【感想・ネタバレ】ガリヴァー旅行記のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2018年11月18日

この旅の物語がこれほど怒りに満ちた物語だったとは。。
子どもの頃に誰もが読んだ小人の国、巨人の国の話は、それぞれ原作の第一篇と第二篇の抜粋に過ぎない。原作は、これでもかというくらい、風刺と皮肉のてんこ盛り。そして、第三編の空中に浮かぶ島国を経て、怒りの頂点は、馬が支配する国を描いた第四篇にやって来る...続きを読む。馬が、獣人 (=人の形をしたけだもの)を家畜同然に扱うという設定からして、奇異な気配を感じるが、さらにこの馬が極めて理性的であり、馬の国では統治らしい統治が不要であるということに至って、これはもう人間否定・人間嫌い以外の何ものでもないことが分かる。なぜ、政治が必要なのか、なぜ法律が必要なのか、なぜ戦争が起きるのか。こうした馬の質問に答えることで、人間の愚かさが浮かび上がり、その愚かさへの怒りに満ちてくる。第四篇を読むに至って、第三篇までは怒りの序章にすぎなかったことに気づく。
尚、ガリヴァーはこの旅行記の中で日本に立ち寄っていること、空中に浮かぶ島が「ラピュータ」という名であること、そして、獣人が「ヤフー」という呼ばれることは特記しておこう。

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Posted by ブクログ 2013年03月03日

政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。
ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他あらゆる悪徳を鮮明に...続きを読む描き出し、最早ラディカルの域を超えて人間そのものを否定するに至るほどです。その背景には、スウィフトの生い立ちが大きく関係しているのは広く知られているところではないでしょうか(リリパットとブレフスキュや、ラピュータとバルニバービの関係が、スウィフトの時代の国際情勢の反映である点等)。
成人した今だからこそ客観的かつ冷静に理解することができましたが、あと数年読むのが早かったらどんな影響を与えられていたか分からないのが恐ろしいと感じると共に、古典的名著とされる所以を身をもって実感し、これからもずっと読み続けていくであろう一冊を発見する良い経験となりました。

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Posted by ブクログ 2012年02月20日

前半はなんだか社会の教科書のようで面白くなかった気がする。
ブロンブディナグ(こんな名前だっけ?)の女性の描写がえぐい(笑

スウィフトの面白さがさく裂しだすのは、絵本には出てこないラピュータ以降。なぜか憎まれている音楽と理系。そして馬。ニーチェの愛する馬。

途中までは、主人公ガリバーはよき隣人て...続きを読む感じなのに、ふと気付くとこの人の思考、なんか変。そのピークがフウイヌムの章。ディストピアとして描かれるフウイヌムの国に心酔していくガリバー氏。そのまま、故郷へ帰国。

その後も家族よりも馬の臭いを愛して馬小屋で暮らすなどのきちがいっぷりに、そこらのホラーよりも背筋が凍った。

当時のヨーロッパのお貴族事情はさておいても全然楽しめる一冊。調べるとなお楽しめる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年10月03日

これこそ倒錯の世界そのものです。

ガリバーの裁判での台詞に心臓が凍るような想いをしたのは
私だけではないと思います。


(その台詞が
あのフウイムヌ(馬)の高潔な世界から帰ってきた
とされる後日談だけに。)


世界中を周った後に知ったヤプーの醜さ。

それは結局何だったのでしょうか。

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Posted by ブクログ 2011年09月26日

絵本で知っていただけなので児童文学だと思っていましたが原作は「政治学入門書」です。アニメで知っている「ラピュタ」の本家はガリバーだということも初めて知りました。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

 ページ量が多くて、読もうか止めようか迷いましたが、読んで正解です。ものすごく楽しめました。

 多種多様な登場人物たちですが、思わずこんな人いるいる!といいたくなるような身近な存在に感じられて、とても今から300年近く前に書かれた作品とは思えません。

 屁理屈というのは、身に降りかからない限りに...続きを読むおいては、これほど聞くに楽しいものはありません。もう自分勝手な理屈のオンパレードです。作者の人間観察眼に感服です。

