岡崎京子のレビュー一覧
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血まみれ白雪姫 in 20th century。
pink はお姫さまの好きな色。
お姫さまのしあわせの色。
やさしかったお母さんの爪の色。
経血と精液が混じりあう色。
働き者のお姫さまは売春します。
「お金でこんなキレイなもんが買えるんなら
あたしはいくらでも働くんだ。
よし! 明日もがんばるぞ!」
どんなにつらいことがあっても
お姫さまはくじけません。
「それは頭が悪いせいと
目の前の事しか考えないから」
考えないのは
考えたくないから。
考えたくないのは
考えたら壊れるから。
昔のひとも言っています。
『自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、
その犠牲としてみんなこの淋しみを
味はわなくてはならないでせう』
どうかお姫さまを責めないでください。
意地悪な継母も無力な王子さまも
みんなゆるしてあげてください。
彼らはすでに罰を受けているのです。
「すべての仕事は売春である。」
愛と資本主義のおとぎばなしでした。 -
Posted by ブクログ
原作小説の漫画翻訳として、時間の節約に便利。また、ヴィアニスムによるスラップスティックを丁寧に漫画翻訳、画化しているので原作の文章を読んでうまく想像できなかったとき漫画イメージで補完するのに裏切りが少なく良いとおもいます。
カクテルピアノ→ターンテーブルカクテルの翻訳は…賛否あると思いますが漫画表現としてはありだし、上手いと思いますがもとのアイデアが素晴らしすぎるので、カクテルピアノが作動する場面だけを16ページくらいでニュー土木の人とかに描いて欲しいな。
岡崎京子の漫画としては、とても丁寧に線が描かれていてコマ割りも良く考えられていて、へルタースケルターあたりと比較すると岡崎京子の持ち味である雑とも取られるスピード感がグッと抑えられ原作の空気感を丁寧に描き映されてるのを感じられ、リスペクトフルな超ナイスカバーって感じです。
キューティー連載時はたしか黒インクだったと思うんですが青インクでの印刷などフランス装を思わせる装丁もグッジョブです(野島卓司さん) -
Posted by ブクログ
私は濃いピンク色のルイヴィトンのヴェルニの二つ折りのお財布を使っている。
お母さんが韓国旅行のお土産で買ってきてくれたお財布で、最初は気に入らずに仕方なく使っていたけれど、友人にはなかなか好評で、色をほめられているうちにそれなりに気に入った。
でも、かれこれ三年もそのお財布を使っていて、飽きちゃったのだ。次に欲しいのはクロエのリリィの長財布。うすいピンク色で、リボンモチーフにはたっぷりのビジューがついている。とびきりかわいくて、それを持っている自分を思い浮かべただけでうっとりする。値段はだいたい7万くらい。びっくりするくらい少ないお給料しかもらっていない新社会人の私には、ちょっと手が出ない。
ユミちゃんだったら、きっと手にいれている。知らないおじさんと寝たお金で。私だってその気になれば、ホテトル嬢になってクロエの財布を買うことはできるんだろう。そうしないのは、なぜ?たぶん、シアワセを恐れているからだ。ユミちゃんは言う。「シアワセなんて当然じゃない?」。
夜はホテトルやって、昼間は変わり映えのしないB定食みたいなOL。それらを繋ぐのは、なんでも食べる強いワニ。シアワセを恐れる私は、手に入れられないものを我慢して、そうして自分を積み上げていくけど、ユミちゃんは違う。我慢もしないし、積み上げるべきものを食べるワニがいるからだ。「欲しいものを手にいれる」という至極シンプルなシアワセを突き進むユミちゃんが、なくしてきたいくつものものも、ワニが食べてくれる。 -
Posted by ブクログ
雑誌での連載終了後、未刊行だった為――
それは作者自身の加筆訂正が不可能だったから、
というのが最大の要因らしい――
読者の要望が高まって「世紀を跨いだ単行本化」と相成った、
とか。
掲載誌未読なので、全く初めて読みましたが、いや、これは凄い。
『エンド・オブ・ザ・ワールド』
『私は貴兄(あなた)のオモチャなの』『リバーズ・エッジ』等々
で描かれて来た「加速する欲望」が、更に過剰に、
グロテスクに表現されていて、読んでて気分が悪くなるほど。
しかし、この作品全体を覆っている不気味さは、
多くの女性に取っての強迫観念がデフォルメされたもの――
殆ど誰にでも、少しぐらい、
薄っすらとでも身につまされる部分があるんじゃないか?――
なので(そういう意味では80年代の傑作『Pink』の系譜に連なると
言ってもいいのかも)、
男性の読者にはどういう風に受け取られるのか、
ちょっと気になる。
って言うか、是非、意見を聞いてみたい(笑)。
でも、古き良きホラー漫画へのオマージュっぽい部分もあって、
思わず、うぷっ、と笑ってしまった。
楳図かずお『洗礼』とか高階良子『地獄でメスが光る』とか。
……そう、この作品は、ぶっちゃけ「ホラー」だと私は思うのだ。
自分の中に得体の知れないモンスターを飼っている女の子が、
結局“それ”を制御出来なくなって
内側から食い荒らされてしまう、といったような。
それから、ヒロインと精神的な意味で対角線上に位置する男性、
麻田検事のキャラがヨイ。
この人は予め、実にあっけらかんとコワレテいるが、
そのことを見事なまでに覆い隠して自分自身すらも欺いている、
といった風情で、いい味出してます。
好き。
因みに、タイトル helter-skelter には
「(遊園地などの)螺旋形滑り台」という意味があって、
くるくる目を回しながら落下する感じ=ヒロインの心理を
表している模様。