平井正穂のレビュー一覧

  • ペスト

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    (01)
    筆者は,感染と蔓延とその結果としてもたらされる市民の死を克明に(*02)綴っていく.デフォーは幼児にこの1665年のロンドンでのペストの流行と惨事を経験しているが,彼が本書を上梓したのは1722年頃とされ,半世紀以上前の出来事を叔父の遺した記録を通じて生々しく再現しており,その文筆家としての手腕には驚くべきものがある.

    (02)
    政治的な情況としては,ロンドン市の救恤策も示されるものの,感染者が確認された家屋に,感染の有無にかかわらず家族や同居する使用人などの接触者をまるごと閉鎖する対策が凄まじい.筆者はこの施策を批判しているが,監視人のもとで閉鎖状態が管理されるものの,その家屋を

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    2021年01月23日
  • ペスト

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    フィクションなんだけれど、ドキュメンタリータッチ。カミュのペストがペストそのものというよりペストを巡る人間の思索や行動を昇華させたものとすれば、こちらはペストを巡る庶民の行動や世の中の変化そのものを克明に刻む。今読むとどちらも迫ってくる。

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    2020年08月04日
  • ユートピア

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    2020.7.25
    今更読むが感慨深い。
    世の中では格差が拡大しベーシック・インカムへの関心が高まっているけど現実は難しそうだ。
    競走原理と金銭が欲望の可能性を数値化して先取り出来るところに問題があるんじゃなかろうか。

    金=情報、可能性

    つまらないので止揚出来る概念が早く生まれて欲しいなとは思う。

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    2020年07月28日
  • ペスト

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    17世紀、350年前のペスト・パンデミックのドキュメンタリー風の小説。しかもあの『ロビンソン・クルーソーの冒険』を書いたディフォーという作家の作品ですよ。ディフォーが生まれたのがその頃、新親や親戚の話を聞いたり、調べたりして、書いたはそれから50年後(初版発行は18世紀初め)と。それにしても古い、なにしろペスト菌の発見も1894年まで待たなければならない(北里柴三郎さん!)時代、果たして現代に通じるものがあるのか?と思って読みましたが、、、。

    時は1664年9月初め、場所はロンドン。ペストという悪疫はそれまでに時々発生しては恐れられていたのだが、オランダでまた流行りだしたという噂を耳にした

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    2020年07月26日
  • ペスト

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    17世紀と21世紀で社会はそれほど変わっていないが、過去に学べる点で少しは進歩できていると感じる。デマに惑わされない、健康であるからといって保菌者であるかもしれないのでうつす危険性を考えずに行動してはいけない、貧困者は寄付をしてでも助けなければならない、地方に移動した人を差別しない、といったことは大事なことだ。カミュのペストも読んで比較していきたい。

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    2020年07月25日
  • ペスト

    購入済み

    リアリティーはカミュよりある

    同名の小説ではカミュの方が有名で新しいのであるが,カミュの作は,フィクションの印象と彼一流の哲学的思考の反映が強い.これに対し本作は17世紀ロンドンを舞台にしているがカミュに比べて極めて現実感が大きい.デフォーの体験記ではないらしいが,まるでルポのような迫力ある描写が印象的でいかにもと感じられる.この時代らしい挿絵も訴える力がある.ここに描かれている家屋閉鎖は,現代なら都市封鎖に対応するものであり,人々の感情は現代も17世紀もあまり大差ない事が分かる.話者がキリスト教に頼って災難を乗り越えようとする姿も印象的である.昨今のコロナ禍に対する世の反応を反省するには絶好の書ではないか.

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    2020年05月31日
  • ペスト

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    いやいやこれはなかなか凄かった。パンデミックの事態における人間や社会の様子が、17世紀と21世紀と大して変わらない事にまず驚かされます。

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    2020年05月26日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

    PSYCHO-PASSで槇島が引き合いに出していたから気になって読んでみた。絵本で楽しく読んだ子どもが、大人になってから全部を読んだらあまりの違いに驚くのではないだろうか…。

    あとがきでスウィフトがデフォーのロビンソン・クルーソーに触発されてこの本を書き上げたというのが興味深い情報だった。

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    2016年09月28日
  • ロミオとジューリエット

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    若きシェイクスピアが描いた不朽の名作。
    ヴェローナ市を舞台にモンタギュー家とキャピュレット家という啀み合う両家に生まれたロミオとジュリーエット。
    二人は運命に翻弄され、悲劇的な結末を迎える。

    非情な運命とは言え、純情な二人が最終的に一つとなり死んでいく流れは、悲劇ではあるが美しさをも感じた。

    ロミオとジュリーエットの恋愛は一週間弱と短いものだが、舞踏会での接吻、その夜のバルコニー・シーン、翌日のキャピュレット家庭園での別れという二人の詩的な掛け合いの場面はリズミカルで、ほろ甘く、汚れを知らぬ美しさに満ちたものである。

