パオロ・マッツァリーノのレビュー一覧

  • みんなの道徳解体新書

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    道徳に切り込む!
    相変わらず鋭い!

    日本人の道徳心って昔より高まっているという衝撃。

    副読本にツッコミを入れるのは相変わらずのスタイルで最高。

    何故人を殺してはいけないのか?

    われわれはいつか人を殺してしまうかもしれません。だけど人を殺さないように努力することはできるし、少なくとも、そう努力するべきです。そのためには、自分とは違う人間が世の中に存在することを認める努力が大切です。(p174より)

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    2017年09月09日
  • みんなの道徳解体新書

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    おもしろかった。
    副読本への突っ込みが特に。

    正論を言っていると思うが、一部にそう思わない箇所もあった(組体操のピラミッドは人が死ぬとは思ってないと思う等)。

    以下はメモ:

    必要とされるのは、友達を作る能力ではなく、友達でない人と話せる能力。

    勉強とは過去の経験と常識をぶち壊す行為。だから大人は勉強しなくなる。

    なぜ人を殺してはいけないか→ほとんどの大人は人を殺してもいいと考えている→死刑、戦争、自動車

    我々いつか人を殺してしまうかもしれない。だけど人を殺さないよう努めることはできるし、そう努力するべき。そのためには自分とは違う人間が世の中に存在することを認める努力が大切。

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    2017年05月22日
  • みんなの道徳解体新書

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    はあ、面白かった。
    道徳の教科書のエピソードに突っ込みを入れる第三章では吹き出した。
    道徳を教科にするというのは本当にとんでもない話で、教師もそれを望んでいるとは思えない。日本政府(自民党)は何を考えているのか、考えたらぞっとする。
    道徳の教科書には、まあちゃんとした物語もあるのだろうけど、基本的には道徳的な読み取りができるように書かれたもので、文章としてはB級もいいとこ。
    こんなのを読んで、感想を言い合ったり作文を書かせたりするくらいなら、授業を「読書」として、文学の一級品に触れさせた方が、読解力も上がるし、人間としても磨かれると思うが。
    日本文化に対する誇りを~とか言ってるんだから、それこ

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    2017年04月22日
  • 続・反社会学講座

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    前作『反社会学講座』(ちくま文庫)同様、世にはびこる無責任な俗説を笑いのめしています。

    ビジネス書や自己啓発本のいい加減さに対して茶々を入れた「コント『あなたにもビジネス書が書ける』」もおもしろく読みました。

    冷静になってみるとそれほど過激な内容というほどでもなく、ほどよい懐疑精神が発揮されているむしろ健全な本なのですが、やはり見せ方が秀逸で読ませる内容になっています。

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    2016年10月09日
  • 反社会学講座

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    「統計漫談」を標榜する著者が、さまざまな統計資料を渉猟しながら、世にはびこる俗説をバッサバッサ切り捨てている、痛快な本です。

    少年犯罪は増加していないというのは、なだいなだ以来多くの識者たちが指摘していて広く知られていますが、本書ではそのほかにも、フリーターやニートに対する批判や少子化問題、はては「ふれあい」の蔓延などについて、明確なデータを示しながら鋭くツッコミを入れています。

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    2016年10月09日
  • 反社会学講座

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    「反社会」について研究する、「反社会」学講座なのか、「社会学」へのアンチとなる「反社会学」講座なのか・・・と思いながら読み始めた。
    程なく、後者の意味と判明。

    学生時代、社会学を学んでみたかった時期があった。
    結局専攻しなかったけれど。
    そしてこれも程なく、研究対象も自由なら、方法論も自由―というか、その都度自分で対象を決め、方法論も作らないといけない、大変な分野だと気づいた。

    それが、著者にかかると、個人的な感情でいいから、気に入らないものを取り上げ、データを恣意的に使ってまで自分の思い込みを立証するお気楽な学問、となる。
    自ら問題を捏造し、分析し、処方箋を書く、マッチポンプのようなこと

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    2016年09月29日
  • 続・反社会学講座