 子供のころに読んだという人も、ぜひ大人になった今読んでみてはいかがでしょうか。きっとうなずくことしきりです。

『天空の城ラピュタ』にちょっとだけ出てくるラピュタ人の話もあります。
映画の世界とは全然違う種族でしたが…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年04月13日

社会への憎悪に満ちた風刺小説。
子供向けのファンタジーではありません。
執筆された当時の社会を痛烈に風刺したものですが、現代でも通じるものがあります。

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Posted by ブクログ 2011年04月05日

数百年前の風刺文学だけど、今の人間が読んでも瞠目すべき人間観察力。
子供向けの童話としてリライトされているけど、ラストまで読めば、にがーいにがい人間認識に貫かれいることが分かるはず。でも、人間の傲慢さと身勝手さと滑稽さをちゃんと直視したこの小説に触れておくと、知らないでいるよりいいことあるかもしれな...続きを読むい。
ラピュタとバルニバービのくだりなどは、現代の組織論としても鋭い指摘になっている。頭でっかちの上層部の指示が、現場では非効率と大混乱の原因になってしまう。
笑えるところたくさん、考えるべきところもたくさん。

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Posted by ブクログ 2010年11月30日

すごかった。小人、巨人の国では人の物差しについて論じていたり、特に最後の旅行での人間の欲望や理性の愚かさ、またその行き着く先というものについて深く考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2010年10月10日

おとぎ話として有名な本書を初読。・・・、よくもまあ、この本を子供向けに作り替えたものだと、感心。原作は絶対に子供に読ませるべきじゃない。

妻子を顧みず、航海中毒な冒険野郎、ガリヴァーが最初に訪れるのは、童話で有名な小人の国。そこで著者は思いっきり、当時のイギリス政治の批判。続いて訪れた巨人の国では...続きを読む、女体批判。空中に浮かぶ島の国では、科学と科学者批判。不死の国では、医術批判。

そして、ガリヴァーが最後に訪れるのは、馬が人間を支配する国。ついに、著者の批判は全人類に向けられる。

アレはダメ、コレもダメ。世の中の何もかもを批判し尽くしたガリヴァーが最後に選ぶのは当然、厭世な「ヒキコモリ」だ。

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Posted by ブクログ 2019年01月27日

‪とても皮肉の効いたスウィフトらしい物語。

‪【訪問国】‬
‪1,小人の国 リリパット‬
‪2,巨人の国 ブロブディンナグ‬
‪3,空飛ぶ島 ラピュータ(バルニバービ)‬
‪死霊術が使える グラブダブドリブ‬
‪不死者がいる ラグナグ‬
‪日本‬
‪4,馬の種族の国 フウイヌム‬

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年09月28日

PSYCHO-PASSで槇島が引き合いに出していたから気になって読んでみた。絵本で楽しく読んだ子どもが、大人になってから全部を読んだらあまりの違いに驚くのではないだろうか…。

あとがきでスウィフトがデフォーのロビンソン・クルーソーに触発されてこの本を書き上げたというのが興味深い情報だった。

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Posted by ブクログ 2015年11月29日

上司に勧められて軽い気持ちで読んでみたが、子供の時に読んだガリバー旅行記とのギャップにびっくり。童話というよりは哲学を語っている本。これを読むと人間が如何に愚かで傲慢であるかを感じてしまう。。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年11月08日

 ガリバーが最初に到達した「小人国」は誰でも知っているだろうし、その後迷い込んだ「巨人国」までなら知っている人もいるかもしれない。
しかしその後「日本」や「ラピュタ」、そして「馬人国」まで行っている事を知っている人は少なかろう。
そして岩波文庫版では巻末にドッと注釈が載っているのだが、これほどまで風...続きを読む刺に満ちていると知っている人はほとんどいないのではないか。

