あらすじ
世の中をよくしていくために、「正しい」議論をしていこう! ってそれは大いにけっこうですけど、でもその議論、実は誰も聞いてなかったりなんかしてません? ちょっと、エンターテイメント性に欠けてない? そこで本書でおすすめするのは四角四面な議論や論理が性にあわない日本人におあつらえ向きの「つっこみ力」。謎の戯作者パオロ・マッツァリーノによる本邦初の「つっこみ力」講演(公演)会、おせんにキャラメルほおばりながら、どうぞ最後までお楽しみくださいませ。
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Posted by ブクログ
あいかわらず茶化した語り口を持ち味とするパオロ氏。しかし、どれだけ話し方がふざけていても、主張の根拠は徹底的にデータに立脚して説得力がある
。冗談は冗談とわかって読まないといけないが、そのへんのエッセイよりよほど確からしさがあるんじゃないかと思う
Posted by ブクログ
新聞やテレビなどのメディア報道はそれぞれの思惑で情報を選んで放映しているし、何かいろいろの論の根拠となる「データ」なるものも、おしなべてなにかの意図を持って作られているんだよ、という所謂メディアリテラシーとデータリテラシーについての話。
で、その「意図」にたいする「つっこみ力」という一冊。作者は千葉県民の30代イタリア人、ということである。ここにつっこむのは負けな気がする。
非常に明晰な書き手だと思いました。いや、いやみではなく。ここ最近読んだ書き手の中でも、もっとも頭脳回路がすっきりはっきりしている。
とりわけデータリテラシーに関しては、失業率と自殺率との関係性を示すデータについての意図や、どうやって本来の意図を隠すかという手法について非常にわかりやすく啓いてくれています。この本で「つっこみ力」を鍛えよう、ということではないけれども、ただ「データ」なるものの楽しみ方、読み方および醍醐味という点を、かなり筋道立てて書いてあってすこぶるヨロスイ。
ネット上の情報に少しでも携わる気持ちのある人は、考え方の指標として是非読んでおいていい一冊なんじゃないかしらん。短いし。漫談だし。
で、おそらく日本にいる外部者としての「イタリア人」じゃないと書けない。その辺の謎ぶりがものすごくいいセンスなんですな。
そして、あんまり有名な出版社でも無名な出版社でも出せない本です。という意味では奇跡かもしれない。
筑摩の、いい仕事です。
この作者には会ってみたいなぁ。
Posted by ブクログ
言いたいことを
全部言ってくれたような気がして、
スカッとしました。
権威ある人に押され気味で、
一般人の視点が萎えてきて、、
当たり前のことが通用しない集団に対して、
疎外感を感じている方に、
ぜひおすすめです。
Posted by ブクログ
これは面白い本を拾ったなという感じ。
タイトルだけに魅かれて買ったけど、着眼点が面白く綺麗に世間を皮肉っている。
だけど、まとめ方はそうまとめんのかい!と思わずこっちがツッコミを入れてしまいそうになった。
しかも、これを書いたのは外国人というのも興味深い。
Posted by ブクログ
メディアリテラシーとかそういう難しいことを、漫才のボケとツッコミのツッコミの力、ツッコミ力としてまとめた本です。ふざけた感じで書いてはありますが、現代社会の問題点などを痛快に批判している読んでスッキリする本です。これからも愛と勇気と笑いで世の中を変えていってください。
Posted by ブクログ
古本で購入。
タイトル買いした1冊。大学での講演(兼公演)をまとめたものらしい。
「つっこみ力」で正しさをおもしろさに変えて社会と人生をおもしろくしよう、というのがこの本の目的。
愛(わかりやすさ)と勇気(権威へのつっこみ)とお笑い(おもしろさ)がつっこみ力の3大要素。
まぁ要するに、誰かの示す「正しさ」に「正しさ」で批判しても逸脱も発展もない「正しさ」の堂々巡りになっておもしろくも何ともない、それじゃあ「正しさ」の奴隷になっちゃうよ、というわけ。
批判ではなくつっこみを。
それで社会と人生をおもしろくしよう。
いいですね!
