平井正穂のレビュー一覧

  • ロビンソン・クルーソー 下

    Posted by ブクログ

    有名作品で他多くの人のお勧め記事も見るが、実際には読んだことがなかった。夏の読書に良いかなと思って、初めて読んでみる。
    「不幸に見まわれ、無人島に漂流するがなんとか帰ってくる話」かと思っていたら、冒険心あふれる主人公が何度も難破しかけそれでも、船を止めず、ついに無人島にや、上巻ではもう無人島から帰ってきて下巻は61歳になっているなど大分印象が違ったな。
    また、子供向けかと思っていたら、人喰い蛮族との殺し合い、宗教心など読みづらくはないが、重めの内容。

    中国からロシアにいくつもの砂漠を越え行くなど冒険心は掻き立てられる。昔に人の「深夜特急」的読み物なのかなとか思った。

    一方、海外文学の読みづ

    0
    2016年08月21日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    ユートピア(どこにも存在しない、という意味)という名前の国家に滞在した人物からその国家の全貌が語られる物語。全体的に、国家としての特徴・社会について纏められた本となっているので、物語性を求める人には向いていないかも。
    ただし、所謂ディストピア小説を好む方には一度は読んでもらいたい内容となっている。
    理想郷=汚れ(戦争・奴隷)が無い世界?
    財産(金銀財宝)についての価値観はどうなる??
    など、疑問を抱きながらページをめくれる一冊となっている。

    0
    2016年05月07日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    『ロビンソン・クルーソー』の著者、ダニエル・デフォーの小説。

    ペスト菌が発見される200年以上も前の時代、致死率の高い疫病がどこからやってくるのかもわからない状況で、人々がパンデミックに対してどのような行動に出たか・・・1665年ロンドンのペストの年がリアルに描かれている。

    フィクションとは言いつつも、貴重な記録ともいえるこの小説は非常に興味深い内容ではあるものの、いわゆる終息期にペストの毒性が弱くなり自然治癒すること以外に救われることのない状況というのが、読み手に重く圧し掛かりすっきりしない、ということから評価は★3つとしました。

    0
    2015年06月20日
  • ガリヴァー旅行記

    Posted by ブクログ

    単なるおとぎ話ではなく、当時の自国(イギリス)や、人間一般への風刺が込められている。特に、一番最後の章。

    江戸時代の日本もちらっと出てきて、やはり踏絵は問題のようだ。

    0
    2015年05月03日
  • ガリヴァー旅行記

    Posted by ブクログ

    17世紀英国、ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。小人の国と巨人の国の話のみ、童話として知られている話だが、読んでみるとなかなか、時代を下っていても人間という現象の中に普遍的に潜む業のようなものが、子気味よく描かれていて、考えさせられもし、なかなか楽しかった。
     ガリバーのバイタリティーに驚かされるが、英国紳士という背景から、道徳的に筋の通った現実主義者で、力のある立場でも、弱い立場でも信条は変わらない。風刺小説でありながらも、これだけ読まれ続けるのは、そのいやらしさがナマナマしくもあるけれど、想像力豊かに彩のある表現の衣をまとっているから、物語然としながらもちくりと刺さる、空想だと断じきれ

    0
    2014年07月12日
  • ガリヴァー旅行記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かの有名なガリヴァー旅行記、ただし、子供の頃読んでいた巨人のほのぼのとした話ではない。

    人間に対して非常に皮肉が効いた作品であった。
    著者がどんどん狂っていくのがわかるのが怖い・・・

    また、ガリヴァー旅行記というと、小人の国に漂流して自分が巨人化したという話しか読む前までは思っていなかったが、逆のパターンもあり、巨人の国に漂流し、自分が小人化したという話。

