東郷隆のレビュー一覧

  • うつけ者 俄坊主泡界2 江戸破壊篇

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    江戸で願人坊主になり非合法瓦版作りに勤しむ泡界。時は水野忠邦が老中で天保の改革真っ最中。悪辣な役人をやっつけろと依頼される。幻術を使う少年を弟子にして泡界は暴れまくる。

    めちゃくちゃ面白かった。痛快無比。将軍の下の世話をする御側衆土田新吉郎の悪役キャラの悪さが際立っている。江戸の風物の描写も知らないことだらけでそちらも目からウロコ。

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    2023年07月05日
  • 決戦!関ヶ原2

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    ネタバレ

    関ヶ原、2である。2であるからには、やはり1を超えねばならない。作家さんたちのそんな意気込みが感じられる。誰もどれも素晴らしい!
    少々マンネリ化しだしていた決戦!シリーズ。今一度注目したいと思わせてくれた1冊。

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    2019年08月25日
  • 定吉七は丁稚の番号 定吉七番シリーズ

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    定吉七番シリーズが再刊されていたとは知らなかった。初めて読んだのは初刊のときだから、20年以上前。この本に限らず、そのころの描写がいちばんしっくりくるのは、ぼくのセンサの感度が一番よかったころだからかなぁ。

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    2018年10月10日
  • 狙うて候(下) 銃豪 村田経芳の生涯

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    ネタバレ

    日本の銃技術者にして、射撃の達人。明治維新時代の薩摩藩士「村田経芳(勇右衛門)」の生涯を描いた伝記小説。
    恥ずかしながら、俺はこの人全く存知あげなかった。ひょっとしたら司馬遼太郎あたりの小説に出ていたかも知れないが、記憶になかった人なんだが…。

    読んでみて分かったが、なんとも凄い人である。維新に関わる戦争や西南戦争に従軍して類まれなる戦績を収めたことを始めとして、ライフルを筆頭に旧日本軍の兵装のあらゆることに関わった人であり、欧州視察に出向いた際、各国の射撃大会で軒並み優勝をかっさらい…こんなスゲー人が日本では不当に低く評価されているのが残念である。

    侍…いや時代背景から考えると軍人として

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    2016年05月12日
  • 狙うて候(上) 銃豪 村田経芳の生涯

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    本作は明治時代に“村田銃”と呼び習わされた小銃を設計し、自身も射撃の名手として高名であったという村田経芳を主人公に据えた大河ドラマだ。

    本作の冒頭は、スペイン旅行をした作者が、思わぬ型で“ムラタ”という名に出くわし、彼の事績の片鱗を骨董屋の店先で視付けるというようなエッセイである。そこから、その“ムラタ”が少年時代を過ごした、鹿児島城下に話しが飛び、主人公の生涯の物語が綴られる…

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    2014年09月17日
  • 狙うて候(下) 銃豪 村田経芳の生涯

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    本作の解説に「作者の代表作であるに留まらず、平成を代表する時代小説」というような評も在る。私はそれに賛成したい。何れかの陣営に必要以上に肩入れするでもなく、淡々とした感じながらリアルに、戊辰戦争の激しさや、西南戦争の恐ろしさが描かれ、そこを生きた“武士”の心情が鮮やかに浮かび上がる名作だ…

    村田が示す「自らの技芸で身を立てる武士」というような己の在り方を貫くような生き様…少し憧れる…

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    2014年09月17日
  • 我餓狼と化す

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    8篇が収められている。各作品は戊辰戦争の時期を中心とした「乱れた時代」の人間模様を扱っている。俄かに訪れた「乱れた時代」とは、同時代人にとっては「極限状態」のようなものかもしれない。裏切り、打算、飽くまでも何かを護ろうとする姿勢など、人の様々な面が曝け出され、それが記憶として、また何らかの意図が加えられた記録として後世に伝わっているのであろう。旧幕府寄りの行動を取った人達に関する記憶が掘り起こされたのは…大正末期から昭和初期までに、古老の話しを聴き取る等して綴られた史伝を通じてということになる。本作の作者は、そうしたものを随分と参照している…

    裏切り、打算の他方の「飽くまでも何かを護ろうとす

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    2014年09月01日
  • 九重の雲 闘将 桐野利秋

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    本作の題名である『九重の雲』…「九重の雲をはらいてやがてまた はれし都の月を見るべき」という、中村半次郎こと桐野利秋が慶応3年11月11日に詠んだとされる歌から取ったのであろう。苦難を潜り抜け、明日の展望が開けたというような、故郷での極貧を脱け出して京で活動した日々を想い起こしながら、討幕の密勅を受けて更なる前進を思うというような状況の歌かもしれないが…何か彼の人生を象徴するかのような歌だ…自らの性分と、刻苦勉励して磨いた剣技と、可能な範囲で書見して学んだことを活かしながら、“九重の雲”のような眼前の苦難や時代状況を潜り抜けることを繰り返し、やがて月の下で「時代の波涛」に呑み込まれる…何かそう

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    2014年08月26日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。こちらは侍側の記述で合戦時にどのように動いたかを絵つきで記述しているので読みやすくなっています。

