さだまさしのレビュー一覧
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土曜日の深夜枠に新番組を作ることに。そのパーソナリティーを流されるまま、引き受けることになったアナウンサーの寺島。メールやファックスではなく、リスナーから葉書のみで構成されていく。また、同時間帯では似たような新番組が登場し、競走することに。ラジオの大手4社の中では、いつも3位な会社が果たして追い上げることができるのか?
ラストレターと聞くと、何かの最終回を想像したのですが、この作品では、番組の最後に読む感動の投稿「ラストレター」として表現されています。
ラジオということで、リスナーからの内容が読み上げられるのですが、投稿された内容はもしかして実際の投稿?と思うくらい面白いものばかりで、さださんのアイデアが豊富に散りばめられていました。
なかなか文章だけだと面白みが半減な感じもあり、パーソナリティーが読みあげる技術力も改めて凄さを感じました。
また、登場する名前が、実際に存在する名前をもじっていて、ラジオ好きな私にとっては、クスッとするところが多くありました。
個性あふれる登場人物や生放送ならではのアクシデントなど笑いあり、感動ありとさせてくれるので、色々楽しめました。
今では、少なくなった葉書での投稿。昔は「ハガキ職人」という言葉を聞きましたが、今は聞かなくなったことにちょっと寂しさを感じてしまいました。メールとは違い、葉書ならではの温かみや構成、工夫があり、懐かしさを感じました。
たまにNHKの深夜に放送される、さださんのラジオ風の番組。リスナーとさださん、スタッフの「愛」を感じることができ、テレビとは一味違った「ラジオ」でいつも拝見しています。
夜中に読んでみたくなる作品で、はちゃめちゃでしたが、ジーンとあったかくもなりました。 -
Posted by ブクログ
「さだまさしは天才である」と、誰かがユーチューブで唱えていたが、さもあらん。
シンガーソングライターにして、映画監督、エッセイストに作家、そしてこの小説。
落語のマクラのような軽妙な語り口の導入部から、たちまちその世界に取り込まれてしまう。
葛飾区四ツ木の「銀河食堂」という名前の居酒屋が舞台。
そこに集まる幼馴染たちの常連。彼らが語る様々な物語。
著者の筆のもたらす冴えに、読者もまたその一員になって、話を聞いているかのよう。
さらに、「お母さん」から次々と供される料理の数々。
雪花菜にきんぴら、季節の野菜の天ぷら、完熟トマト、ポテトサラダ、イサキの塩焼き、鰻の蒲焼まで!
お相伴に与りたく、生唾を飲み込みながらに読み続ける羽目に。
いつまでも居続けていたい(読み続けていたい)居酒屋であるが・・・
最終章で、謎めいたマスターの過去が明かされて、幕を閉じる。 -
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決意と想いを胸にしまい最後まで美しく生き抜く
徳島の阿波踊り
自由奔放で明るい男踊りに比べて忍耐と様式美の女踊り。
しかし、その不自由さによってさらに熱くなる心。
劇中でまさしくこう記されている女踊りのような生き方をしていた、母こと神田のお龍。
最後の二人の刹那の出会いは二人に何を思わせたのだろうか。
一人は涙をながしながら見つめ続けるが、
もう一人は決して目を合わせることもせず、表情すら変えない。
解説には未練があるから男は女をじっと見つめ、未練があるから女は男を見ようとしない~
とある。そういう部分もある思うが、自分は
男は男踊りのように自由に思いを馳せたから涙し、
女は女踊りのように忍耐でもって自分の姿を美しく見せたかったのではないか、とも思った。
そして最後にある寺澤の感想。
たとえその時そのように強く感じた想いも、時が経つにつれて簡単に忘れてしまうし、
また他人によって想いが簡単に変化してしまうのだということを思いしらされた。
自分自身の昔のことを思い出しながらゆっくりと、泣きながら読ませていただきました。 -
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歌手のさだまさし氏による、おそらく自伝的小説。長崎県出身で、バイオリンを習った主人公とプロフィールが重なる。