これだけ書くと何のこっちゃわからんのもいい。こういうの好きです。
提示された物事を、発想を変えて見てみたらおもしろいってことなんだけどね。
簡単に言えば。
そのへんは第2夜「データとのつきあいかた」でも表されてます。
しかしこの人、何者なんだろう。
自称「戯作者」で統計漫談家のパオロ・マッツァリーノ。 胡散臭い。実に。
高いレベルできちんと社会学を修めているっぽいけど。
別の著書『反社会学講座』も読んでみたい。
Posted by ブクログ
切り口は面白い。
語り口調がラフで個人的には読みやすく感じました。
しかし、裏表紙の著者の紹介欄までふざけているので、著者が一体何者なのかが未だに理解出来ていません。
あえて身分を伏せているのでしょうか。
論理やメディアリテラシーも大切かもしれないけど、「わかりやすさ」の方が大切ですよね!この本は終始そう謳っていて主に社会学の欠点について触れています。
でも、実は社会学を批判することによって社会学に興味を持つように仕掛けているような気もしました。
社会学については無学だった私でもとっつきやすいように丁寧な解説があり、どこが分かりにくくて、どこを直せばいいのかを指摘していて社会学の入り口としてはちょうどいいのではないでしょうか。
ただ、「笑い」についてこだわるあまり論理に無理があるような箇所がいくつかあり、娯楽程度に本を読む人にしかオススメ出来ません。
Posted by ブクログ
自分はボケかツッコミかでいうと、明らかにツッコミです。
更にツッコミを鍛えたいと思って買った本ですが、予想していた内容とはかなり違いました。
それでも、これは面白かったです。
笑いの効用、ツッコミを入れることのメリットを詳しく書いていて
「人は正しさでは動かない。面白さで動く。」
「ツッコミは全面攻撃ではなく、笑いによって相手に逃げ道を確保してあげている」
人と接するときに、必要ですよね。笑い。
Posted by ブクログ
人は正しさだけでは興味を持ってくれません。人はその正しさをおもしろいと感じたときのみ、反応してくれるのです。大衆に媚びる必要はありませんが、ウケを狙いにいくことは大切です。「正しさ」にこだわり続ける限り、論理力もメディアリテラシーも、常に敗れ去る運命にあるのです。
この文章が本書の大半を表していると思います。
メディアリテラシーのことをつっこみ力としています。
ただ、つっこみを入れるには、対象よりも高い知性を必要とされます。
つっこみ力とは、場を盛り上げるサービス精神、自己犠牲の精神が息づいている。
つっこみは、ボケをわかりやすくし、場を盛り上げる。
つっこみ力の3本柱は「愛と勇気とお笑い」
ボケは天才しかできないが、つっこみは凡人でも訓練すれば身につけられる。
Posted by ブクログ
「反社会学講座」が面白かったのでこちらも、と思い購入。
「反社会学講座」のように多くの事案を取り上げているものと期待していたが、ポイントを絞って語っている。購入当時はそれがちょっと残念だったが、購入して数年後にきちんと読んでみるとちゃんと面白かった。「反社会学講座」よりも、著者の主義を主張するために事案を絞って集めた印象がある。新書でここまで著者の思いが込められているものは珍しいのではないか。
著者はデータ崇拝主義的なものに異議を唱えており、データというのはあくまで主張のための手段だ、ということが言いたい。というのを、マジメに書くと堅苦しいし面白くないので、読者の心に訴えられるよう面白く表現している。結構茶化している表現も多いので煽られ耐性が無い人は読むのを止したほうがよいが、そこを笑って流せる人ならばこの文章の一見軽いが読んでて納得しやすいという巧妙さを堪能できると思う。社会学なんて知らなくても、自分の身の回りにあるなぁこんなことが、と頷きながら読める本だと思う。
正しさにこだわり主張する人は存在する。得てしてそのような人は己の正しさを主張し反対する相手を打ち負かすことが目的となり、本当に必要なことまでの議論へ行きつかないことが多い。この議論の本来の目的も達成できないし、相手にしこりを残す。こうして欲しい、と素直に言えばいいのに、何故敢えて相手を傷つけるような言葉を選んで言うかねぇ。そんなことを思い出した。
と、こんなくそマジメなレビューよりもこの本自体のほうが遥かに読みやすいので興味がある方は是非。
Posted by ブクログ
要は、きれいにまとめられたグラフとか表とかに騙されてはいけませんよ、と。
確かに、こういう視点を常に持っておくのは、結構大事。
ただ、こんな長々と書くほどの話では、絶対にない(笑)
Posted by ブクログ
ふざけた帯だが、内容は至って真面目。真面目というか、世相を切る。
統計学、社会学なんてものがいかに怪しく胡散臭いかをズバッと切り捨てている。とても納得できる一冊。
