さだまさしのレビュー一覧

  • 解夏

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    ネタバレ

    標題作は読み進めるのがつらい。

    『秋桜』(あきざくら)は、感動のツボを心得た中編。

    『水底の村』は少し冗長な気がしないでもないがホッとできる温かさ。

    『サクラサク』は、家族、会社、認知症、思慕、いろいろな思いを交錯させながら余韻を残す読後感。

    4作に共通しているのは、良い出来事であれ、悪い出来事であれ、人生の分岐点、臨界点を迎えたときの登場人物たちの心の動き。

    そして、重松清さんもさだまさし好きなんだろうな。

    愛溢れる解説が花を添える。

    僕は小学校から高校にかけて、「歌手・さだまさし」の大ファンで、今でも時々、
    『長崎小夜曲』、『驛舎』、『夕凪』、『加速度』、『療養所』、『つゆの

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    2023年03月03日
  • 解夏

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    4つの短編どれも一冊の本になってもいいと思います。なかでも表題「解夏」はさだまさしさんの故郷である長崎の美しい情景を思い浮かべながら読むことができて途中から涙がとまらなくなりました。優しく、あたたかく、切ない…うまく表現できませんが母親が幼子の手を両手で包み込むような感覚です。重松清さんが解説をされていますがこの本を誉めるというよりは、この本を書いたさだまさしさんの表現力に嫉妬されているように感じました。さだまさしさんの作品を続けて読むことになりそうです。

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    2023年02月18日
  • 酒の渚

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    全てがお酒にまつわるエッセイだけど、そこから人との出会いが描かれ、さらに別れが描かれる。酒が飲めない自分にとってはとてもうらやましい。
    酒、ゴルフ、旅、どれも手が届かないけど、楽しい話と涙ぐむ話がとても良かった。

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    2022年12月30日
  • アントキノイノチ

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    心の病で高校を中退するが、現在は遺品整理の会社で働き始めた杏平。人間の悪の面や、残酷な死に直面する現場は、彼の精神にはには過酷な体験のはずだが…自分たちの仕事の在り方を背中で教えてくれる会社の先輩によって、杏平の中にも誇らしさが芽生える所が良かった。杏平を信じて暖かく見守り寄り添った父、そして何より杏平の心の清らかさ。高校時代に二度、行動を起こそうとした杏平を止めたのは、山木ではなく杏平自身の声なんじゃないかとも思う。子供がしてはいけない経験をしてしまったが、そんな大人たちやユキちゃんとの出会いに救われて本当に良かった。
    …と、本来はここで感想を終えなければならないのは分かってるけど、どうして

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    2022年12月15日
  • 解夏

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    初さだまさし
    自分が大人になるとこういう昔からいる有名人に抵抗が無くなる気がする笑
    病気ものとか結構小狡い王道シナリオではあるけど暖かい文章で間違いない。

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    2022年12月11日
  • 風に立つライオン

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    映画から入りました。すごく国際協力に関心があるため、柴田医師(モデルとなったDr)と和歌子Ns(モデルとなったNsの名前がわからない)はすごく勇気があり、暖かく、さっぱりとした雰囲気なんだろうと思いました。映画にはない、東日本大地震のこともストーリーにあり、とても読みやすく、話に心が惹かれました。

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    2022年11月19日
  • 解夏

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    父と母が大好きな、さだまさしさんの本を大人になって手に取り読んでみる。

    素敵な小説だということは間違いなくて作家としての1面でしかまだ知ることが出来ないので音楽も聞いてみようかしら。

    私は『秋桜』が好き。
    そして『水底の村』に出てくる文
    『色即是空』般若心経の意味を知れて良かった。

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    2022年11月04日
  • 精霊流し

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    マジで泣いた…。
    さだまさしさんは有名だし、多才である事は知っている。
    確か弟さんが事務所の社長をやられているみたいだけど、インタビュー記事に『兄は破天荒だからその後始末が大変だ』みたいな事が書いてあり意外に思った。
    でも何処かで兄を尊敬してるような響き(文章だけど)もあって何か魅力のある人なのかも知れないなーと思った覚えがある。

    さださんが長崎出身である事は知ってる。『がんばらんば』という曲を出してらっしゃるけど、それが教育テレビで流れていた(中学生くらいの時かな?)結構耳に残るし、九州弁はどこか安心感がある。

    この小説も所々に長崎弁が使ってあり、私は九州出身なので普通にスラスラ読めるが

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    2022年09月24日
  • 緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020~22

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    『ショーを止めるな!』
    再開されてコンサートに行けるようになった時は本当に嬉しかった。さださんのコンサートなら安心して行けると思ったから。
    その裏でのさださんの行動力には本当に驚きでした

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    2022年07月12日
  • 風に立つライオン

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    さだまさしさんの本を初めて読みました。作詞、作曲、歌手、俳優、監督、トーク、そして小説も書く!天は二物も三物もこの人に与えてるんだなぁと思いました。「ガンバレ」は人に言う言葉ではなく「自分を叱咤するときの言葉なのだ」航一郎のバトンはンドゥングへあつおへと渡されていく。終始涙がとまりませんでした。★の数が5個ではたりません。是非とも読んでいただきたいです。また、さだまさしさんにこの作品を書くことを懇願した大沢たかおさん主演の映画も見たくなりました。

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    2022年06月12日
  • 風に立つライオン

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    「人生は一つしか選択できない。大切な何かを選べば、もう一つの大切な何かを手放さなければならない。」

    「人の善意は必ず他人を幸福にするとは限らない。」

    前に進む。
    とりあえず、やってみる。
    協力隊の話も出てきた。俺、ガンバレー!

