木下半太のレビュー一覧
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「木下半太」の『天使と魔物のラストディナー(原題:六本木ヒルズの天使)』を読みました。
『美女と魔物のバッティングセンター』に続き「木下半太」作品です。
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理不尽な犯罪で突然命を奪われ、悔しくて死にきれない人が、ときどき神様の気まぐれで、魔物として生まれ変わる。
その一人である「復讐屋」の「タケシ」は、無残に殺され生き返ってしまった女のために、復讐に燃える。
犯人は、天使の微笑を持つ、残忍な連続殺人鬼「アマノ」だった。
「殺してあげた」という「アマノ」の狂気を、なんとしても止めろ!―。
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魔物シリーズの第二弾作品で、以下の6話が連作短篇として収録されています。
■第一話 東京湾の人魚
■第二話 井の頭線のフランケンシュタイン
■第三話 新宿二丁目の狼男
■第四話 築地卸売市場のゾンビ
■第五話 六本木ヒルズの天使
■第六話 浅草花やしきの河童
■解説 岡本貴也
前作の『美女と魔物のバッティングセンター』とは、ちょっと趣向が変わっていて、、、
吸血鬼の「タケシ」と「土屋」が、理不尽な犯罪で突然命を奪われ、死にきれず魔物として生まれ変わった人(魔物)たちと復讐に燃える展開となっており、人魚やフランケンシュタイン、狼男、ゾンビ、河童が登場します。
ハチャメチャ度は相変わらずですが、男女や親子の愛情等を絡めて切なさや哀しさも感じられる作品に仕上がっており、感情移入できやすい内容でしたね。
『東京湾の人魚』は、両足を鎖で縛られ東京湾に投げ込まれ殺害された「浅利志穂」が人魚となって生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
元バンドの仲間で恋人の「キシダ」が「志穂」のことを思い、プロデューサーの「クサカリ」を脅したことが仇になるとは皮肉なものですね。
『井の頭線のフランケンシュタイン』は、電車のホームから突き落とされ殺害された「山崎英男」がフランケンシュタインとして生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
憧れていた女子高生を守りたいと思う純粋な気持ちは報われなかったですね。
『新宿二丁目の狼男』は、未明の公園で金属バットや石で殴りつけられて殺害された「宮崎和樹」が狼男となって生まれ変わり、殺人犯を探し復讐を果たす物語、、、
犯人はゲイの仲間かと思われましたが… 「和樹」がゲイだということを知り、家族を守ろうとした最も身近な人物でしたね。
『築地卸売市場のゾンビ』と『六本木ヒルズの天使』は、六本木ヒルズに住む連続殺人鬼「アマノ(天野純平)」に殺められ、ゾンビとして生まれ変わって築地卸売市場で働く人々が「アマノ」に復讐する物語、、、
ソンビ達の復讐は失敗に終わりますが、老富豪「小林芙紗子」の復讐に協力したことを機会に「アマノ」は生きる気力を失い、「タケシ」と「土屋」によって復讐が果たされます… マザコンっぽい性癖は、ちょっと理解できないな。
『浅草花やしきの河童』は、父親によるDVが原因で水死した少年「村田温志」が河童となって生まれ変わり、家族の愛を取り戻そうとする物語、、、
哀しいけど、感動的な物語に仕上がっていましたね。
復讐屋が癒し屋になるエンディングは、心が温かくなる感じがして良かったな、、、
続篇は、もうなさそう… ちょっと残念です。 -
Posted by ブクログ
最近、堅めの作品が続いていたので、少し軽め(堅めの逆だから柔らかめ… かな)の作品を読みたくなり「木下半太」の『美女と魔物のバッティングセンター(原題:東京バッティングセンター)』を読みました。
「木下半太」作品は、昨年の11月に読んだ『悪夢の六号室』以来です。
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自分のことを「吾輩」と呼ぶ、「金城武」似のイケメンホスト「タケシ」は、人の世に紛れる吸血鬼。
ある日、歌舞伎町のバッティングセンターで復讐屋を営む美女「雪美」と出会ったことで、彼女の片棒を担がされることに。
二人のもとを、常識はずれの依頼者が次々やってきては無理難題を吹っかけていく。
無欲で律儀で人間臭い"吸血鬼”のタケシは、体当たりで使命を全うしようとするが……。
笑って泣けて、意外な結末に驚かされる、コメディサスペンス。
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魔物シリーズの第一弾作品で、以下の4話が連作短篇として収録されています。