メディアリテラシーなんてものに翻弄される人間が多いのも確か。
社長のボーナスって、法人税がかかるんですね。
Posted by ブクログ
世の中をよくしていくために、「正しい」議論をしていこう!ってそれは大いに結構ですけど、でもその議論、実は誰も聞いていなかったりなんかしてません?ちょっと、エンターテインメント性に欠けてない?そこで本書でおすすめするのは四角四面な議論や論理が性にあわない日本人におあつらえ向きの「つっこみ力」。謎の戯作者パオロ・マッツァリーノによる本邦初の「つっこみ力」講演(公演)会、おせんにキャラメルほおばりながら、どうぞ最後までお楽しみくださいませ!(表紙裏より)
この世に溢れる「常識」を鵜呑みにせず、その裏表・ウソホントをいかに冷静に検証すべきか…痛感しました。世の高校生・大学生ぐらいの方に是非一度手にとってもらいたい一冊です。
Posted by ブクログ
かなり軽い話口の作品。
今の社会学者は堅苦しくてとても嫌だということは伝わってきた。
作者が言うつっこみ力とは、メディアリテラシーの意訳のような言葉であった。
前半はテンション高くいろいろなことにつっこみ、後半は日本の自殺者を減らすためにはどうすればいいのかを、素直に考えてある。
確かに家を買いたいというモチベーションはないな。そして、なぜ今までの人が家を持ちたいと思ったのかも少しは理解できた。
Posted by ブクログ
落語のような口語口調の語り口で、面白さを増幅させる手段としてのつっこみ力の重要性が述べられた一冊。
前半はつっこみ力が、愛と勇気と笑いで構成されていることを紹介し、一見正しいように見える論理力や批評力では世の中はよくならないことを力説しています。後半は各国の自殺率などの統計を事例に、データの方便を説く内容で、読みどころはほぼ前半に集約され、この章だけで十分に面白いと思います。
ただ、どうしたらつっこみ力がつくかについては、何も書かれていませんので、ご注意ください。
Posted by ブクログ
学び!
「常識」なんてものは人の数だけある。
ドストエフスキー
人類愛を語るのは簡単だが、隣人を愛するのは難しい
周囲の人を巻き込み、あわよくば味方につけるのがつっこみ力の理想である。
どんなに高度な分析から得られたものであろうと、データは自然に湧いてくるものではない。
↓
すべてのデータはそれを作成した人間の何らかの意図や偏見が隠されている。
内容の良さを決めるのは、完成した後の入念な直しである。
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堅苦しい言葉でいろいろと提言することがあるがたいていろくな事になってない社会学者にツッコミ入れていこうぜって感じで書かれた本。
社会学がつまらない、わかりにくいのはなぜ。福沢諭吉とかいった人達が今でも語られるのは彼らが庶民にも理解しやすいように分かりやすく説明しようと心を砕いたからだ。とっつきやすくするために笑いが必要。つっこみ芸がいいんじゃね。単なる批判だと堅苦しいからね。そんな感じで始まる内容。
芸風や内容は今までとそんなに変わってるわけでもない。
権威や常識で思考停止しないで自分の頭で考えようぜって主張は大事だと思うし、人々の共感を得ない意見なんて「正しい」としてもゴミクズというのも大いに同意する。
ただ、インセンティブの話で「安全運転しようとする」って話を「安全になる」と誤読して馬鹿にしてたり誠実さは欠片もなくどうなのと思う所も。
マスコミでよく出てくるような有識者の話よりもためになる事も多いが鵜呑みしちゃう人には辛い本。
Posted by ブクログ
再読。
おもしろい本だとは思ったが、初めて読んだ時よりも疑問点がちらほら。
インセンティブのくだりはなんかおかしいと思うし、ギャグの寒さも以前より感じる(て、これは二回目の宿命か)。
Posted by ブクログ
オイオイそうマジになるなよ、社会学はデータで遊んでるだけなんだぜHAHAHA、あと学者が文章無駄にわかりにくくしてんのなんとかなんないかねまったく、みたいなやつ
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて。
メディアリテラシー、という言葉/概念に異を唱え、「正しさ」や「すでにある事実」を批評してどうなるのか?それよりも、愛と勇気とユーモアで、事実を面白く(というと語弊があるかもしれないが)することの方が、よっぽどみんなハッピーなのではないか、というようなこと・・?とざっくりと理解した。
語り口が面白かったので堅苦しくなく読むことができた。
Posted by ブクログ
4年前くらいに読んだのを再読。
語り口はふざけているが、ジャンルとしては社会学になるのかな。
