平井正穂のレビュー一覧

  • ガリヴァー旅行記

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    政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。
    ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他あらゆる悪徳を鮮明に描き出し、最早ラディカルの域を超えて人間そのものを否定するに至るほどです。その背景には、スウィフトの生い立ちが大きく関係しているのは広く知られているところではないでしょうか(リリパットとブレフスキュや、ラピュータとバルニバービの関係が、スウィフトの時代の国際情勢の反映である点等)。
    成人した今だか

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    2013年03月03日
  • ロビンソン・クルーソー 上

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    何度も読み直してる本。

    読書初めには向いてそう。

    冒険したいなーとワクワクさせてくれる、そんな本です。

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    2013年01月07日
  • ユートピア

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    幸福な社会に関する名著
    不幸の起源が理解できる
    人を、社会を「全体幸福」につなげる方法がこの本
    美しい内容

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    2012年03月04日
  • ユートピア

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    ガリバー旅行記と同時期に購入。

    世界史でおなじみトマス・モアのユートピア。

    ぶっちゃけ面白くはない。

    ただ、ヨーロッパ成長過渡期の人々が、良い国家を作ろう、文明を作ろうと奮闘したことを思うとロマンを感じる。
    最後のラファエルおしゃべり氏の「もう黙ろうと思う」に、複雑な気持ちになる。

    おもしろくはなかったけど、たぶん偉大と思われる功績に敬意を表し星いつつ。

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    2012年02月20日
  • ガリヴァー旅行記

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     ページ量が多くて、読もうか止めようか迷いましたが、読んで正解です。ものすごく楽しめました。

     多種多様な登場人物たちですが、思わずこんな人いるいる!といいたくなるような身近な存在に感じられて、とても今から300年近く前に書かれた作品とは思えません。

     屁理屈というのは、身に降りかからない限りにおいては、これほど聞くに楽しいものはありません。もう自分勝手な理屈のオンパレードです。作者の人間観察眼に感服です。

     子供のころに読んだという人も、ぜひ大人になった今読んでみてはいかがでしょうか。きっとうなずくことしきりです。

    『天空の城ラピュタ』にちょっとだけ出てくるラピュタ人の話もあります。

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    2017年08月15日
  • ロビンソン・クルーソー 上

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    これが18世紀に書かれた作品とは…。とってもおもしろかった。

    いろんな縁があって読み始めたこの本だが、僕のメインの意識としては「18世紀、産業革命前のイギリスの人間像を投影した作品」って捉えその人間の行動における合理性だとかキリスト教に注目しようとしたんですが、それ以外の些細な出来事なんかすっごくおもろーい。孤島での生活と後半のヨーロッパでの生活の対比から後者がいかに貨幣、手形、その他もろもろに縛られているのかがより浮き彫りになる。最近買った世界地図帳も役立ったし(つまりクルーソーが漂流した島と思われる場所を発見したりフランスの地理を軽ーくのぞいてみたりと内容理解により役立った)とってもいい

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    2010年08月26日
  • ロミオとジューリエット

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    先に挙げたテキストのお供に。訳がいい。直訳調に近くて、注釈もテキストに即している感じ。英文と見比べながら、格闘してたのはいい思い出です。

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    2009年10月07日
  • ユートピア

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    ネタバレ

    【不人情な近代国家】
    大航海の時代に、アメリゴ・ベスプッチの率いる船にも乗って世界探検を経験したというラファエル・ヒロスディさんが訪れたユートピア国について、全体としては、国家制度の在り方に関する自論みたいなのが語られる。聞いているのは、この小説の語りのトマス・モアさんと、ラファエルを紹介してくれたピエールさんで聞いている、スタイル。

    はじめの章は、イギリスの国家としての矛盾を指摘するラファエルさん、合意できない点について問われ、さらに論を深める。

    金を盗んだら死刑になる制度を批判。

    「人間には自殺する力も他人を殺す力もありません。」

    人が窃盗をする環境設定を国家自体が作ってい

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    2024年05月07日
  • ロミオとジューリエット

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    基本的には世間一般に知られている通りの話がその通りの流れで進んだけど、それでも面白いのは流石だと思った。
    モンタギュー家とキャピュレット家とパリスとかの背景知識、ロミオとジュリエットの2人が何処でどのように死んだのかを補完できたのは良かった。パロディに強くなれる教養。

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    2023年09月14日
  • ガリヴァー旅行記

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    ロビンソン・クルーソー。中流階級の三男。家出。航海。ギニア(アフリカ西海岸)で金持ちに。帰国。再度ギニアへ向かう途中、海賊につかまり、モロッコでムーア人(北西アフリカのイスラム教徒)の奴隷に。逃亡、海上でポルトガル船に助けてもらいブラジルへ。ブラジルで農園主に。奴隷を調達するためギニアに向かう途中、大嵐に会い、無人島に流れ着く▼自分の生活の明るい面をより強く見、暗い面はあまり見ない。なくて困っているものよりも、現に享有しているものを考える。こうした考え方がしみじみとした深い慰めを私に与えてくれた▼危険への恐れは、危険そのものよりも一万倍恐ろしい▼今日、私たちは明日憎むことになるものを大事にして