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    ネット系社会学の2作目。基本はイチビリなので、肩肘をはらずに軽く読めるビジネス書(?)。

    流石に世の中にも、2作目まで読む人はあまりいないようで、レビューも少ない。内容的には、ややマンネリな部分(○○という語句がどれだけあるか調べた系)もあるものの、歴史ネタ、小ネタ、時事ネタ、毒に加えて、落語風、小説風という新たなスタイルで攻めてくるので、1作目よりも楽しかったかも。

    1作目はセンセーショナルな話題に固執しているとこがあったので。

    本書の冒頭は、相変わらずの社会学と統計ネタですが、その後は経済に大学院など、ちょっと変わったところを攻めてきます。経済のあたりはやや切れ味は鈍く、大学院のとこ

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    2016年04月14日
  • エラい人にはウソがある

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    ネタバレ

    「論語」や孔子についての世間一般のグッドイメージを、著者お得意の文献、資料調査、解読等をもとにひっくり返す本。とは言っても一方的にけなすだけでなく、著者なりの孔子愛や、論語への一定評価が入っている。

    以下、本書を読んで初めて孔子や論語について私がわかったこと。

    -「論語」は孔子が書いたものではなく、孔子の死後弟子たちによって書かれたもの。
    -「論語」の中で書かれている内容に矛盾があるにもかかわらず、一部だけの言葉がとりあげられて有名になっている
    (例:「私は40歳になってからは惑わなくなった」とあるのに、後ろの方では「わたしはまだそのレベルになっていない」旨の記載等)
    -現代でも有名な言葉

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    2016年04月02日
  • 「昔はよかった」病

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    自分用キーワード
    「古きよき、というのは趣味の範囲でのみ成立するファンタジーです。たまの不便なら楽しいけれど、毎日となると、古いものは不快なだけ」 拍子木で迷惑している人がいる 「日本はだめになったという言説の裏には、自分だけは除くと、但し書きがある」 江戸時代の番太郎 今の時代は犯罪件数が非常に少なくなった、昔は修身・道徳教育があったのに多かった 山本七平「日本人は安全と水は無料で手に入ると思い込んでいる」 大正時代の日本でもコーラと烏龍茶は呑まれていた ハイテンション=緊張、ハイパーテンション=高血圧。上野千鶴子のコラム(1989/8/6, 朝日新聞)は間違っている(生活習慣病自慢?) 丹

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    2016年01月24日
  • 「昔はよかった」病

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    過去の新聞記事をさかのぼるだけでも、たくさんの思い込みが覆される。「昔は…」といった枕詞で話し始める人は要注意。ちゃんと裏付けを得てから話しましょう。勝手な理屈で自分だけ気持ち良くなっているの、バレてますよ。

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    2016年01月13日
  • 続・反社会学講座

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    前作よりノリノリ落語みたい、自信みなぎる視点で面白さ倍増。人と社会はしっちゃかめっちゃか、そこに社会学あり。
    とはいえ子供の件は内心衝撃!その時代の人間形成って自己肯定感なさそう。人生は諦め?むしろ生きにくいのは今?人々の精神性を知るのにアートの世界を紐解いて時代を見るのも面白いかも。でも恋愛はいつの世も恋愛?てことは源氏物語の姫君と女子トーク盛り上がっちゃう?なんて考え出すと止まらないから社会学は面白いっと。

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    2016年08月22日
  • 反社会学講座

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    ぶはーオモロくてニヤつき必至。各章のまとめがかわいらしい。最後の自立の鬼にも拍手!「人並み程度に仕事ができて、まずいけど食えないことはない料理を作れて、洗濯機と掃除機の使い方は知ってます」な仕事と家庭の両立のリアル。で、妊娠したらマタハラ騒ぎでしょ。とりあえず旦那にうまいモン喰わせとけ!ところで、このイタリア人フウな人、誰なん?

