あらすじ
昭和初期の渋谷では牛が普通に歩いてた? いつから漫画家の先生にはげましのおたよりを出してたの? 戦前の新聞の一面には広告しか載ってなかった? 昭和30年代にクールビズ論争が? 大正時代のダイエットブーム? 戦国と幕末だけが歴史じゃない。忘れられた名もなき庶民の身近な歴史・文化史を史料から丁寧に洗い直せば、日本の歴史はこんなに意外でおもしろい!
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Posted by ブクログ
土下座のところで、突然マレーシア、ルングス村の人の話が出てくるのは笑った。豚か山羊を相手と祈祷師に送るんだってさ。日本は誠意=謝罪+誠意、というわけのわからない公式があるとの主張をするための前段が突拍子なくて面白い。
他にはビックリマークを濫用する広告の下りも面白かったなぁ。
全体を通して楽しく読めました。
あと、亡国論の箇所にはいい言葉があったので以下書き置き。
もっと身近なもの、自分の身の回りの人や家族やご近所など、滅びやすいものが滅びないよう、努力をかたむけるべきです。それは自分にしか守れないんですから。
近所のガキが悪さしたら叱りなさい。電車や公共の場での迷惑行為に講義しなさい。リードをつけずに犬の散歩をしているルール違反の飼い主を注意しなさい。自分の所属している職場や学校で起こっている具体的でちっぽけな問題に向き合い、ちょっとでも良い方向へ向かうよう、努力してみてください。
どうでもいい歴史や思想を語って国を憂うヒマがあったら、自分の身の回りに目を向けるべきです。小さな問題を解決しようと体を張らない人間に、国が滅びるなどと大口叩く資格はありません。デカイ思想を語るだけの思想ヒーローは、実際には世の中を一ミリも動かしてないのです。
大切なのは、みなさんひとりとりが、身の回りの問題に取り組むローカルヒーローになることです。
Posted by ブクログ
厚切りジェイソンも舌をまくほど、日本文化の疑問を滅多切り。思わず日本人すらも「Why Japanese people?」と叫びたくなる。ただし笑いたくても笑えないネタも多いが。
Posted by ブクログ
あえていうなら歴史社会学の講義。朝日と読売新聞記事を主に調べながら、日本の近現代の庶民史と文化史の捏造を指摘する。
「パオロ・マッツァーリーノの日本史漫談」の文庫化
どうでも良いような話題をギャグっぽく書いているが、そのデータに対する姿勢や、現代に不満を持つ人が過去を美化して懐かしむなどといった人間の傾向を指摘しているところがものすごい。
Posted by ブクログ
当たり前すぎて、見逃されている・・・もしくは、面倒くさがられる庶民史を過去の新聞等から丁寧に拾い上げて、昔から当たり前だと思われていたことが、実はそんなに当たり前ではなく、そんなに歴史がない事に気付かせてくれる本。 土下座は畏敬の礼法で使われていたものが、現在では単なる謝罪や懇願のみで使われている事や「先生」という言葉に対する日本人の「侮蔑」と「尊敬」が入り混じった感情を紐解いて成る程と感じた。
Posted by ブクログ
過去の新聞記事等、各種データをベースにして日本人の誤った思い込みを斬りまくる相変わらずのパオロ節が冴えわたる一冊。土下座の歴史が面白かった。表紙イラストも吉田戦車なのでGOOD。この人、絶対日本人。