岡崎京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初単行本化だそうで。あー、間違いなく岡崎京子だなぁ、と思った。そうですねー、幸せの薄っぺらさっていうのですかね。幸せというあやふやなもの(ある種の幻想)が薄氷の上に浮いているさまから始まり、そこからゆるやかに美しく堕ちていく、壊れていく、散っていく。そんなさまを描く。でもね、ただ単に堕ちていった先は地獄かというと、そうでもないよ、捨てたもんじゃないよっていう。ここまで込みで、それが岡崎京子なんだと思うのです。(06/11/25)
何とも中途半端感はあるのだけど、それでも岡崎京子は岡崎京子であって。陳腐で凡庸であることから立ち昇る何かしら。お母さんの立ち位置ってのが、この作品ではいまいち謎。なん -
購入済み
短編
「万事快調」
なんかちょっと向田邦子っぽさを感じる作品でした。
ちゃんと完結したものを読みたかったです。
他に「恋愛依存症」「ロシアの山」「お散歩」収録。 -
Posted by ブクログ
高原英理さんの『ゴシックハート』で本作について書かれていましたが、興味深い内容であったことを思い出します。「美貌」に囚われる女性たちと、りりこの妹であるちかこの「差異」がやはり好きです。
しかしまぁ、こりゃあ壮絶ですわ。すごい話を書くよなあ。読後は、えも言われぬモヤモヤというか、蟠りが残ります。なんとも言葉にできない…。高原さんの解説を読み直してみることにしましょう。
ただ、読んでいる時に一つ感じたのは、「なんか太宰の『人間失格』みたいだな」ということでした。なぜ、『人間失格』が出てきたのか。りりこは「人間失格」だとでも言うのでしょうか? 分かりません。けれど、不思議とこの二作は、似ているよ