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8篇が収められている。各作品は戊辰戦争の時期を中心とした「乱れた時代」の人間模様を扱っている。俄かに訪れた「乱れた時代」とは、同時代人にとっては「極限状態」のようなものかもしれない。裏切り、打算、飽くまでも何かを護ろうとする姿勢など、人の様々な面が曝け出され、それが記憶として、また何らかの意図が加えられた記録として後世に伝わっているのであろう。旧幕府寄りの行動を取った人達に関する記憶が掘り起こされたのは…大正末期から昭和初期までに、古老の話しを聴き取る等して綴られた史伝を通じてということになる。本作の作者は、そうしたものを随分と参照している…
裏切り、打算の他方の「飽くまでも何かを護ろうとする」かのような動き…惹かれるものが在る…8篇の短篇で取上げられている挿話は、知られているような、然程広く知られていないようなモノが多いように思うが、こうした作品を介して広く知られても善いと思う…
Posted by ブクログ
紙一重で勝ち馬に乗れず、名を馳せられなかった男たちが、この一冊の中では近藤勇、土方歳三、そして河井継之助をワキにやり、シテとして舞台に上がる。