ミシェル・ウエルベックのレビュー一覧

  • 地図と領土

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    ネタバレ

    部分的には面白いのだが、総合的には正直面白くない
    たぶん大衆的な面白さを獲得するのをわざと拒んでいることが原因なのだろう
    展覧会に関わるキャッチーな運営メンバー、アクの強いキャラクター、急に始まるサスペンスパートなど
    高水準なエンタメの片鱗を一瞬覗かせるが、すべてあっけなく収束してしまう
    なんといっても一番の見所は、著者自身の分身キャラのウェルベックである
    自分を批評し俯瞰からキャラクター化していながら、更にそれに憑依し内から外からと相当に難易度が高いことをしているように思われる
    この珍妙な人物像が物凄くいい味を出している
    自身を演出してこれほど面白く仕上げられる作家は希少な才能で、大衆ウケを

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    2025年01月03日
  • わが人生の数か月 2022年10月-2023年3月

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    ミシェル・ウエルベックの新刊。短いので二回読み通した。ポルノ映画に出演してしまったことに対しての情けない言い訳と開き直りからの逆ギレ。
    ウエルベックが出演したポルノ予告もすぐにネットで確認したが、不快な顔してベッドにちょこんと入っていて笑えた。60過ぎてセックス絡みで笑いものになり、それを本にしてしまう図々しさ。ウエルベックもまた全身小説家。

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    2024年06月07日
  • 滅ぼす 下

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    上よりサクサク読めた。大きなストーリーではなく、個人の物語と集約されていくのは面白かった。テロの話とか全然解決されてないけど人生そういうもんだよね

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    2024年04月14日
  • 闘争領域の拡大

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    初ウエルベックなので読み方が手探りだった。
    主人公の「僕」と醜男ティスランが主流になり、恋愛という自由主義を求めて彼らの世界が「拡大」していく。
    そう信じていたにも関わらず、その拡大の仕方が頑張れば頑張る程に良くない方向へと転落してしまう。
    ウエルベックを読むにあたり、登場人物に同情(共感)する事によって読み手の世界も拡大していくとあとがきで分かった。
    仕事、恋愛、性生活とテーマが3つあるけど、登場人物全てが日常に潜む人間ばかりでよりリアリティを帯びる。
    主人公は観察者であり、観察する事により自分の内部で噛み砕いて分析をするけれど、取り込むことはせず、だけど敏感に感じやすい体質なのかマイナス面

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    2024年03月24日
  • 素粒子

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    ネタバレ

    読むのに時間がかかった。
    ジェルジンスキという分子生物学者とブリュノという高校教師の異母兄弟のちいさいころからの話。

    1900年代から2200年代の社会にまで及ぶ。
    性的な表現や常識から逸脱していると思われるこういの連続で発売されて避難や攻撃をうけたのも頷ける。
    しかし、いかに道徳的に生きても死んでしまえはなんにもならないなと感じた。ミシェルは、白いカナリアがダストシュートに投げ込んだ。どんな形であれ我々も白いカナリアなんだろう。

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    2024年03月19日
  • 滅ぼす 上

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    ネタバレ

    X(旧Twitter)で頭が良さそうな人が皆読んでたので読んだ。フランス次期大統領戦の最中、謎のテロリストが台頭し、経済大臣の秘書の回りの人達の色々を書いた話。フランスの小話と、各登場人物の考えを細く散漫に書いているのでXのTLを見てるかのような印象だった。まだ下を読んでないけど、ボールとブリュダンスが仲良くなって、オーレリアンが無事に離婚できるように応援する

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    2024年03月05日
  • 服従

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    西欧文明の行き詰まりからありうる近未来を描くということなのかな。一つの極端な基本的にはなさそうな可能性っていうことなのかもしれないけど、全体的なインテリ限定の世界にいまひとつ入り込めない印象。佐藤優の解説が余計に胡散臭さを感じさせる。この人の作品は初めて読んだけど女性の書き方はなんか酷い。この作品だけ?

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    2023年09月28日
  • 地図と領土

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    「素粒子」に比べて政治的主張の色彩が薄い点で、より純粋かつ大衆に受け入れやすい小説。現代の商業的芸術に異議を唱えるべく、作家自ら死体となって現れるあたりは衝撃的でもある一方、心から美術を愛する人たちにとってはある種の救いになる作品でもあると思いました。

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    2023年08月23日
  • 滅ぼす 上

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    上巻は、珍しくいつもの強烈な性的描写なし。政治的描写も少なめ。老いた父、疎遠の兄妹、夫婦の話だけで淡々と進む。上巻だけでの評価はできない。下巻でどうなるか。

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    2023年08月12日
  • 素粒子

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    ブリュノとミシェル、両方ミシェルウェルベックが実際に辿ってきた人生をかなり濃く反映したキャラクターなんだな。

    自由が、かえって男を生きづらくさせた。西欧社会の転換が生んだ翳りを、生々しく露悪的に捉える。自らの人生において、あらゆる面で強烈なコンプレックスを抱くブリュノ、なりふり構わず性に乱れる姿は滑稽だし彼の過去を踏まえると物悲しさすら漂う。でも後半吹っ切れたか振り切れたかしてる。より彼に対する切なさが増幅しちゃう。

    根底にウェルベック自身の痛烈な自己批判があるんだろう。社会を世界をシニカルに捉えているのに、その眼差しは自身の振る舞いにすら向けられている。

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    2025年03月31日
  • 闘争領域の拡大

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    服従を読んでコイツとは全く理解し合えない、と突き放しかけたんだけどちょっぴりそうなのねって寄り添えた

