東郷隆のレビュー一覧
-
江戸で願人坊主になり非合法瓦版作りに勤しむ泡界。時は水野忠邦が老中で天保の改革真っ最中。悪辣な役人をやっつけろと依頼される。幻術を使う少年を弟子にして泡界は暴れまくる。
めちゃくちゃ面白かった。痛快無比。将軍の下の世話をする御側衆土田新吉郎の悪役キャラの悪さが際立っている。江戸の風物の描写も知らな...続きを読むPosted by ブクログ -
定吉七番シリーズが再刊されていたとは知らなかった。初めて読んだのは初刊のときだから、20年以上前。この本に限らず、そのころの描写がいちばんしっくりくるのは、ぼくのセンサの感度が一番よかったころだからかなぁ。Posted by ブクログ
-
日本の銃技術者にして、射撃の達人。明治維新時代の薩摩藩士「村田経芳(勇右衛門)」の生涯を描いた伝記小説。
恥ずかしながら、俺はこの人全く存知あげなかった。ひょっとしたら司馬遼太郎あたりの小説に出ていたかも知れないが、記憶になかった人なんだが…。
読んでみて分かったが、なんとも凄い人である。維新に関...続きを読むPosted by ブクログ -
本作の解説に「作者の代表作であるに留まらず、平成を代表する時代小説」というような評も在る。私はそれに賛成したい。何れかの陣営に必要以上に肩入れするでもなく、淡々とした感じながらリアルに、戊辰戦争の激しさや、西南戦争の恐ろしさが描かれ、そこを生きた“武士”の心情が鮮やかに浮かび上がる名作だ…
村田が...続きを読むPosted by ブクログ -
本作は明治時代に“村田銃”と呼び習わされた小銃を設計し、自身も射撃の名手として高名であったという村田経芳を主人公に据えた大河ドラマだ。
本作の冒頭は、スペイン旅行をした作者が、思わぬ型で“ムラタ”という名に出くわし、彼の事績の片鱗を骨董屋の店先で視付けるというようなエッセイである。そこから、その“...続きを読むPosted by ブクログ -
本作の題名である『九重の雲』…「九重の雲をはらいてやがてまた はれし都の月を見るべき」という、中村半次郎こと桐野利秋が慶応3年11月11日に詠んだとされる歌から取ったのであろう。苦難を潜り抜け、明日の展望が開けたというような、故郷での極貧を脱け出して京で活動した日々を想い起こしながら、討幕の密勅を受...続きを読むPosted by ブクログ
-
何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。こちらは侍側の記述で合戦時にどのように動いたかを絵つきで記述しているので読みやすくなっています。Posted by ブクログ
-
何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。当時の足軽や雑兵たちの生き様を知るのにうってつけです。Posted by ブクログ
-
戦国時代の合戦の要素を、「刀」「合戦形式」「槍と弓」「大砲と火縄銃」「旗と太鼓」「斬首と切腹」「女武者と船上戦」などの章にわけて、マニアックな図解と一緒に解説した本。学校で習う日本史や時代劇の演出にも、ときどきツッコミが入る。
例えば、一般に銃はポルトガル人によって種子島を通じて日本に伝来された(...続きを読むPosted by ブクログ -
刀・弓・槍などの武装に始まり、
古典組討ちの作法や、切腹や女武者など、
内容は浅く広くで雑多な印象だが、
とにかく読みやすくて、
途中でとりあげられている武将の逸話も面白い。良書。
読みクチはライトだがそんな中にも、
古代の戦の「洗練された精神世界」と「様式美」があった
ということを感じられる。Posted by ブクログ -
本文はわかりやすくあんまりつっこんでないけど、とにかく挿絵が素晴らしすぎる。暇があったら眺めてる本。Posted by ブクログ
-
イラストが多く、読みやすい文章なのでとても判りやすい本。
組討の仕方、切腹の仕方、槍や刀での戦い方等々詳しく載ってます。面白かったのが槍の使い方で荷物運びや梯子はともかく、物干しに使われていたことに衝撃を受けました。それと素人の槍は突いて戦う武器ではなかったということにも驚きました。Posted by ブクログ -
私腹を肥やし民を疲弊させる官僚、大商人に鉄槌をくらわす大塩平八郎。共感する者は泡界という坊主になり、大衆を煽るかわら版を配布。大塩や一味を殺そうとする役人たちとの熾烈な闘いを描く。
かなり面白かった。書評家杉江松恋氏が推すだけのことはある。いわゆる勧善懲悪型の小説だが、主人公の内面や当時の風物の描...続きを読むPosted by ブクログ -
足軽は「足軽く駆け回る者」が由来である。下級兵士であるが、戦国時代は弓足軽、鉄砲足軽などと専門化された。実働戦力の中心であり、江戸時代初期までは荒くれ者の気風があった。後の太平の時代が続くと戦場で活躍できず、最下級の身分と固定され、上士から見たら武士とも言えない連中と蔑まれる悲哀のイメージが生じるこ...続きを読むPosted by ブクログ