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    2017年09月23日
  • 誰も調べなかった日本文化史 ──土下座・先生・牛・全裸

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    過去の新聞記事等、各種データをベースにして日本人の誤った思い込みを斬りまくる相変わらずのパオロ節が冴えわたる一冊。土下座の歴史が面白かった。表紙イラストも吉田戦車なのでGOOD。この人、絶対日本人。

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    2015年10月16日
  • 「昔はよかった」病

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    久しぶりに著者の本を読んだけど、面白かった。

    昔は今よりもよかったと言いたいおっさん・おばさんの気持ちはわからんでもないけど、何でも調べてみることって大事やと思う。

    間違えた事実に基づいて結論を出してしまうのは、今や庶民だけじゃなくて、政治(特に自民党)の十八番状態になってるのも悲しい。

    昔の政治はよかった、、、わけないよね笑

    個人的には戦前の熱中症の資料や、11章の「ありのままの敬老の日」がツボやった。
    高齢者の犯罪率が上がってるけど、元々その人らが若い時もやっぱり犯罪率は高かった。ってね笑


    言われてみると納得なんやけど、扇動的に言われると、昔はユートピアで今は危険、、みたいな感

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    2015年08月19日
  • 「昔はよかった」病

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    言葉は荒いように見えて正確な日本語。
    言説は昔の新聞投書欄を主なツールとして、現在の「昔」に対するイメージとのギャップをえぐり出す。
    そのギャップが、これまで抱いていた違和感を綺麗に説明してくれるから、非常に痛快であり、またこれからの反論の武器にも使っていける気がする。
    このテーマで書き下ろしの本を書いてほしい。

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    2015年08月01日
  • 「昔はよかった」病

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    ネタバレ

    おもしろかった!今まで感じていたいろいろなものに対するもやもやや違和感を、明確に言語化してもらい、痛快に斬ってもらえた感じがした。「安全安心」「絆」「元気をもらえた」に対する違和感、「老人は善で若者は悪」「体感治安の悪化」のうそ・・・等、おっしゃるとおり!と思いながら、一気に読んでしまった。
    各章それぞれに、大きくうなずくところばかりで、ひとつひとつあげて書いていくと、結局この本のマルパクリになってしまいそうなので厳選してひとつ、でも各章を貫いている筆者の視点だと思われる箇所を引用したい。
    「正義はたやすく暴走する。正義を暴走させるのは、偏見と暴力」

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    2015年07月23日
  • 反社会学講座

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    社会科学をやる以上、「反社会学」を読もうと思った……ではなくこの筆者の本を読みたかった。
    反社会学っていう捉え方が面白いとは思った。

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    2015年02月06日
  • 反社会学講座

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    1995~2001年くらいにインターネットを使っていた人は一度は見たことがあるだろう「キレやすいのは誰だ?」という文章の作者である。本書にはその話も収められている。どういう話か気になる人は一度ググってみるとよろしい。まだプロトタイプはネットに残っているからね。著者の素性は謎で「ブロガーのDだ」「いやCだ」など、いろいろと噂が有るようだ。

    ネット世代の、ちょいヒネクレ社会学なのだけど、世の裏を垣間見るようで、大人から子供まで楽しめる内容となっている。今となってはちょっと古くなっているが、聞いたことの有るような時事ゴシップネタを2行に1度は織り交ぜ、軽快な文章で畳み掛けてくるので、普段本を読まな

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    2014年10月21日
  • 続・反社会学講座

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     前作「反社会学講座」が面白かったので、こちらも興味津々で読み始めた。
     やっぱり、この人の本って面白い。世の中でもてはやされていることをそのまま鵜呑みにするのがどれほど滑稽なことかがわかる。物事の裏を考えなくてはならないんだよな……
     講義形式の回は楽しんで読んだ。コント形式のところは、それに比べるとイマイチタイプじゃない。

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    2014年06月07日
  • 反社会学講座

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    いろいろ下らない事書いてあるんだけど、社会学ってものに対しての警戒心を養える良書だと思った。10年以上前の本だけど今日でも通用する内容。要するに自分の頭で考えようという内容の本。色んな薀蓄を身に付けるのにもなかなか良い。

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    2014年02月14日