    シェイクスピア作品は初めてであるが、読み始めたらすぐに惹き込まれた。

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    2016年03月17日
  • ガリヴァー旅行記

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    上司に勧められて軽い気持ちで読んでみたが、子供の時に読んだガリバー旅行記とのギャップにびっくり。童話というよりは哲学を語っている本。これを読むと人間が如何に愚かで傲慢であるかを感じてしまう。。。

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    2015年11月29日
  • ガリヴァー旅行記

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    ネタバレ

     ガリバーが最初に到達した「小人国」は誰でも知っているだろうし、その後迷い込んだ「巨人国」までなら知っている人もいるかもしれない。
    しかしその後「日本」や「ラピュタ」、そして「馬人国」まで行っている事を知っている人は少なかろう。
    そして岩波文庫版では巻末にドッと注釈が載っているのだが、これほどまで風刺に満ちていると知っている人はほとんどいないのではないか。

     その風刺は「小人国」あたりではまだ当時英国に実在したウォルポール内閣を皮肉る程度(この事により書かれた年代が実際の世界史と符合する)なのだが、「巨人国」ではとにかく女性の体臭や風貌を批判するような論調になる。
    要約すると「どんな美人も巨

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    2014年11月08日
  • ガリヴァー旅行記

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    一般的に知られているような「小人の国」の話すらおぼろげにしか覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。風刺小説だと言われると、なるほどなー、と思います。

    それにしても、ラストがこうなるとは思わなかったよ。

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    2014年10月25日
  • ユートピア

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    これがユートピアなのか?という感じだが当時の価値観で考えると理想的ではあったのかもしれない

    世界史の知識を補填してからもう一度読みたい

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    2014年05月31日
  • ガリヴァー旅行記

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    リリパットの王宮が火事になった時に、小便で消火して出禁になったところで爆笑した。

    童話では巨人国で終わっていたが、むしろそれ以後の方が大人はおもしろい。

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    2013年05月30日
  • ガリヴァー旅行記

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    受験勉強の際に題名と作者だけ覚えた本を読もうという試み。

    子供向けに省略されたものしか読んでいなかったので再読。
    ただの娯楽小説と勘違いしていたんだぜ…

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    2012年11月02日
  • ロミオとジューリエット

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    『梅ちゃん先生』で取り上げていたので。あの有名なシーン「ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?」しか知らなかったのだが、随分と救いようのない悲劇で。でも2人は最期まで愛し合ったのだからかハッピーエンドなのかな。

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    2012年05月22日
  • ユートピア

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    理想郷的な意味合いで使われる「ユートピア」の語源となったのが1516年(!)に出版された同著。本書で示されるその世界観は、奴隷制や相互監視を基本とする社会というのもあり、決して今の時代からは理想的なものと言えるわけではない。
    ただ、そういったポイントはもはや5世紀以上も過去に書かれたこの本に対する指摘としては十分ではないかも。何よりも、文芸復興と宗教改革の時代の狭間で、司法官と宗教者としての葛藤に苦しみながら、遂には王に死罪にされた著者、トマス・モアがこの時代に何を思い、限界を感じつつも懸命に理想を託そうとしたその意思に、自分は何よりも興味がある。誰もが希望を持てずに打ちひしがれて、理想を描け

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    2011年11月20日
  • ユートピア

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    ネタバレ

    500年も昔でも現代と変わらぬような疑問を世の中に持ったトマス・モアが作り出した架空の理想郷ユートピア。簡単に言えば共産主義国の完成系のような感じかな。ある点ではすごくシンプルで住みやすいだろうし、快適に暮らすという意味でも素晴らしいかもしれない。しかし、私自身としてはものすごく退屈な国なんじゃないかと感じた。
    「ユートピア」=「どこにも無い」というのはまさにですね。

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    2011年07月14日
  • ユートピア

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    非常に読みやすく面白い作品。
    いわば社会主義国家を極端に表した話で、賛否はともかく思想は興味深い。

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    2010年09月26日
  • ロビンソン・クルーソー 上

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    分かりやすい聖書という印象を受けた。
    物語の形をとった、キリスト教布教書。

    無人島の生活に四苦八苦してるあたりが特に面白かった。
    人類もこんな風に工夫を重ねていったのだろうと。

    しかしこれを読んでいだいたのは、
    やっぱり神はいなさそうだなあといった感想。
    いても救ってはくれないんだろうな。
    神に救われるには、積極的に自分から
    ポジティブになる必要があるようで。

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    2010年05月26日