テーマは別れ。主人公雅彦が経験した大切な人たちとの別れを中心に、いろいろな時代背景で、ストーリーが進む。ところどころ時代が前後したり、登場人物がたくさんいるので混乱するが、さだ氏特有のやわらかな文章で優しい気持ちで読み進められる。
本書で初めて知った、長崎の精霊流し。手作りの小舟に灯篭を載せて川に流すイメージを勝手に想像していたが、もっとずっとスケールが大きいものだった。そしてそれは現在でも続いているようだ。一隻ずつ、その年に亡くなった故人の魂を送り流すように、長さ5メートルもの舟(型の神輿のようなもの)に、提灯をたくさんともし、爆竹を鳴らしながら町の目抜き通りを海に向かって運んでいくのだ。
大切な人たちとの別れは、温かく切ない。さだ氏の同名の曲もあるそうなので、今度聞いてみようと思う。 -
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9歳のときに著者の「関白宣言」をはじめて聴いた。
「俺より先に寝てはいけない
俺より後に起きてもいけない
めしは上手く作れ いつもきれいでいろ
出来る範囲で かまわないから」
「俺より先に死んではいけない
例えばわずか一日でもいい
俺より早く逝ってはいけない
何もいらない俺の手を握り
涙のしずくふたつ以上こぼせ
お前のお陰で いい人生だったと
俺が言うから 必ず言うから」
圧倒的に威張っているのに、最後は「大好きだ」ということを匂わして「じぃ~ん……」。さらに心に染み入る美しいメロディー。
「大人になったらこんな結婚をしたい!」
と、わずか9歳の胸に強烈な衝撃を残し、それは40年以上経った現在でも続いている。つまり永久不滅の名曲だ。
そして本作。ここには人間の感情のすべてが描かれている。「喜怒哀楽」では済まない。「悔しさ」「もどかしさ」「恨み」「無」「じれったさ」「ほろ苦さ」「イライラ」「悲しさ」「虚しさ」「あきらめ」「決意」「うれしさ」「ワクワク」「愛おしさ」「心配」「不安」「恐怖」「懐かしさ」「郷愁」「使命感」「情」「懇願」、もう語彙が足りない!
このような人間の微妙な心の変化を著者は上記のような言葉を一切使わず、態度や言葉遣いや情景を想像させることによって見事に伝えている。9歳から「作詞が上手いな」と思っていたが、そんなもんじゃない。文章を作ること全部、要するに「作文」の天才だ。
(名作詞家=名作家ではけっしてない)
ただし、ストーリーの創り込みに若干雑さを覚えた。主人公の死に方が簡単すぎる。後半に死んだ主人公に似た人を出すのは安易。なので☆5は付けなかった。 -
Posted by ブクログ
「高校生ボランティア・アワード」で紹介された、高校生たちの活動をまとめた本。
ボランティアというと、世のため人のため困った人を助けるというようなものを想像しがちです。でもここで示されているのは、高校生が自分たちの活動と社会をどう繋げていくかということではないかと思えました。
自分たちが興味のある関心のある物事に取り組み、それを知ってもらうためにはどうすればいいのかを考える。そのことが結果として、他人のためになり誰かを助けることにもなり「ボランティア」という形になる。それが素敵だと思ったのです。
伝統野菜を守るために商品開発をする。ものづくりの技術を活かすために、住民のニーズを聞き取りごみ回収ボックスを作る。廃棄処分の野菜を飼料に変える。伝統舞踊を受け継ぐ。などなど。
そこには誰かのためにと思う前に、自分たちの興味や関心があります。それこそがボランティアの大切なことかもしれません。誰かに言われたからするのでなく、自発的な行動なのですから。
そしてその活動が社会と繋がった時に、誰かのためにということが形となり目的が明確化するのでしょう。
自分が興味をもったこと、学校で教わったことが、誰かの役に立つ。そのためには社会と繋がることが大切。
高校生たちのボランティアを紹介し表彰する催しは、その繋がりを生むために必要なものでしょう。
自分の好きなことや日々行なっていることが社会と繋がることで生まれるものがある。それを知ることで、新たな動きが出てくるのかもしれません。