    さらに、なんとあの「天空の城ラピュタ」のモデルも収録されている!
    1700年代に原作があったとは知らなかった・・・

    最後は馬の国で、著者が完全に狂う。

    0
    2013年02月13日
  • ロミオとジューリエット

    Posted by ブクログ

    翻訳の悲しさ、というよりある文化で培われた本をその文化の言語で触れることができない悲しさというものは想像を絶する。英語くらいだったらそれなりの程度には読むこともできるかもしれないけれど、シェイクスピアの時代の英語はもう無理。岩波は相変わらずお堅いけれど信頼のおける翻訳。

    0
    2012年06月22日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    理想郷の代名詞のように言われるユートピアだが、実際に読んでみると、何だか無味乾燥というか、禁欲的な堅苦しい世界のようだ。おそらく、モアの生きた時代のイギリスにおける多くの人、特に、本書の最初の方に出てくるが、エンクロージャーによって生計の途を失った農民などの悲惨な境遇という現実の前では、ユートピアは理想郷であるのだろうし、現代の日本人が心から共感することは難しいのかもしれない。それでも、あの時代にあって、キリスト教を相対化して、その布教上の問題をやんわりと批判していたりして、時代に先駆けた思想の持ち主の著作として、現代でもなお読みつがれる意義も感じられた。

    0
    2012年05月22日
  • ガリヴァー旅行記

    Posted by ブクログ

    スウィフト。風刺小説。巨人の国と小人の国の物語は児童向きであり、残りの章、特に最終章においては人間社会に対する痛烈な批判が展開されており、作者がかなりの変人で人間嫌いであることが強烈にうかがわれる。旅が人間の視野を広げ、物の考え方を根底から覆すというのは古今東西これすなわち真であろう。

    0
    2012年03月11日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    ユートピア トマスモア 岩波新書 

    トマスモアの矛盾は神を一人として信じていながらも
    自然と言う多様性にも心をゆだねている事に気付いていない所にあるようだ
    このユートピアに書き込まれている彼の理想的なこの世の天国の秩序が
    法と言う外力による規制と自律による自己管理による調和の
    どちらにも徹底しきれずに淀んでしまっているのも
    この自己矛盾によって起こっているのだと思う

    彼は道徳をもって活きることに活路をみいだしながらも
    だからこそあらゆる場における法に従えと説く
    富や希少価値に依存することを徹底的に嫌いながら
    納得を度外視して神とその法律に従おうとする

    この二面性に対

    0
    2012年03月08日
  • ロミオとジューリエット

    Posted by ブクログ

    シェイクスピアの代表作ともいえる一作です。
    誰もが一度は耳にしたことのある作品でしょう。
    いがみ合う両家の間に生まれた若者同士が恋に落ち、
    許されざる愛に悶え苦しみ、
    ついには結ばれぬままの悲劇として幕を閉じるこの話。
    たしかに、
    良作ではあるのですが、
    個人的には一目惚れにも程があるんじゃないか、
    というのが素直な感想です。
    表現も大袈裟ですが、
    舞台劇ともなれば当然なのでしょうか?
    とはいえ、
    一般教養として内容は把握しておくべき作品です。
    余裕のあるときに一度目を通されてはいかがでしょう?

    0
    2012年01月08日
  • ロミオとジューリエット

    Posted by ブクログ

    筋立ては運命に翻弄される恋人二人だがかきかたが喜劇ものと紙一重の差。終盤の展開などギャグに近い。そのギリギリの差がシェイクスピアの腕前なのだろうか。

    0
    2011年12月14日
  • ロビンソン・クルーソー 下

    Posted by ブクログ

    さて,下巻はガリヴァーと同様に,元来の放浪癖から再び航海に出る,という始まり。船長になった甥の船に乗せてもらい,いろいろ物資を積んで再び彼が1人で生き抜いた島に行く。その頃は数人のイギリス人だの,十数人のスペイン人だの,野蛮人だのが住んでいる。この時点では,この島はロビンソン個人の植民地ということになっている。単独生活時代に家を作り,家畜を飼い,農産物を栽培し,とできうるかぎりの文明的生活の礎を築く。その後にこの島に住むようになった人間はすべてそういった彼が築いた物資やノウハウに頼らざるを得ない,というところがこの島が彼個人が統治する植民である所以である。そこでは明らかに奴隷制度が横行している