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    2013年10月05日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】雑兵足軽たちの戦い

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    何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。当時の足軽や雑兵たちの生き様を知るのにうってつけです。

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    2013年10月05日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    戦国時代の合戦の要素を、「刀」「合戦形式」「槍と弓」「大砲と火縄銃」「旗と太鼓」「斬首と切腹」「女武者と船上戦」などの章にわけて、マニアックな図解と一緒に解説した本。学校で習う日本史や時代劇の演出にも、ときどきツッコミが入る。

    例えば、一般に銃はポルトガル人によって種子島を通じて日本に伝来された(1543年)とされているが、本書によると、それは東南アジアで使われていた「アルケブス式携帯銃」のことであり、禅僧が残した『碧山日録』という日記には、すでに応仁の乱(1467-77)で「飛砲・火槍」についての記載があるという。ただし、これらは大型兵器であったため、日本の当時の「戦」の形式や資源の面でマ

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    2013年08月13日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    刀・弓・槍などの武装に始まり、
    古典組討ちの作法や、切腹や女武者など、
    内容は浅く広くで雑多な印象だが、
    とにかく読みやすくて、
    途中でとりあげられている武将の逸話も面白い。良書。

    読みクチはライトだがそんな中にも、
    古代の戦の「洗練された精神世界」と「様式美」があった
    ということを感じられる。

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    2013年06月23日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    本文はわかりやすくあんまりつっこんでないけど、とにかく挿絵が素晴らしすぎる。暇があったら眺めてる本。

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    2009年10月04日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    イラストが多く、読みやすい文章なのでとても判りやすい本。
    組討の仕方、切腹の仕方、槍や刀での戦い方等々詳しく載ってます。面白かったのが槍の使い方で荷物運びや梯子はともかく、物干しに使われていたことに衝撃を受けました。それと素人の槍は突いて戦う武器ではなかったということにも驚きました。

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    2009年10月04日
  • 決戦!三國志

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    三国志の決戦!シリーズ。
    どの作品も読み応えがあったが、特に木下昌輝「奸雄遊戯」、天野純希「天を分かつ川」が良かった。

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    2025年01月13日
  • 決戦!関ヶ原2

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    久しぶりに決戦シリーズを読みました

    黒田長政の【ダミアン長政】
    島左近の【過ぎたるもの】
    仙石久勝の【戦さ神】
    小川祐忠の【名だけを残して】
    本多忠勝の【蜻蛉切】
    小早川秀秋の【秀秋の戯】
    大谷吉継の【燃ゆる病葉】

    個人的には
    名だけを残して
    秀秋の戯
    燃ゆる病葉
    が好きでした

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    2024年11月16日
  • 決戦!三國志

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    面白かったです!ついに日本を超えて海外を舞台に!この本を読んで三國志に興味を持ちました。決戦!三國志TOP3は①木下昌輝の「姦雄遊戯」②吉川永青の「応報の士」③天野純希の「天を分かつ川」です。

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    2024年02月15日
  • うつけ者 俄坊主泡界1 大坂炎上篇

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    私腹を肥やし民を疲弊させる官僚、大商人に鉄槌をくらわす大塩平八郎。共感する者は泡界という坊主になり、大衆を煽るかわら版を配布。大塩や一味を殺そうとする役人たちとの熾烈な闘いを描く。

    かなり面白かった。書評家杉江松恋氏が推すだけのことはある。いわゆる勧善懲悪型の小説だが、主人公の内面や当時の風物の描写と相まって、極上の読み物となった。

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    2023年05月16日
  • 病と妖怪―予言獣アマビエの正体(インターナショナル新書)

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    予言をする妖怪「アマビエ」。新型コロナの感染拡大で不安が広がった際に、妖怪掛け軸専門店がアマビエをSNSで紹介し、さらに水木プロダクションが水木しげるさんの描かれたアマビエのイラストをTwitter上にアップして爆発的に広がった。これほど一気に知名度が上がった妖怪は、今までなかったのでは無いだろうか。

    もちろんアマビエが登場したと言われる江戸時代も一気に有名になったのだろうが、現代の情報の伝達速度にはとうていかなうものではなだろう。その予言獣アマビエをはじめとして、古今東西の予言獣を集めて解説したのが「 病と妖怪 ―予言獣アマビエの正体 」という一冊だ。

    第1章 アマビエはどこから来たの

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    2021年08月09日
  • 病と妖怪―予言獣アマビエの正体(インターナショナル新書)

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    コロナウイルスに振り回され始めてからもう1年たつ。早いものだ。正体の分からないものに対して恐怖心を抱き、何かにすがり付きたくなるのはいつの世も変わらない。




    去年、アマビエがネットで話題になってから一気に火が付いた。



    この原典は、「肥後国海中の怪」というタイトルで、弘化(こうか)3年(1846)4月と年号と月が入った半紙1枚に描かれた図像だ。



    アマビエの起源について著者は、文化2年(1805年)に赤痢が流行ったときに出た「神社姫(悪魚)」だと推測している。



    その後も、赤痢が流行したときに魚体の形をした人魚が登場している。





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    2021年06月05日