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    2021年12月08日
  • 服従

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    なんと文庫化していたので美容院の暇つぶしのために買って一気読み。フランスがイスラム政権の党に取られて徐々にイスラムに傾き、、、とのあらすじ、ふとした出来事をきっかけにじわじわと世界が変わっていく様、2021年に読むとなんとまぁ皮肉に思える。
    スジとは別に本の全体に流れる強烈な差別意識というか、まぁはっきり言って相当きついセクシズム描写はまさかウェルベック本人無意識に書いてるわけでなく、この本の筋を浮き立たせるために意識的に使っているのだろう。というかそう思いたい。
    それ以外にも、本から距離を取って読める人でないと危険な本になってしまう。それだけの求心力というかカリスマを発する本で、ウェルベック

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    2021年11月17日
  • ショーペンハウアーとともに

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    ウェルベックによるショーペンハウアー解説本
    解説、というより礼賛に近い

    私の好きな小説家や芸術家は元を辿ればショーペンハウアー(部分的にはカント)に行き着く事が多い
    本書も例外でなく、ウェルベックの観点からショーペンハウアーを解釈するのは楽しかった。

    途中でプツリと終わってしまうが、想像の余地を残しているようにも感じられる

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    2021年08月18日
  • 素粒子

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    『闘争領域の拡大』に次ぐウエルベックの二作目。フランスでベストセラーになったらしい。

    ウエルベックは博識な作家だが、本書もごたぶんにもれず数学、分子生物学、はては哲学まで盛り込まれていた。ド文系な自分にはさっぱり理解できなかった箇所も多かった。難しすぎる小説ははっきり言って苦手だ。

    性欲に囚われた国語教師の兄ブリュノと、天才分子生物学者である弟ミシェル。この異父兄弟を主人公としてその一生が描かれる。前半の幼少期の話は好きだったが、後半になるにつれわけがわからなくなり、あまり物語に入ってゆけなくなった。

    ブリュノは性欲をこじらせたまま大人になり、ニューエイジ風のキャンプに参加したり、乱交専

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    2021年02月15日
  • 闘争領域の拡大

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    ネタバレ

    現代フランスの作家ミッシェル・ウエルベック(1958-)の第一作品、1994年。資本主義的な「自由」が到り着いている地点を描く。

    資本主義社会では、すべてが同一平面上に並置させられてしまう。すべてがフラット化してしまう。超越的なものが引きずりおろされてしまう。即物的無価値(金、力、快感、効用)へと還元されてしまう。世界がひとつの巨大な商品陳列棚、ランチプレートに成り下がってしまう。則ち、一切のものが貨幣という統一の尺度で比較され計量化される商品と化す。コミュニケーションは互いに商品ラベルと値札を貼り付け合うだけ。外部はありふれた商品として内部に繰り込まれ、消費されるだけ。一切の出口は予め塞が

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    2020年07月12日
  • 服従

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    おもしろいし興味深い設定なんだけど、一夫多妻制で釣ってるのか?おっさんの(ための)話か?ラストは、はあ?と思った。ずっとおもしろく読んでたのに。
    この設定で、他視点での話を読みたいなあ。
    と思ってたら「イスラーム・ジェンダー学」っていうのがあった。ネットでちょっと見てみたけど字がびっしりで読みにくい。段落分けするとかしてほしい。

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    2020年05月25日
  • 地図と領土

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    ☆3.5。
    どんな話なのだろうと思ってたらアートの話だった。
    文庫本あとがきに「服従」について記載があった。
    つぎは「服従」を読もう。

    映画化するとして勝手にキャスティング考えてみた。考え中
    ジェド…マチューアマルリック
    オルガ...イリーナシェイク
    ウエルベック

    ギャラリスト
    マリリン
    ジャスラン...ヴァンサンランドン
    エレーヌ
    クリスチャン...ラファエルペルソナ

    単行本の表紙はフェルメールっだったけれど文庫のはそういうことだったのね。

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    2020年05月04日
  • 服従

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    ウェルベックの作品は和訳も多く出版されていて、かねてより興味を持っていました。フィクションですが、フランスの政治や社会情勢については、かなり現実を反映しており、実在の政治家も登場します。ここに描かれるのは、イスラム政党のフランスでの台頭ですが、ウェルベックが描きたかったのは、「ヨーロッパの自死」ではなかったかと思います。

    西欧文明が、キリスト教支配の頚城から逃れ、理性・啓蒙主義を軸に文明の発展を図ってきたものの、アナーキズムとニヒリズムが社会と精神の停滞を招き、この小説の舞台である近未来のフランスで、イスラームの信じる神とその世界観に「服従」していく。ウェルベックは、フランスが精神のバックボ

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    2020年01月23日
  • ある島の可能性

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    期せずして最近の読書傾向をなぞった形に。老いと性の話。老いに抗わず、否、抵抗した結果の選択?人間の究極の目的は、、

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    2019年12月24日
  • 服従

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    イスラム同胞党がフランスで勢力を伸ばすという架空近未来を背景に、文学者の訳のわからない生活を描く。自由な個人という概念は、中間的な社会構造を解体するには有効だが、家庭という基本的な社会構造を破壊するに至って、否定するべき概念であるという理論、自然淘汰圧によって一夫多妻とそれに伴う少数のエリート男性による女性の独占の肯定などが目新しい。

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    2019年12月31日