川原泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「農業」や「森」といった植物に関連する作品を多く収めた短編集。
収録作品全てが面白いからすごい。
「架空の森」という作品に出てくるおしゃべり少年・御門織戸のおしゃべりが、川原作品らしい言葉の面白さに満ち溢れていて楽しい。
なんか川原さんのデフォルメの使い方って独特だなーと思った。
普通キャラクターをデフォルメして描くのはギャグの場面がほとんどだったりするのだろうが、川原作品では、作品中で最も盛り上がる場面でも容赦なくキャラクターがデフォルメ化されている。
この本で言うと、「大地の貴族」の牛に乗ってヒロインを救いにパーティー会場へ乗り込む場面や「森には真理が落ちている」の恋が成就する瞬間とか・ -
Posted by ブクログ
泣くしかないでしょう、これは……。
本編の最後に収められている、和音・柚子・史緒それぞれのお話。
和音さんのはそうでもないんだけど、柚子さんと史緒さんのお話が、泣けて泣けて……。
確か、川原さんのエッセイに収められているインタビューで、川原さんは本当なのか嘘なのか、笑う大天使は実は最後の3つの短編を書くために作られた、「前フリ」だったというようなことを言っておられました。
「いきなりあれを書いても訳がわからないから、本編を書いた」と。
長い前フリだけど、確かにあのドタバタがあるからあとの短編がジンとくるんだよなぁ。
最後の最後、この3人がその後どうなったかを文で書いてあるんだけど、それがまたな