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幕末・明治の戦乱を駆け抜けた男の生涯! 江戸でイギリス式の操銃法を学んだ村田勇右衛門は薩摩藩砲術師範役として「村田流」を名乗る。しかし、倒幕に動いた薩摩藩は兵を挙げ、勇右衛門も外城士一番隊を率い、鳥羽・伏見から長岡、会津へと転戦する。維新後、薩摩領内の若者に射撃術を広めていた勇右衛門だが、西郷隆盛とともに上京、日本独自の新銃開発に挑む。近代「もの作り」の元祖を描ききる渾身の巨編!
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Posted by ブクログ
本作の解説に「作者の代表作であるに留まらず、平成を代表する時代小説」というような評も在る。私はそれに賛成したい。何れかの陣営に必要以上に肩入れするでもなく、淡々とした感じながらリアルに、戊辰戦争の激しさや、西南戦争の恐ろしさが描かれ、そこを生きた“武士”の心情が鮮やかに浮かび上がる名作だ… 村田が...続きを読む示す「自らの技芸で身を立てる武士」というような己の在り方を貫くような生き様…少し憧れる…
幕末ものでこの村田という人物に注目したのはすごいです。知らなかったこと満載。幕末。まだまだ奥が深いです~
日本の銃技術者にして、射撃の達人。明治維新時代の薩摩藩士「村田経芳(勇右衛門)」の生涯を描いた伝記小説。 恥ずかしながら、俺はこの人全く存知あげなかった。ひょっとしたら司馬遼太郎あたりの小説に出ていたかも知れないが、記憶になかった人なんだが…。 読んでみて分かったが、なんとも凄い人である。維新に関...続きを読むわる戦争や西南戦争に従軍して類まれなる戦績を収めたことを始めとして、ライフルを筆頭に旧日本軍の兵装のあらゆることに関わった人であり、欧州視察に出向いた際、各国の射撃大会で軒並み優勝をかっさらい…こんなスゲー人が日本では不当に低く評価されているのが残念である。 侍…いや時代背景から考えると軍人として立派だっただけでなく、技術者として超一流の人である。礎が「軍隊」であり、扱ったものが「銃」という戦争のための道具なので、手放しで評価されない部分もあるのだろう。 村田氏が生きた時代は、そういう時代だったのだ、ということを差し引いて考えても、やはり凄い人である。 目に見える功績だけではない。 薩摩藩という尊王や攘夷や倒幕や西南の役やと、ただでさえ明日はどっちを向いてるか分からないところに所属していながら、「銃と射撃の向上がなければ日本は強くならない」という立ち位置を踏み外さず、技術者として生涯を全うする、その生き方が素晴らしい。 社会というのは、こういう職人気質な人や朴訥に頑張る人、真面目に生きている人がいるからこそ成り立っているんだなぁと思う。底辺がしっかりしていないと揺らぐものなのだと思う。政治家や官僚という類の人々の仕事は、本来底辺をどっしりと固めるための基盤を作ることのはずなのに…、何故か揺るがすようなことばっかりをする。 政治家なんてなるもんじゃないし、信用するもんでもないなぁと。 地に足付いた仕事をしっかりやって、まっとうに生きて行くのが幸せなんだなと思った次第。
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