綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり古い作品だが、ミステリーの名作としてどこでもお勧めされるので読んでみた。
登場人物の情報をメモして、自分なりに推理しながら読んでいたにも関わらず、まんまと引っかかってしまった。
さらりと明かされる真相に、何度も前のページに戻って矛盾がないか探して、しばらくその先を読み進められないでいた。
それくらい衝撃はとんでもなく大きいのは間違いないのだけど、心が動くとか、響くって感じとは違った。
犯人の独白から物語が始まり、最後も心情の描写はあるものの感情移入はできないなと。
自分はミステリー好きだけど、巧妙なトリックよりも、どうしようもない自己矛盾した感情とか社会への問題提起を主軸とする話が好きな -
Posted by ブクログ
詳しい感想は最終巻にて✎☡
いつまで焦らすのよ…と思いながら読んでいたら、中盤あたりでようやく面白くなってきた。
ここまで長かった…!
けれど、読み進めれば進めるほどなんか胸が悪くなるような…(。•́•̀。)
まだまだ謎はてんこ盛り!全部回収されるのか?
期待を膨らませながら、いよいよ最終巻へ=͟͟͞͞( •̀д•́)
✎︎____________
犯人の動機というのは畢竟、その者の心の内側に深く根ざす問題である。たとえばそれが〝金〟や〝白〟といった明白な形でもって表出していれば話は別だが、そうではない場合、第三者が外側からその問題を正しく探り当てるのは、往々にして非常に困難な業だろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ災厄を避けるために「いないものとして扱う」設定が秀逸である。クラスという隔絶した空間を丸々因習村のように仕立て上げたのは見事な手腕である。と、同時に「いないものとして」扱われることを逆手に取って、好きに休めず、時間割に則って行動せざるをえず、放課後ぐらいしか自由時間がないとあう中学生特有の行動制限の縛りを、咎める大人を制したことで一時的に無くしたというのも面白い。
記憶が辻褄が合うように都合よく消され、記録すら改竄されるという立証不可能な災厄が迫る中、誰が「死人」なのかという作中最大の謎の正体は大掛かりな叙述トリックであり、これは流石に見抜けなかった。学校の先生である三神先生=主人公の叔母の -
Posted by ブクログ
ネタバレ本格ミステリの俊英が描く学園ホラー。夜見北という田舎に転校してきた転校生を巡る過去の事件とクラスに纏わる奇妙の謎が魅力的で、全編に渡って常に何かが起こりそうな不穏な雰囲気を描くのが非常に上手い。病室の死の気配から始まるどことなく寒々しい雰囲気わ、同じ言葉を繰り返す九官鳥や思わせぶりな祖母や叔母、クラスメイトの面々など、ホラーの手つきとして素晴らしく、どこかじめじめとした忌まわしさすら漂っている。上巻の半ばまでは主人公が述懐するほどに思わせぶりな展開が多く、やや辟易としたものの、展開は遅くても怖い描写だけで読ませるあたりは流石の筆力であるとも思う。
設定だけ捉えるとラノベのようでありながら、し -
Posted by ブクログ
ネタバレやるせない
全部読んで、やるせないって思っちゃった
誰の願いも叶わない、勘違いでもない、悪意になりきらないところから始まる地獄
江南が無事に発見されて、鹿谷と再会して、その時にはほとんどの人がいなくなっていた
だから犯人はわかったのだけど、何がどうなってるやら、中村青司の仕掛けと主人の思いが強過ぎて静かに恐怖
でもやっぱり、復讐なんてどうにもならいから、だからあの人も塔と一緒に堕ちていってしまったんだろう…
先が気になって読みたくて怖いけど止まらなかったけれど、十角館があったからどこかに抜け道があるんだろう、行き来できる何かがあるんだろうって先入観?が入って読み進めちゃうし、あの初読の時の衝撃