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    2022年06月10日
  • アントキノイノチ

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    さだまさしさん、やっぱり裏切らない面白さでした。

    タイトルがちょっと冗談みたいな感じで、軽い話だと思ったら、大間違いでした。

    過去にある出来事から2度同級生を殺しかけた杏平が、遺品整理という仕事を通して、遺族や故人を偲び、人の命の重さについて考えるようになります。

    簡単に人の命を奪ってはいけない。どの命も重く尊いのは同じである、ということ。

    行きつけの居酒屋で働くゆきちゃんに出会って、彼女の過去も知ったことで、さらに命の重さについて感じ取る杏平。
    死から生を学び取って、前を向いて歩けるようになった杏平に、ホッとしつつ、ちょっと涙ぐんでしまいました。
    私も杏平と同じく、仕事を通して故人と

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    2022年06月09日
  • 銀河食堂の夜

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    東京下町の四ツ木にある居酒屋、銀河食堂。謎めいたマスターが切り盛りするこの居酒屋に、お馬鹿だが愛すべき下町っ子が集う。お酒の席で語られるこの町に住む人々のよもやま話。
    まさか、さだまさしに泣かされるとは思わなかった。心に沁みるお話が詰まっている。

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    2022年04月16日
  • 銀河食堂の夜

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    むかし、アルバムのライナーノーツにそれぞれの曲をモチーフにした短編小説がついていたことがあって、何度も読み返していた。
    落語のマクラのような始まりと、すとんと幕が落ちるような終わり方、昔も今も語りの名手だなーと。
    そして懐かしい曲やエピソードを思い出す一冊。
    これはさだファンとしての感想。

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    2022年04月15日
  • いつも君の味方

    購入済み

    素晴らしい。

    表紙と題名で手に取るのをはばかってはなりません。素晴らしい本です。

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    2022年01月14日
  • 風に立つライオン

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    「風に立つライオン」の歌を最近初めて知り、感動してこの本に辿り着きました。
    心動かされる箇所がいくつもあり、日常に追われていた中で立ち止まらせてくれました。

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    2021年11月11日
  • アントキノイノチ

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    スガシカオさんが号泣したと聞いて手に取った作品。後半の手紙あたりから私も涙。それぞれの命の重さが語るものはとても深くて人生の尊さを感じた。人を殺めちゃいけない、絶対に。
    さだまさしさん多才過ぎます!

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    2021年11月07日
  • 解夏

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    ネタバレ

    とても好きな本。徐々に視力を侵されいずれは失明する病を患いながら、残された時間を仏教の「行」に例え、故郷の景色を己の中に刻もうとする表題作は、視力を完全に失うラストシーンを決して饒舌な文章ではないのにあれほど美しく書き切ったのは見事の一言。また解説で重松清氏も引用した「大好きだった祖母は死んだ後この樹のどこかに住まわせてもらっていることにしよう、と思ったとたん隆之は自分が救われたような気がしたのだった。」をはじめ、所々見えるさだまさし氏の生死感や人への暖かな眼差しが心地良いです。全4編の短編集ですが、どの話も珠玉の出来栄えなのでぜひ読んでほしい。

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    2021年09月09日
  • 眉山

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    神田のお龍の生き方がカッコ良かった。また、最期を迎える母を想って辛い中、周囲の人々と冗談を交えつつ会話する主人公の描写が生々しく、同情心が芽生えた。
    表現に関しては、セミや風、雷、囃子、居酒屋などの音を用いた心象描写が秀逸。

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    2021年08月28日
  • アントキノイノチ

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    心に傷を負った人間の、再生への物語。
    ひとことで言ってしまえばそうなるのかもしれないが、そう片付けてしまうにはあまりにも深い。
    悪意をもった罪への制裁、という意味では「罪と罰」という言葉が浮かびあがった。
    人生は小さな罪を重ねながら、その贖罪を繰り返して少しずつ前に進んでいくものなのかもしれない。
    「人は生きたようにしか死ねない」という言葉が胸にささった。
    遺品整理という仕事の緻密な描写とそれにかかわる人間たちの繊細な心理描写に心動かされ、歌手としての顔しか知らなかった筆者の力量に驚いた。
    生きる意味を問いかける、感動作。

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    2021年08月15日