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    2025年08月01日
  • ガリヴァー旅行記

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    小人、巨人の国しか知らなかった。
    風刺の物語の意味がわかった。
    Yahooの語源も。
    みずから体に悪いものをたくさん摂取して、健康を害してるか…
    著者は本当に日本に来たことがあるのかな?
    想像ですべてを書いたのだとしたら、天才か狂人。
    300年前の物語とは思えない。映画化してほしいな。

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    2023年03月24日
  • ユートピア

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    ◯これがなぜユートピアと思えるのか
     →あくまで当時の時代を考えなければなんとも言えない。1500年代は暗黒時代?大航海時代に近い。富を蓄えようとしている時代。イギリスではディスクロージャー政策が横行していた頃。
     →トマスモアはまさに富の蓄積について疑義を呈している。貨幣の否定、労働者への敬意など。
     →また、国家全体を利するように制度を求めるところは、個人主義によって富を蓄積していく不平等が広がっていると分析したか。
     →しかし、現代においてこれは社会主義、共産主義国家に思えて嫌悪感すら抱く。共産主義者はこのユートピアをこそ目指しているのでは?国家による婚姻、出産、事物の共有化、まさに共産

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    2023年03月05日
  • ユートピア

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    思い出したら何度も読み返すとよい作品だなと感じた。人間の営みにおける全ての理想形が『ユートピア』の国では体現されており、それは現代を生きる自分ですらまさに理想だと感じたほどだ。

    例えば、金や銀を人は命と同等くらいに大切に扱うが、実際実用的なのは加工しやすい鉄であって、金や銀そのものに価値はない、とか、財産を持っているというだけで愚かな貴族が敬虔な奴隷を従えるのはおかしい、とか、快楽に娯楽はあるのではなく健康的な生活にこそ楽しみを見出す、など、ユートピアの人間は、もし他の国の人々が簡単に行き来可能な場所ならば到底ありえないような、他の世界から全くもって影響をうけてこなかったような場所なのだ。

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    2022年03月03日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

    巨人の国の女の胸を見れるのいいじゃん。第三篇の言語学者の暴論が衝撃的。不老不死の人間の話も印象的なのと、別の国の人々に自分たちの国について話せば、我々が普段気づかぬ正論が聞けると言う構造が良い。

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    2022年02月24日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

    小人→巨人→ラピュタ(浮島)と荒れた大陸(学士院)→幽霊▶︎埃を舐める国▶︎不死身の人間(不死は決していいものではない)→江戸の日本→馬の国

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    2022年01月26日
  • ガリヴァー旅行記

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    自分の中の読んでない名作を読もうキャンペーン。きちんと読んだことがなかったので。馬の国の話が皮肉が利いてて良い。得てして海外の翻訳を読むときはきちんと時代背景を勉強しているともっと楽しく読めるのにといつも思う。

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    2021年08月09日
  • ペスト

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    感染者地域からやってきた人への差別。
    感染地域における隔離とロックダウン。
    日々の死者数を数字で追う人。
    感染地域を脱出する金持ち。
    デマ。
    科学的根拠のない療法で一儲けする人たち。
    17世紀も21世紀も何も変わらないとは。

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    2021年06月29日
  • ユートピア

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    イングランドのトマス・モアによる1516年の著作。本書は,エラスムスの『痴愚神礼讃』やアメリゴ・ヴェスプッチの旅行記『新世界』に触発され書かれたものとされる。「utopia」の後世への影響は計り知れないものだ。

    「ガリヴァー旅行記」から知った本で,「ユートピア」は文学と哲学の橋渡しに良い本だと思う。

    p175「思うにこの国は,単に世界中で最善の国家であるばかりでなく,真に共和国(コモン・ウェルス)もしくは共栄国(パブリック・ウイール)の名に値する唯一の国家であろう。〜何ものも私有でないこの国では,公共の利益が熱心に追求されるのである。」

    例えば「何ものも私有でない」という表現に,ユートピ

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    2021年04月11日
  • ペスト

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    (01)
    筆者は,感染と蔓延とその結果としてもたらされる市民の死を克明に(*02)綴っていく.デフォーは幼児にこの1665年のロンドンでのペストの流行と惨事を経験しているが,彼が本書を上梓したのは1722年頃とされ,半世紀以上前の出来事を叔父の遺した記録を通じて生々しく再現しており,その文筆家としての手腕には驚くべきものがある.

    (02)
    政治的な情況としては,ロンドン市の救恤策も示されるものの,感染者が確認された家屋に,感染の有無にかかわらず家族や同居する使用人などの接触者をまるごと閉鎖する対策が凄まじい.筆者はこの施策を批判しているが,監視人のもとで閉鎖状態が管理されるものの,その家屋を

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    2021年01月23日
  • ペスト

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    フィクションなんだけれど、ドキュメンタリータッチ。カミュのペストがペストそのものというよりペストを巡る人間の思索や行動を昇華させたものとすれば、こちらはペストを巡る庶民の行動や世の中の変化そのものを克明に刻む。今読むとどちらも迫ってくる。

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    2020年08月04日