岡崎京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岡崎京子いわく「愛したいけれど愛せない人達の生活」。
夜逃げした林家三太、彼が転がり込んだ先の桜田兄妹が動き回る物語。三太を捨てた六歳上のOL、その結婚。桜田兄を捨て金持ちと結婚した山口桃枝が起こす三太の自動車事故、あるいは妊娠。過去から連なる桜井妹の偏質的な兄への愛、暴走。
軽快な人間関係を築きながら不自由だったり。
適当なのに真面目だったり。
悩んでいないのに悩んでいたり。
どうでもいいのにこだわっていたり。
全ての登場人物の視線が交差しない、その軌跡が造り出す液状の体積を孕んだ言説空間。ふわふわでぱさぱさでスカスカな。
他人と上手く接続できないことで白昼夢になる日常。
しかしその痛 -
Posted by ブクログ
マンガ二冊目。
岡崎京子の本を何冊かまとめ買いしたうちの一冊です。
タイトルからしてヤバメって言えばヤバメ。コドモには見せらんないかもしれない。
四つの話が入っていますが、全てに共通するのは『愛と暴力』その事をきちんと説明できる人はコドモに見せてもいいかも。私にはできないけど。
実際にこの本に出てくるような話があったりはしないだろうなぁと思いつつ、もしかドッカにこういう人たちがいそうだなぁとヘンに現実的な話ばかりです。
こんな人たちに巻き込まれるのはゴメンだけれど、自分がその中心にいるのなら最高に楽しいだろうなと思う。どこか歪んだ愛情の持ち方をしているけれど、自分の中では真 -
Posted by ブクログ
これはここ最近の岡崎京子の絶版になっていた作品の復刻もの
他に「チワワちゃん」「ヘテロセクシャル」等がある
ピンクやロックの頃の作風を前期、リバーズエッジやヘルタースケルターのころを後期 とするなら、これは両方の作風が混在していて過渡期だったんだなという感じだ。あとがきで作者は「愛することができない人たちを描いた」と言っているが、後期のような ある種グロテスクな凄みのある表現ってのはないし、なんというか・・・若者特有のメンタル面での強さを 肯定するような岡崎京子の姿勢もまだこの段階では弱い気がする。かといって遺作(と言うと怒る人もいるかも知らんが)の「UNTITLED」のような、一回りし