■第一話 新宿バッティングセンター
■第二話 三軒茶屋バッティングセンター
■第三話 明治神宮外苑打撃練習場
■第四話 銀座バッティングセンター
■解説 温水ゆかり
吸血鬼で「金城武」似に美容整形した「タケシ」と、雪女で「ナタリー・ポートマン」似の美女「雪美」の妖怪コンビと、読心術と催眠術を使いこなすアウトロー弁護士で「ジャック・ニコルソン」似の「土屋」の三人がバッティングセンター好きの復讐屋(便利屋?)として活躍、、、
その三人に加え、元神奈川の暴走族で一匹狼のホスト「聖矢」、吸血鬼を狙う神出鬼没のドラキュラハンター・おかめ顔で関西弁の「板東英子」等を中心に展開… 悪夢シリーズよりも更にハチャメチャ度が高い作品でしたね。
『新宿バッティングセンター』は、ホストクラブ「ラストサムライ」の新人ホスト「タケシ」は、ナンバーワンホスト「小次郎」を刺した「雪美」から復讐屋コンビの結成をもちかけられる物語、、、
最初の仕事として、キャバクラ「ナイアガラ」の店長「宇野」に正義の鉄槌を下します。
その後も、、、
『三軒茶屋バッティングセンター』では、「劇団チームKGB」を潰すことを依頼され、「タケシ」は「劇団チームKGB」の劇団員となりドタバタ野外公演を決行、
『明治神宮外苑打撃練習場』では、おしゃれカフェ「ドクロカフェ」の立て直しを依頼され、「タケシ」はやとわれ店長となり「貧乏神」と大乱闘を繰り広げ、
『銀座バッティングセンター』では、売れっ子ホラー作家「荒木昇太」の娘「温子」から、母親の「志保」が十五年前に駅のホームで転落死した事件の真相を探ることを依頼され、「タケシ」は作家の運転手となり捜査を進める、、、
そして、エンディングでは、「板東英子」が「タケシ」を狙う理由や、「タケシ」が吸血鬼になった理由等が明かされます… 衝撃的な結末でしたね。
最後まで読んで、本書の冒頭で紹介される歌舞伎町での通り魔事件の意味が、ようやくわかりました。
続篇も読みたいですね。 -
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「木下半太」の『悪夢の六号室』を読みました。
『純喫茶探偵は死体がお好き』、『暴走家族は回り続ける』、『悪夢のクローゼット』、『悪夢の身代金』に続き「木下半太」作品です。
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海沿いの「ハートブレイク・モーテル」は最高潮に緊迫していた。
5号室では、父の愛人「琴音」と2億円を持ち出した暴力団組長の息子「森福隆」が追手に見つかり、6号室では、殺し屋の「内川」が浮気男「町田敬助」を裸にしてベッドに磔にし、ちょんぎる準備万全。
別々に見える二組を、何者かが底なしの窮地に引きずりこむ……。
裏切りの連続がまさかの結末へ導く超震撼サスペンス!
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『悪夢の身代金』に続き悪夢シリーズ… 悪夢シリーズの第九弾作品です。
■第一章 五号室と六号室
■第二章 女と女と金庫の中
■第三章 女たちの逆襲
ハチャメチャな展開が本シリーズの持味ですが、ちょっと強引過ぎる感じがしました、、、
愉しめて、一気に読めましたが… これまでの作品に比べると、少し物足りない感じがしましたね。
暴力団組長の愛人「琴音」については、最初から怪しいなぁ… と思ってはいましたが、まさかまさかの大どんでん返しで、驚きの結末、、、
悪人は消え去り、離婚寸前だった夫婦の間に幸せが訪れるエンディングは、一見、美しく感じるけど、そこに至るまでの大きな犠牲を考えると複雑です。
エンターテイメントとして割り切るしかないかな。
殺し屋「内川」のキャラが気に入りました… また登場して欲しいですね。
『悪夢のエレベーター』以降、本シリーズで何回か登場しているオカマの「マッキー」が間接的に登場… ちょっと嬉しかったです。 -
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「木下半太」の『暴走家族は回り続ける』を読みました。
『純喫茶探偵は死体がお好き』に続き「木下半太」作品です。
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”暴走家族” 「斧田」家の家族旅行は、史上最悪にして最凶の悲劇の幕開けだった――。
「浮気相手に失恋したオトン慰安のため」、家族旅行に出発した「斧田」家。
酒と女を愛する父、「高槻のマザー・テレサ」と呼ばれる母、20歳でバツ3の長女、17歳でヤリたい盛りの長男、なぜか同行する美人巨乳家庭教師―各々の思惑が絡み合った時、一家の運命は予想外の暴走を始める。
鬼才「木下半太」が描く、濃すぎる家族の愛憎と爆走!
