平井正穂のレビュー一覧

  • ユートピア
    今作を精読するだけでも、ルネサンス、宗教改革期の荒れ狂う時代を、一個人がどう思い、何を理想に掲げ生き抜いたのかという細やかな内実に踏み込むことができる。
    モアの思想の底流には、カトリックの教えとそこから溢れ出るヒューマニズムが顕在してる。
    ユートピア文学というジャンルにおける古典中の名古典。実際の体...続きを読む
  • ユートピア
    トマス・モアといえば映画「わが命つきるとも」を思い出すのですが、ヘンリー8世の離婚に宗教的な信念から最後まで反対し、最後は斬首されてしまいます。そんなモアが1516年(つまり今からおよそ500年前)、38歳の時に執筆したのが本書になります。ユートピアは「どこにも無い」という意味のモアの造語です。

    ...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    一度全て読めば、誰もが驚くだろう。
    幼少期の頃に読んだガリバー旅行記のファンタジーな雰囲気とは一転、物語後半に進むにつれて、人間世界への疑問、皮肉、風刺へと変わっていく。

    理性的な馬の国で見たものは衝撃的で、フウイヌムがいかに賢明な生き物かが分かる。

    人間社会は欲にまみれ、利己的で、暴力が絶えな...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    小さい頃に絵本?か何かで軽く読んだことはあったが、原作を読んでみるとあの時感じた奇想天外ファンタジー感とは違ったテイストだった。

    3章のラピュータは王立協会を皮肉っていると言われていたり、社会批判と受け取れれるシーンも多い。スウィフトが生きていたイングランドの現実を如実に描いた作品。
  • ロミオとジューリエット
    たまたま入った中古書店で安く売られていたので、購入して読むことにした。
    本作を読む前に、ハムレットとマクベスを読んでいたのである程度は作者の傾向というものは理解していたが、本作はこの理解を上回っていた。
    シャイクスピアの作品の中では一番好きかもしれないと思っている。

    あらすじはあまりにも有名すぎる...続きを読む
  • ユートピア
    南米のどこぞにある「何もない処」ユートピア
     そこの土人は、既製品で皮製の服を與へられるとか、書かれた当初の英国人的に屠畜は調理の醍醐味だと思ふんだけど、ユートピア人は牛を屠る奴隷(はユートピア人一人につき2人宛がはれる)がゐるとか、えーと。
     その半月上の島から500マイルの彼方にすさんだところが...続きを読む
  • ユートピア
    「ユートピア」は実際には存在しない架空の場所である。この場所では、頭脳と心の豊かさが高いレベルにある人々が、平和に暮らしている。

    印象に残ったところは、金がこの世界では、貴重なものだとして、崇められている。しかし、このユートピアでは金を実用性のない、むしろ鉄に劣るものだとして、醜さ、みすぼらしさの...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    子供の頃読書をしてこなかったので、児童文学でもお馴染みのこの作品も巨人が旅行する!と思ってました。
     
    面白すぎてグングン読んでいきました。
    想像スイッチをオンにして読むとかなり怖いかも⁉️
    沼正三の家畜人ヤプーと繋がると思ったのは、私だけでしょうか?
  • ユートピア
    「ユートピア」という言葉は、「空想上の」あるいは「理想的な」という意味で使うことが多いだろう。トマス・モアの造語であるユートピアはギリシア語で「どこにも無い」を意味する。表題の『ユートピア』はどこにも無い国なのである。

    『ユートピア』はユートピア国に滞在したラファエル・ヒロスデイが語った見聞をモア...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    子供の頃に絵本で読んだことがあったが、
    しっかり全編読んでみると本質は風刺文学だと言うことがわかった。

    とくに第4章については、人間全体に対する批評がなされている。

    とても面白かった。
  • ガリヴァー旅行記
    小人の話と巨人の話は有名で、皆さん子供の頃に読んだかもですよね。その後があるなんて知らず、アニメPsycho-passの槙島聖護がバルニバービの医者の話をした所で、ガリヴァー旅行記本来のユーモアの香りを感じ、自分の好みに合うかも、と思い読んでみました。
    実際バルニバービの医者の話を読みたくて読んだ人...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    この旅の物語がこれほど怒りに満ちた物語だったとは。。
    子どもの頃に誰もが読んだ小人の国、巨人の国の話は、それぞれ原作の第一篇と第二篇の抜粋に過ぎない。原作は、これでもかというくらい、風刺と皮肉のてんこ盛り。そして、第三編の空中に浮かぶ島国を経て、怒りの頂点は、馬が支配する国を描いた第四篇にやって来る...続きを読む
  • ユートピア
    中世からルネサンス・宗教改革の過渡期を生きたトマスの ・モアが残した著名な社会思想上の古典。この歳になるまで読まずに来てしまったが、もっと早く読んでいれば受け止め方も違ったなもしれない。
  • ロビンソン・クルーソー 下
    元々漂流記であるロビンソン・クルーソーが、中国やインドや全世界を旅することになるとは。

    人生は冒険だ!!
  • ロビンソン・クルーソー 上
    歴史的名作。ロビンソン・クルーソーの無人島生活は哲学や経済学の観点から語られることもあり、色々な点で勉強になる。何度読んでも面白い本。
  • ユートピア
    「ミスラ」が出てくる。どこかで目にした言葉だなと思っていたが、「MISRA-C」でしたね。
    ユートピアでも人は神を、宗教を求めるのかとも思ったが、人間そんなものなのかもしれない。
  • ロミオとジューリエット
    シェイクスピアの本を初めて読んでみた。これがなかなか面白い。あっという間に読んでしまった。
    2つの家筋がお互いにいがみ合っていて、愛が翻弄された形。なんと理不尽な。死んだようになれる薬を持ち出したのはなかなかぶっ飛んでて面白かった。
    シェイクスピアのほかの本も読んでみたい。
  • ロミオとジューリエット
    5日間で起きたこととは思えないくらいの濃さ。運命に巻き込まれる二人。

    ジュリエットの意志の強さが印象的。自分で選んだ夫と運命を共にしようという決意がある。
    ロミオは直前まで違う女性に恋をしていたり、ジュリエットと会った翌日に喧嘩に巻き込まれたりと、フラフラしている感じもするけど、純粋な人だと思う。...続きを読む
  • ロビンソン・クルーソー 上
    フライデー:「世界は広い。」
    フライデー父:「でもどこも同じだ。大事なことは自分を見失わないことだ。」

    幼少期(私の場合はバブル後期)に読む「児童書」と、大人になったはずの今(崩壊期)に読む「児童書」、まるで違う本じゃないかと思うほど、感じ方が異なる。良書とは、はしゃいだ時代でも、落ち込んだ時代で...続きを読む
  • ガリヴァー旅行記
    政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。
    ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他あらゆる悪徳を鮮明に...続きを読む