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いくら追い求めても、美への欲望には果てがない。私達は美しくなりたいというだけでなく「美しいものを見ていたい」という欲望も併せ持っている。
主人公のりりこもその一人。大人気モデルの彼女の身体はほとんどが無理な全身整形によるものだった。やがて整形の副作用により精神を蝕まれたりりこを中心に、美に憑かれた人々は大きな事件を巻き起こす。
ストーリーだけでなく、各所にちらばる幻想的な隠喩も見所だ。例えばりりこの夢の中に、現実世界でりりこを追う麻田検事が登場し「ぼくときみは前世である神父の同じ帽子の羽だった」と声をかける。そしてラスト、麻田は空から降った鳥の羽を見上げて手をかざす。これは2人がまた再び出会う運命にあることの暗示である(と勝手に解釈している)。
『ヘルタースケルター』は未完だが、「未完の完成作」でもある。この世に美への欲望が溢れる限り、物語は続くだろう。
Posted by ブクログ 2023年11月25日
著者の方は亡くなっている。沢尻エリカさんが、主演された映画。
随分前の作品だが、忘れられずにいる。
美は遷ろいやすく儚い。
私達は理想を思い描く。だけど、それは何に根ざしたものなのかを考えるべきだろう。優越感と劣等感の間で揺れ動きはしなかったか?拠り所のないもの、移ろいゆくものに頼ると地獄を見...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月15日
手元に置いておきたくなる一冊。
ここではないどこかを見ながら、ニヘラと笑ったりりこの表情に何度も背筋がゾクッとなった。
根底にある、消費されるものとしての美しさや女性性を描いてる感じも筋が通ってて痺れる。
読後にふと気になってタイガーリリーの花言葉を調べてみたら「鮮やかな場面」「誇らしい」「私を愛し...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月22日
これは持てるものと持たざるものの話だ。
一世を風靡するスーパーモデルりりこは全身整形の秘密を持ち、カメラの前では視聴者の理想通りの偶像を演じるが、ひとたびプライベートになれば付き人を性的に虐待し周囲に当たり散らすタチの悪い女。
何故彼女がそうなったのかがストーリーの進行と同時に紐解かれていくのだが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月24日
昔から超有名な作品だし、その存在はずっと前から知っていたのだが、本当に怖そうでスルーしていた岡崎京子の「ヘルタースケルター」。
感想が言葉にならんなあ。ただ、まとわりつくような、すっげえイヤな気持ちになったのは間違いない。
じゃあ読まない方がいいのかといえば、そんなことは全然なくて絶対読んだ方がいい...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月25日
岡崎京子が描く女の子はいつだってリアルだ。
「自然体で」「私らしく」「ありのままで」なんて、最近よく聞く耳ざわりのいい、でもどこか空虚なコトバも、岡崎京子にかかれば一刀両断だ。
「バーカ!! なわけねーだろ!!」
「あたしがどんな思いで 今の体重をキープしてるか」
「お腹すかせて目が冴えて眠れなく...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月25日
映画を観て、それから漫画へ。
読んでいるといかに映画が漫画を忠実に再現していたかが分かる。リスペクトを持っていたんだなぁ、と。
りり子は本当にかわいそうな、かわいい子。
作られた美しさはいつの間にか形を失う。悲しいけど。
でも美しくしさを持って生まれなかった人間はそれを欲しがるし、美に対してとても...続きを読む
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