 その風刺は「小人国」あたりではまだ当時英国に実在したウォルポール内閣を皮肉る程度(この事により書かれた年代が実際の世界史と符合する)なのだが、「巨人国」ではとにかく女性の体臭や風貌を批判するような論調になる。
要約すると「どんな美人も巨大化すれば粗が目立ってとても直視できない」ということになる。

 第三章に登場する「ラピュタ」は宮崎アニメのファンなら最も興味を引かれる所だろうが、その描写は案外淡白でがっかりさせられるかもしれない。
技術立国の人間は頭でっかちで日常の事が何もできないという風刺になっているのだろうが、本作で誰が見ても強烈な風刺を見て取れるのは最終章の「馬人国」だろう。
見た目は馬そのものなのだが理性的な思考と穏やかな性質で全てが賢者と言ってもよい馬人=フウイヌム族。
対して彼らが家畜として飼っているヤプーは派生作品に登場するおかげで有名かもしれないが、人類のパロディである。
「結局人類が一番野蛮であると言いたい」という解釈もあるが馬人を白人、ヤプーを有色人種として人種差別的考えを忍ばせている可能性もある。(逆かもしれんけど)
大人になってから読んでみると色々気付く事があるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2014年10月25日

一般的に知られているような「小人の国」の話すらおぼろげにしか覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。風刺小説だと言われると、なるほどなー、と思います。

それにしても、ラストがこうなるとは思わなかったよ。

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Posted by ブクログ 2013年05月30日

リリパットの王宮が火事になった時に、小便で消火して出禁になったところで爆笑した。

童話では巨人国で終わっていたが、むしろそれ以後の方が大人はおもしろい。

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Posted by ブクログ 2012年11月02日

受験勉強の際に題名と作者だけ覚えた本を読もうという試み。

子供向けに省略されたものしか読んでいなかったので再読。
ただの娯楽小説と勘違いしていたんだぜ…

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Posted by ブクログ 2010年09月09日

"――どうやらお前たちは、もののはずみでとしかわたしには思えないが、まがりなりにも、ひと欠片ほどの「理性」を与えられている動物の一種らしい。そのくせ、それをどんな風に用いているかというと、その力をかりて、自分たちが「自然に」もって生まれた悪徳を増大させたり、自然が元来与えもしなかった新しい...続きを読む悪徳の獲得に狂奔しているにすぎない。僅かかもしれないが、大切な自然の贈り物を自分から放棄しておいて、生来の欠陥だけを見事に増大させ、その上、なんだかんだと妙な物を考え出してはあとからあとからそれを補充しようとして、全生涯を齷齪と費やしているようだ。"
 -フウイヌム国渡航記、フウイヌムの主人からガリヴァー氏へ

ガリヴァー氏の旅の記録。全編を通じ慇懃な口調で語られる痛烈な皮肉と後半になってあらわれてくる狂気が高ポイント。繰り返し言及されている、人間の本性とか記述の真実性とか美徳とかが、片っ端から裏切られているようにしか見えない。フウイヌム国から帰って、ガリヴァー氏がかくありたいと願った美しい精神の持ち主になれていると思う人は少ないと思う。そこにあるのはただ狂気だけです。
風刺を取り除いてもとても面白い物語だった。知らない土地、不思議な人たち、聞いたこともない文化の話は、いつでも面白いものです。それだけで、どこまでも旅してみたくなってしまう。

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Posted by ブクログ 2010年09月07日

小学生の時に読んだときよりもおもしろかった。風刺がかなりきつい。でも今の時代に当てはまる気がする。不死の人の話は前読んだときからずっと印象残ってたが、改めて感がさせられるものがある。

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Posted by ブクログ 2019年09月16日

スウィフトらしい皮肉たっぷりの作品。

色んな冒険をしながら人の愚かさを伝えてくる。

皮肉が好きな人におすすめ。

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