綾辻行人のレビュー一覧
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ネタバレ岡山の山奥に建つ異形の洋館・水車館を舞台に、幻想画家・藤沼一成の遺した秘蔵絵画と、一年前の不可解な事件の謎を描く館シリーズ第2作。年に一度の披露会をめぐり、1985年と1986年という二つの時間軸が交互に語られ、過去と現在が少しずつ重なり合いながら真相へと導かれていく構成が秀逸だ。
白い仮面をつけた当主、館に閉じこもる若き妻、嵐に閉ざされた空間――幻想的で陰鬱な舞台設定は、横溝正史的な怪奇性も感じさせる。一方で、島田潔の冷静な推理によって物語は確かな論理性を保ち、ロマンと理詰めのバランスが心地よい。
時間構成の工夫、水車や仮面といった象徴的モチーフ、密室や失踪などの本格要素が重なり合い、読 -
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館シリーズ2作目の、改訂版。
旧版も20年ほど前に読みました。それ以来の再読です。
十角館はもう、改訂版で変えられた部分が読みたすぎて再読し、更にそのあと実写化したものを観、コミカライズも読み、今でこそ内容はバッチリ頭に残っていますが、再読した時には真相こそ覚えてはいるものの細かい部分がすっかり記憶から抜け落ち、初めて読んだ時ほどではないにせよ、結構ドキドキしながら読んだのです。
そして今回の水車館。
やはり、肝になる部分や作中の違和感を拾えるものの、やっぱり一気読みしちゃうくらい、とにかく先が気になる作品でした。
わかってるのに先が気になる、とはおかしいのですが。何でしょう…探偵役が真相に近 -
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ネタバレ鮎田冬馬の手記のはじめに、「如何なる虚偽の記述も挟まぬ事を、誓っておくとしよう」という記述がある。この記述通り,嘘はつかれていないのだが、読者は騙されてしまう。やはり、ここには展開のうまさや言い回しが表れているのだろう。このトリックは考えてみたら出てきそうではあるが、ここまで伏線を散りばめながらバレずに騙すというのは至難の業である。
館シリーズにおいて、探偵(鹿谷)が事件に居合わせないものが、人形館、時計館、黒猫館と続いているが、次の暗黒館ではどうなるのか。そろそろ、事件に真正面から対峙するところも見てみたい。
本作では、鮎田が運命論について言及する場面があった(392ページ)。 水車館