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本作品も『純喫茶探偵は死体がお好き』に続き、人気シリーズの悪夢シリーズとは異なる単独モノです。
■Introduction 若者のすべて
■Chapter1 愛の自爆装置
■Chapter2 おだやかな暮らし
■Chapter3 目を閉じておいでよ
■Chapter4 空も飛べるはず
■Chapter5 また逢う日まで
■Chapter6 だいすき
■Chapter7 守ってあげたい
■Chapter8 C調言葉に御用心
■Outro 家族の風景
近所では”暴走家族”と呼ばれている「斧田」家、、、
「浮気相手に失恋したオトン慰安のため、茨城にある日本一のスベリ台を滑りにいく」という理由で家族旅行に出発しますが、参加者は、それぞれ別な目的(自殺、復讐… )を持っていた… という展開。
個性豊か(ハチャメチャ)な登場人物が、本作品でも大活躍、、、
○芦屋の不動産王を父に持ち、酒と女をこよなく愛する父「元気」、
○慎ましく暮らし、ボランティア活動に熱心で、高槻のマザーテレサと呼ばれる母「千里」、
○21歳にして離婚経験3回、結婚ジャンキーの長女「指子」、
○17歳でヤリたい盛りの長男「歩」、
○「歩」の家庭教師で、「斧田」家の家族旅行に同行させられた、ハーフで美女で巨乳の「ハンナ」、
○「指子」の3回目の結婚相手で、未だに「指子」のことを愛しているチンピラで覚醒剤中毒の「車田」、
この濃いキャラクターたちが裏の顔(目的)を持っており、この旅を利用して、それぞれの目的を達成しようとしますが、予想外の交通事故から、想定外の展開へ発展して行きます。
その様子が、この六人の視点で描かれていますが、、、
場面がテンポ良く切り替わり、怒涛の勢いでエンディングまで一気に読ませる面白さは、悪夢シリーズを彷彿させる展開でしたね。
「斧田」家+「ハンナ」の濃すぎる愛憎が、事故や事件、勘違い等を契機に変化して… 幸せな家族生活(三人ですが… )が訪れるエンディングも、なかなか良かったです。
このハチャメチャな展開を、良くまとめたなぁ… って感じ。
面白くて、一気に読めて… 初めて読んだ「木下半太」作品の『悪夢のエレベーター』を読んだ時のことを思い出しました。
各章(Chapter)が曲名になっているところも興味深く感じました、、、
「チャラ」、「バービーボーイズ」、「スピッツ」、「尾崎紀世彦」、「ユーミン」、「サザンオールスターズ」等々… 懐かしいアーチストたちの曲が並んでいましたね。
ちなみに、、、
本作品、文庫化の際に改題されており、原題は『ギザギザ家族』というタイトルだったようです。 -
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「木下半太」の『純喫茶探偵は死体がお好き』を読みました。
「木下半太」作品は昨年の11月に読んだ『悪夢の商店街』以来です。
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元刑事の「真子」は、柔道は黒帯だけど恋愛は白帯。
一目惚れした純喫茶のマスターの傍にいたくてアルバイトに入ったのに、近くの中学で起きた女教師殺人事件を調べる羽目に。
しかも追い詰めた犯人は、何者かに横奪され、気づけば「真子」たちは、鎌倉時代から続く壮大なお家騒動に巻き込まれていた。
火の海と血の海を見るバイオレンス・サスペンス。
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人気シリーズの悪夢シリーズとは異なる単独モノ… 悪夢シリーズ以外は、初めて読みました。
■プロローグ
■第一章 純喫茶探偵 大星真子
■第二章 殺人者 山倉信男
■第三章 愛妻家 水野雅史
■第四章 殺人者 山倉信男Ⅱ
■第五章 超能力者 梶原ツヨシ
■第六章 純喫茶探偵 大星真子Ⅱ
■エピローグ
近所の中学校で発生した女教師失踪事件(殺害事件)に協力することになった「大星真子」が、バイト先の純喫茶「デスティニー」のマスター「梶原ツヨシ」や、その娘「キリコ」、「キリコ」彼氏の「時任旬介」等と大事件に巻き込まれる物語です。
現実離れしたハチャメチャな展開と、一気に読ませるスピード感は、さすが「木下半太」作品… という印象ですが、荒唐無稽でちょっと発散気味の展開なので、好き/嫌いがはっきり分かれる作品でしょうね。
敵対する「桃山」家と「猿渡」家に関する人物、鬼として描かれている「杏理」や「愛子」、「山倉信男」等、登場人物が多いのですが、、、
一人ひとりが個性豊かに描かれているので、混同することはなかったし、この混沌とした人間関係を巧く描いているところに「木下半太」作品らしさを感じました。
元刑事で柔道黒帯の「真子」の強さと、「ツヨシ」の予見能力(超能力)で、事件を収束に導き、純喫茶探偵として再出発するエンディングは良かったですが、、、
二人が結ばれるところは、ちょっと出来過ぎな感じがしましたね。
シリーズ化しても面白そうです。
ちなみに、、、
本作品、携帯サイトでの連載中は『純喫茶探偵・赤星マキ』というタイトルだったようです。