パオロ・マッツァリーノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人は正しさだけでは興味を持ってくれません。人はその正しさをおもしろいと感じたときのみ、反応してくれるのです。大衆に媚びる必要はありませんが、ウケを狙いにいくことは大切です。「正しさ」にこだわり続ける限り、論理力もメディアリテラシーも、常に敗れ去る運命にあるのです。
この文章が本書の大半を表していると思います。
メディアリテラシーのことをつっこみ力としています。
ただ、つっこみを入れるには、対象よりも高い知性を必要とされます。
つっこみ力とは、場を盛り上げるサービス精神、自己犠牲の精神が息づいている。
つっこみは、ボケをわかりやすくし、場を盛り上げる。
つっこみ力の3本柱は「愛と勇気と -
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昔は昔で現実の厳しさがあったし、今は今でその延長線上に。
時を経て社会は変化を起こしてるけど、それは必ずしも悪くなりも良くなりもしているわけではない…ってことかな。
感傷にひたるのではなく、データをもって論じるべき…って姿勢は楽しかった。
もちろんここで挙げられたデータだって、ある主張のもとに集められた偏りがあることには気をつけないといけないのだけど。
何の積み上げるべきモノもなく「たかが自分が育ってきた十数年、数十年程度」を、ただ実体験してきただけという証拠のみで語るような人間にはならないようにしよう…とは考えました。
もっとも、そのようなことは常々、自分へは戒めてるつもりですが。
あ -
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「反社会学講座」が面白かったのでこちらも、と思い購入。
「反社会学講座」のように多くの事案を取り上げているものと期待していたが、ポイントを絞って語っている。購入当時はそれがちょっと残念だったが、購入して数年後にきちんと読んでみるとちゃんと面白かった。「反社会学講座」よりも、著者の主義を主張するために事案を絞って集めた印象がある。新書でここまで著者の思いが込められているものは珍しいのではないか。
著者はデータ崇拝主義的なものに異議を唱えており、データというのはあくまで主張のための手段だ、ということが言いたい。というのを、マジメに書くと堅苦しいし面白くないので、読者の心に訴えられるよう面白く表現し -
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統計を駆使した漫談家、と評するのが適切なパオロ・マッツァリーノは彼がデビューした頃から好きでよく読んでいるが、どちらかというと青少年を対象としたちくまプリマ―親書から出版された、というのが意外で購入した一冊。
2019年度から正式科目化される道徳教育について、各社の教科書に掲載されている道徳を示すエピソードを面白おかしくツッコミながら、その嘘くささを暴き出していく氏特有のユーモアはここでも発揮されている。僕個人は、道徳教育なんかを強化する時間があったら、理数系教育にもっと力を注ぐべきだと考えており、本書を読んで教科書の実態に触れることで、文科省という組織がいかに二流、いや三流官庁であるかとい -
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反社会学講座の続編である今作品は前作同様大学の講義等では扱われない内容を皮肉たっぷり込めて記載、筆者独特の言い回しが読者を楽しませる本となっている。今作もこれが日常の役に立つかどうかって言われたら「うーん」っていう内容ではあるんだけれども、「ふーん」って思わされるような感じではあった。個人的にはプレゼントと賞の違いが印象に残っている。プレゼントは「受け取って下さい。」に対し、賞は「賞やるよ。嬉しいだろ。」という違い、この対比は今まで考えたことが無かったので個人的には新しい見方を与えられた気がした。ではどうしてこのような違いが生まれたかと言うと賞は基本的にはこの国のお偉いさんとかが与えるものであ
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道徳が教科に格上げということで、はいはい、と思いつつ本書を読んでみました。著者はイタリア人、って言うわけではなく日本人のようです。読めばその内容からしていくら何でも外国人なわけは無く、どうも内〇朝△のペンネームという推測も。内容的には”「昔はよかった」病”の道徳教育版と言った感じだが、道徳教育に限定されている分、本書はちょっと内容的には薄いかな。日本の道徳教科書(副読本)を分析した内容の紹介と鋭いツッコミが満載の前半は読んでいてなかなかおもしろい。後半はほとんど「日本を取り戻せ」的な保守的政治家への批判に費やされている感じが強くて少し退屈だった。著者の意見も、ちょっとそれはさすがに言い過ぎな無
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世に隠れなき偉人・・・
古の聖賢の1人・・・
孔子さま・・・
仁とか礼とか大事にして・・・
政を行うものは斯くあるべし・・・
人は斯くあるべし・・・
と、数々の素晴らしい教えを残された儒教の祖・・・
ボクも、孔子さまと言えばスッゲー立派な方で、儒教は昔から天下を治める者には必須の教え、というイメージだった・・・
けれども・・・
著者は過激に突っ込みを入れる・・・
おいおい論語を色眼鏡無しに読んだら分かるでしょ?
孔子さまは素晴らしい聖人なんてガラじゃないでしょ・・・
論語に書いてある話からすると・・・
40歳越えていろいろと迷っているし・・・
正しい言葉と正しい行いをしていれば、就職には困らな -
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昔は良かったと言う高齢者は多いが、それは錯覚であって、よく検証してみると現代と比べてそれほど良かったわけではないというのが著者の主張。社会学の観点から、当時の新聞や統計等の情報を基に当時の社会風俗について考察する。
エッセイ風の軽い文章で気軽に読めて面白かった。日本の社会も数十年前は、社会環境も人々のモラルも低くて、犯罪も多発し、欲望剥き出しの人々も沢山いたようだ。確かに社会全体としてみれば、今よりも劣悪な環境だったことがよく判る。現代の若者がその時代に行く
と、これが日本かと思う位違和感を感じるだろう。
でも昔は良かったと思う高齢者の多くは、自分の経験の範疇のものであり、日本社会全体を言って -