つっこみは大事ですよ、何事にもつっこんで行きましょうと言ってしまう本当にふざけた印象を受けてしまいますが、正しさのみを軸にしている、論理力や、批判力は、結果として何も生み出さないが、つっこみは面白さという付加価値を産むという考えには大賛成です。
ドキュメンタリーは真実である、
統計グラフを見ても全く疑わない、
そんな人には是非本書を読んでみてほしい。
人の手を介した時点で、それはもはや真実では無い。
データは湧いてくるものでは無い。
Posted by ブクログ
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隠しているのは優れた技ではなくて、技の貧しさだというんですね。下手くそな職人ほど、手前の腕を見破られるのをおそれて道具を隠すんです。わかりにくい説明をする学者も、これと同じじゃないですか。28
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人は正しさだけでは興味を持ってくれません。人はその正しさをおもしろいと感じたときにのみ、反応してくれるのです。(…)「正しさ」にこだわり続けるかぎり、論理力もメディアリテラシーも、つねに敗れ去る運命にあるのです。いままでも、これからも。59
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「学者の書く本がわかりにくくて退屈なのは、大学教授の給料が高くて、本をたくさん売って儲けようとするインセンティブが働かないせいかしら」80
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Posted by ブクログ
正解がないからこそ世の中は面白い
世の中を正しくするのでなく、面白くしようと考えるべき。
どんなに高度な分析から得られたものであろうと、データは自然には沸いてくるものではありません。誰かがなんらかの目的を持って社会現象の一部を切り取ったもの。すべてのデータには、それを作成した人間の何らかの意図や偏見が裏に隠されている。データを面白がれずに信じてしまう人は、そのカラクリを分かっていない。
Posted by ブクログ
欧米では住宅ローンは、おもに家の資産価値に対して貸すもので、日本の住宅ローンは、おもに人の支払い能力に対して貸すものだというのは、そうかもしれません。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
世の中をよくしていくために、「正しい」議論をしていこう!ってそれは大いにけっこうですけど、でもその議論、実は誰も聞いてなかったりなんかしてません?
ちょっと、エンターテイメント性に欠けてない?
そこで本書でおすすめするのは四角四面な議論や論理が性にあわない日本人におあつらえ向きの「つっこみ力」。
謎の戯作者パオロ・マッツァリーノによる本邦初の「つっこみ力」講演(公演)会、おせんにキャラメルほおばりながら、どうぞ最後までお楽しみくださいませ。
[ 目次 ]
第1夜 つっこみ力とはなにかもしくはなぜメディアリテラシーは敗れ去るのか(愛の章―わかりにくさは罪である 笑いの章―つっこみ力の真髄 勇気の章― 権威へのつっこみ)
幕間 みんなのハローワーク―職業って、なんだろう(五三歳のハローワーク 暴力団員の申告 セレブって…職業? ほか)
第2夜 データとのつきあいかた(漫才『データを出せ!』 いかがわしさとおもしろさと データは自然に湧いてこない ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
真面目で堅苦しい近寄りがたい議論よりも、誰でも「ヘンだな」と思ったことを直感でもいいから突っ込める方が建設的だよね、っていう話。
本書の前半は表題「つっこみ力」の提案。
後半は、社会科学の議論につっこみを入れるための教養として、社会科学系の議論におけるデータの取扱いについての批判的な解説。
まあ相変わらず軽いノリで分かりやすい議論を展開しているが、前半のつっこみ力の部分はどうもキレがイマイチ。お笑いの方向に走りすぎて逆に主張がボヤけている印象。
後半は、理系の学生に読ませたら喜びそうな、文系学問の「いい加減」さを告発する。データとの付き合い方について簡潔にちょっとした知恵を与えてくれる。こちらの方が非常に出来がいいと思う。
この人の場合、露骨にウケを狙うよりも、『反社会学講座』の時みたいに普通に自説を展開してくれた方がはるかに面白い話ができてるのが何とも皮肉。そこが前半のキレがイマイチで、後半は面白いと感じた理由かも。本書の中で、ユーモアは簡単だけどギャグは難しい、って本人は言ってるけど、まさに著者自身それでしょうな。