足場」のプラットフォームらしい。ぴったりのタイトル。