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Posted by ブクログ
社会学・政治学的にも重要な作品ということで知人から勧められて読みました。
現代に充満している不安や閉塞感を鋭敏な観察眼で捉えて、描き出していて、見ていて辛いのだけど目が離せない作品でした。
この作品には、悪人も狂人も出て来ませんし、戦争もなく、社会は落ち着いています。それなのに、みんな確かに苦しんでいる。私たちは、なにと戦っているのでしょうか。
「平坦な戦場で僕らが生き延びること」
この言葉を作り出すまでに、作者の岡崎さんはどれほど苦悩したのでしょう。この一節に、私たちの苦悩が詰まっている気がしました。
私たち一人一人を救ってくれる、偉大な作品に出会えました。
Posted by ブクログ
"平坦な戦場"ってものすごくしっくりくる言葉だな。
学校でくだらないお喋りをして、なんとなく恋人を作ってみる。平坦な毎日だけど、毎日が戦い。
生き延びるために、何かを探したくて死体を宝物にしたり。
ギリギリのところで保たれてた何かがふいにぷつっとキレる瞬間が恐ろしかった。それもいつか忘れてなかったことになるけど、戦いは終わらない。
登場人物みんなの心情が描かれていて、誰かしら、または全員に共感できるはず。
読後の気持ちは重い。そしてうまく言えないけど、岡崎京子さんの作品を読んだ後の、漫画の登場人物たちはどこかで生きていて、わたし自身も間違いなく今戦いながら生きているんだと思えるこの感覚が好き。
(わけわからない感想でごめんなさい)
Posted by ブクログ
作中の彼・彼女達は河のすぐ傍にある空き地に転がった一人の死骸を通してのみ繋がっている。死という圧倒的なリアリティの前で、彼・彼女達は自分たちの生ですら造り物、紛い物と錯覚してしまう。虐められっ子の山田は、ガールフレンドと共に水族館へと足を運ぶが、そこで彼は、人工的に取り繕われたこの空間をひどく奇形的と感じ、そして自分の生き方もこの牢獄に囚われた大勢の魚達とほとんど同じであることに気が付く。日常という、生活の恒常性を保つために作られた人工的な空間の中で、もはや彼は生を実感することができない。そして彼は、深いプールの中を泳ぎ切った後に息継ぎするように、その死骸の元へと足を運びつづける。
彼・彼女達の日常は、死骸が失われてから急激に崩壊していく。彼・彼女達の会話は、彼女達の本質を露わにするどころか、まるで筋違いの道案内をしてしまうように、間違った認識へとお互いをいざない、そしてその軋轢が閾値を超えたとき、お互い傷つけ合いはじめる。
この生活空間をいくら飾っても、自然を排除しようしても、私たちと私たちの心は結局のところ自然そのものであり、ある時突然、私たちと私たちの心は無意識のうちに日常にすっぽりと穴を穿ち、お互いを滅ぼし合い始める。そんな危うさを、岡崎京子は私たちに伝えたかったのかもしれないのだな、と思った。
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少女・女性マンガ
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