    0
    2011年11月27日
  • ロビンソン・クルーソー 上

    Posted by ブクログ

    今年度の東京経済大学の「人文地理学」後期では,ヨーロッパにおける旅行記とユートピア文学の歴史を辿る講義をしている。本作も当然その講義に含めるべき作品であるが,岩波文庫版で上下巻800ページにわたるのでなかなか読み始める勇気がなかった。でも,今年度は思い切ってレポートの課題図書に選定したので,読まざるを得なくなって読んだ次第。
    結局,上下巻読むのに3週間ほどかかってしまった。しかも,岩波文庫版では上下巻となっているが,実は上巻と下巻は別の作品であることが判明。上巻を読み終えたところで,あまりにも結末がしっかりしているので,これ以上同じ分量で何を続けるのかと思いきや,続編でしたね。上巻が『ロビンソ

    0
    2011年11月27日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    この本の存在をしったのは今から十年以上前。
    中学生の時にEver After という映画の中で登場した。
    以来十年間。気になり続けた結果やっと読むことができた。



    Utopia

    理想的な国


    そこでは、誰もが平等に、過不足なく、無駄なく、つつましく暮らしている。

    争いもない。


    500年以上前に書かれたユートピア。
    500年たった今でも、どこにも理想郷なんて存在しない。

    500年以上前に書かれたのに、
    私たちは何も変わっていない気がする。

    そんなことを思った。

    0
    2011年11月15日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    なんか想像してた理想郷とは随分かけ離れた国だった。
    平等だけど、自由は無い。
    全員が全員"性善説"な人たちばっかりだったら、このユートピアはさぞかしユートピアだろうと思う。

    0
    2011年07月14日
  • ロミオとジューリエット

    Posted by ブクログ

    舞台は中世イタリアのヴェローナ市。宿敵どうしの名家に生まれた若者が知り合い、恋し合い、結ばれ、そして数日後には無惨な死をむかえる。―この悲劇が今もひとの心をうつのは、愛と死と運命という主題を扱って或る普遍的な、人間的な経験に達しているからであろう。『ウエストサイド物語』は構想をこの作品から得ている

    0
    2011年07月06日
  • ロビンソン・クルーソー 下

    Posted by ブクログ

    上巻よりも物語がテンポよく進んでて、ロビンソンが次々と事件に巻き込まれ(あるいは事件を巻き起こし)てて退屈せずに楽しく読めた
    その時代の人々の宗教に対する考え方や、影響力が読み取れておもしろい。
    カトリックとプロテスタントの違いを乗り越え、互いに尊敬しあったロビンソンと神父のところがすきです

    0
    2011年03月12日
  • ユートピア

    Posted by ブクログ

    今更説明の必要もいらないと思いますが、トマス・モアさんの「僕の考えたいい国」ってな内容です。
    実際にユートピア国に行ってきたラファエルさんが、モアさんに語るという体で書かれています。
    今のイメージで「ユートピア」というと、エデンの園か桃源郷かといった、餓えも苦しみもパンツもないような場所ってイメージですが、実際、本書を読んでみると、そんなこともないんですな。
    奴隷もいれば、死刑制度もある社会。
    ただ、(モアが考える)理想的に社会設計・運営がされているために、諍いや貪欲とは無縁な国なわけです。
    時代背景や歴史的な文脈の中での位置づけなど、全然わかってないので、例によって「ふ~ん」と表層をなめただ

    0
    2010年10月29日
  • ロビンソン・クルーソー 下

    Posted by ブクログ

    上巻よりはちと劣るかな。でもやっぱ魅力的なのは変わらない。

    上巻以上に宗教色が濃く西洋中心主義が甚だしくてレヴィ=ストロースが好きな僕には辛い部分があったけどそこはデフォーのご愛嬌ということで。

    まさか後の「四畳半神話体系」につながることになろうとは…世の中、不思議なつながりばかり。

    0
    2010年09月17日