パオロ・マッツァリーノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった。
副読本への突っ込みが特に。
正論を言っていると思うが、一部にそう思わない箇所もあった(組体操のピラミッドは人が死ぬとは思ってないと思う等)。
以下はメモ:
必要とされるのは、友達を作る能力ではなく、友達でない人と話せる能力。
勉強とは過去の経験と常識をぶち壊す行為。だから大人は勉強しなくなる。
なぜ人を殺してはいけないか→ほとんどの大人は人を殺してもいいと考えている→死刑、戦争、自動車
我々いつか人を殺してしまうかもしれない。だけど人を殺さないよう努めることはできるし、そう努力するべき。そのためには自分とは違う人間が世の中に存在することを認める努力が大切。 -
Posted by ブクログ
はあ、面白かった。
道徳の教科書のエピソードに突っ込みを入れる第三章では吹き出した。
道徳を教科にするというのは本当にとんでもない話で、教師もそれを望んでいるとは思えない。日本政府(自民党)は何を考えているのか、考えたらぞっとする。
道徳の教科書には、まあちゃんとした物語もあるのだろうけど、基本的には道徳的な読み取りができるように書かれたもので、文章としてはB級もいいとこ。
こんなのを読んで、感想を言い合ったり作文を書かせたりするくらいなら、授業を「読書」として、文学の一級品に触れさせた方が、読解力も上がるし、人間としても磨かれると思うが。
日本文化に対する誇りを~とか言ってるんだから、それこ -
Posted by ブクログ
「反社会」について研究する、「反社会」学講座なのか、「社会学」へのアンチとなる「反社会学」講座なのか・・・と思いながら読み始めた。
程なく、後者の意味と判明。
学生時代、社会学を学んでみたかった時期があった。
結局専攻しなかったけれど。
そしてこれも程なく、研究対象も自由なら、方法論も自由―というか、その都度自分で対象を決め、方法論も作らないといけない、大変な分野だと気づいた。
それが、著者にかかると、個人的な感情でいいから、気に入らないものを取り上げ、データを恣意的に使ってまで自分の思い込みを立証するお気楽な学問、となる。
自ら問題を捏造し、分析し、処方箋を書く、マッチポンプのようなこと -
Posted by ブクログ
ネット系社会学の2作目。基本はイチビリなので、肩肘をはらずに軽く読めるビジネス書(?)。
流石に世の中にも、2作目まで読む人はあまりいないようで、レビューも少ない。内容的には、ややマンネリな部分(○○という語句がどれだけあるか調べた系)もあるものの、歴史ネタ、小ネタ、時事ネタ、毒に加えて、落語風、小説風という新たなスタイルで攻めてくるので、1作目よりも楽しかったかも。
1作目はセンセーショナルな話題に固執しているとこがあったので。
本書の冒頭は、相変わらずの社会学と統計ネタですが、その後は経済に大学院など、ちょっと変わったところを攻めてきます。経済のあたりはやや切れ味は鈍く、大学院のとこ -
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ネタバレ「論語」や孔子についての世間一般のグッドイメージを、著者お得意の文献、資料調査、解読等をもとにひっくり返す本。とは言っても一方的にけなすだけでなく、著者なりの孔子愛や、論語への一定評価が入っている。
以下、本書を読んで初めて孔子や論語について私がわかったこと。
-「論語」は孔子が書いたものではなく、孔子の死後弟子たちによって書かれたもの。
-「論語」の中で書かれている内容に矛盾があるにもかかわらず、一部だけの言葉がとりあげられて有名になっている
(例:「私は40歳になってからは惑わなくなった」とあるのに、後ろの方では「わたしはまだそのレベルになっていない」旨の記載等)
-現代でも有名な言葉 -
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自分用キーワード
「古きよき、というのは趣味の範囲でのみ成立するファンタジーです。たまの不便なら楽しいけれど、毎日となると、古いものは不快なだけ」 拍子木で迷惑している人がいる 「日本はだめになったという言説の裏には、自分だけは除くと、但し書きがある」 江戸時代の番太郎 今の時代は犯罪件数が非常に少なくなった、昔は修身・道徳教育があったのに多かった 山本七平「日本人は安全と水は無料で手に入ると思い込んでいる」 大正時代の日本でもコーラと烏龍茶は呑まれていた ハイテンション=緊張、ハイパーテンション=高血圧。上野千鶴子のコラム(1989/8/6, 朝日新聞)は間違っている(生活習慣病自慢?) 丹 -
Posted by ブクログ
久しぶりに著者の本を読んだけど、面白かった。
昔は今よりもよかったと言いたいおっさん・おばさんの気持ちはわからんでもないけど、何でも調べてみることって大事やと思う。
間違えた事実に基づいて結論を出してしまうのは、今や庶民だけじゃなくて、政治(特に自民党)の十八番状態になってるのも悲しい。
昔の政治はよかった、、、わけないよね笑
個人的には戦前の熱中症の資料や、11章の「ありのままの敬老の日」がツボやった。
高齢者の犯罪率が上がってるけど、元々その人らが若い時もやっぱり犯罪率は高かった。ってね笑
言われてみると納得なんやけど、扇動的に言われると、昔はユートピアで今は危険、、みたいな感 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった!今まで感じていたいろいろなものに対するもやもやや違和感を、明確に言語化してもらい、痛快に斬ってもらえた感じがした。「安全安心」「絆」「元気をもらえた」に対する違和感、「老人は善で若者は悪」「体感治安の悪化」のうそ・・・等、おっしゃるとおり!と思いながら、一気に読んでしまった。
各章それぞれに、大きくうなずくところばかりで、ひとつひとつあげて書いていくと、結局この本のマルパクリになってしまいそうなので厳選してひとつ、でも各章を貫いている筆者の視点だと思われる箇所を引用したい。
「正義はたやすく暴走する。正義を暴走させるのは、偏見と暴力」 -
Posted by ブクログ
1995~2001年くらいにインターネットを使っていた人は一度は見たことがあるだろう「キレやすいのは誰だ?」という文章の作者である。本書にはその話も収められている。どういう話か気になる人は一度ググってみるとよろしい。まだプロトタイプはネットに残っているからね。著者の素性は謎で「ブロガーのDだ」「いやCだ」など、いろいろと噂が有るようだ。
ネット世代の、ちょいヒネクレ社会学なのだけど、世の裏を垣間見るようで、大人から子供まで楽しめる内容となっている。今となってはちょっと古くなっているが、聞いたことの有るような時事ゴシップネタを2行に1度は織り交ぜ、軽快な文章で畳み掛けてくるので、普段本を読まな