あらすじ
若者の愛や夢をみずみずしく描き出す、岡崎京子の傑作短編集がファン待望の電子書籍化! 三人の姉弟の生き方をリンクさせつつ見事に紡ぎ上げた連作『万事快調』(三編)ほか、痛々しい愛の形を描いた『恋愛依存症』(三編)、『ロシアの山』、『お散歩』を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
姉弟三人の話をそれぞれの立場から描いた短編『万事快調』と、『ロシアの山』『恋愛依存症』など諸々の短編。
うつくしく、そして心に突き刺すようなリアル。
事故直前の作品をばらばらに詰めてあるので寄せ集め感はあるものの、岡崎京子の漫画のエッセンスが濃密に詰まっていると思う。
Posted by ブクログ
気付かないフリをしておきたい、そうすればぜんぜん平気。そう思っているはずの些細な感情の揺れ・痛みを、目の前に突きつけられた感じがした。そういうことをリアルって呼ぶんだろうか? 過ぎていく日常の中に、リアルはたくさん詰まっているのだなあと思った。生きるために、私たちはどれだけのリアルを黙殺してきたんだろうと思った。
Posted by ブクログ
岡崎さんの漫画の話になると、「リバーズ・エッジ」や「ヘルタースケルター」がよく出てくるけれど、私はわりにこの作品が好きです。オムニバス集です。いくつかの話は各登場人物ごとにフォーカスされています。
「カトゥーンズ」なんてモロそのタイプですね。岡崎さんならではだと思います。
さっきまで主人公だったキャラクターが最後にすれ違ったぜんぜん関係無い人にお話が続いていく、そういうのがなんか好きで。
・・・・UNTITLEDの話じゃなくなりましたね。まあ、岡崎モノに惹かれるのです。あの事故のことはどうにも言葉に出来ないけれど、それでも私は岡崎さんが何かしらの形で「発する」事をいつまでもいつまでもいつまでも待ち続けるのです。
Posted by ブクログ
短編のオムニバス。「万事快調」は、3人兄弟のそれぞれの視点から一話ずつ分けて構成されている作品で、これはとても良く出来ている。こういう、ある話しでは脇役だった人間が他の話しでは主役になる、という構成はすごく好きで、それが上手く作られているこういう作品は感心してしまう。
「でもその時ぼくちん少しさみしかったんだよ
吉岡とはその後めんどくさいことになったけどここでは言わないよ
超ダサの話だもん
小学校の時ならいじめてた女にこんなメにあわせられるなんて オレも落ちたもんでした」(p.118)
短編
「万事快調」
なんかちょっと向田邦子っぽさを感じる作品でした。
ちゃんと完結したものを読みたかったです。
他に「恋愛依存症」「ロシアの山」「お散歩」収録。
Posted by ブクログ
「万事快調」「恋愛依存症」「ロシアの山」「お散歩」を未定稿のまま収録。
相変わらず分かりにくいけどなんか捨て置けない岡崎京子の世界。
万事快調はこれで完結しているのかしら?もうちょっと続きが読みたいなぁ。