あらすじ
一九八八年、恋人を長崎に残し、ケニアの戦傷病院で働く日本人医師・航一郎。「オッケー、ダイジョブ」が口癖の彼のもとへ、少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれた。二人は特別な絆で結ばれるが、ある日、航一郎は……。二〇一一年三月、成長したンドゥングは航一郎から渡された「心」のバトンを手に被災地石巻に立つ。名曲をモチーフに綴る感涙長篇。
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色々な考え方が詰まっていた。
戦争、お金、災害、ルールとマナー。
わかこさんがンドゥングに送った言葉がある。
もしもあなたの心が報われなくとも決して絶望しないこと。
愛は、決して諦めることなく投げ続けること。自分の都合で人に求めないこと。
とても素敵だと思った。
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感動で涙が止まらなかった。
さだまさしの歌「風に立つライオン」を初めて聞いたのはいつだったか。そのメロディの美しさと感動的な歌詞に即座に引き込まれた。それ以来何度も聞いている。
歌の方が遥かに前に作られ、この小説はそれから随分と経ってから書かれたものだ。その甲斐あって、歌で描かれていたアフリカで献身的に活動する医師の話だけではなく、小説は2011年の東日本大地震にまで繋がり、まさに「魂のリレー」が描かれた感動作品となった。
「風に立つライオン」のモデルはご存知の方も多いと思うが、実在の柴田紘一郎氏でさだまさしさんとは数十年来の交流があるという。
歌にしろ小説にしろこの作品がすごいのは、この事実に感銘を受けた人々が実際の基金を立ち上げたり、アフリカへ赴いたりと数多くの人々の行動へと繋がっているところだ。まさに小説の中の航一郎や木場くんのように一人の人間がこうも組織や世の中を変えるのかという見本だと思う。
本作で描かれている高潔で純粋な魂のリレー。読者の私たちもほんの少しでもそのバトンを受け継ぎたいと思う。
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ケニアの戦傷病院で働く医師、航一郎は、"オッケー、ダイジョブ"と何でも引き受けてしまう、内に熱いものを秘めた医師。
入院した子供たちの中でも一際心を閉ざしたンドゥングは、航一郎と日本人看護婦(本書の中では、まだ"看護婦"が使われている)の和歌子の元で次第に心を開き、やがて医師になる。
そして、東日本大震災直後に東北に渡り、被災地医療に携わったンドゥングは、避難所のリーダーとして活動する木場さんに、航一郎と似たものを感じ、さらに、そこで出会った被災児童にかつての自分を見る。
戦争や震災でツライ立場にいながらも、他人のために動ける人たちがいる。そうしたバトンを繋げていく人たちがいる。人間の残酷さ、理不尽な世界がある一方で、人の社会はまだ捨てたもんじゃないと思えた。
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映画から入りました。すごく国際協力に関心があるため、柴田医師(モデルとなったDr)と和歌子Ns(モデルとなったNsの名前がわからない)はすごく勇気があり、暖かく、さっぱりとした雰囲気なんだろうと思いました。映画にはない、東日本大地震のこともストーリーにあり、とても読みやすく、話に心が惹かれました。
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さだまさしさんの本を初めて読みました。作詞、作曲、歌手、俳優、監督、トーク、そして小説も書く!天は二物も三物もこの人に与えてるんだなぁと思いました。「ガンバレ」は人に言う言葉ではなく「自分を叱咤するときの言葉なのだ」航一郎のバトンはンドゥングへあつおへと渡されていく。終始涙がとまりませんでした。★の数が5個ではたりません。是非とも読んでいただきたいです。また、さだまさしさんにこの作品を書くことを懇願した大沢たかおさん主演の映画も見たくなりました。
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「人生は一つしか選択できない。大切な何かを選べば、もう一つの大切な何かを手放さなければならない。」
「人の善意は必ず他人を幸福にするとは限らない。」
前に進む。
とりあえず、やってみる。
協力隊の話も出てきた。俺、ガンバレー!
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「風に立つライオン」の歌を最近初めて知り、感動してこの本に辿り着きました。
心動かされる箇所がいくつもあり、日常に追われていた中で立ち止まらせてくれました。
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ルビはないが、小学校にもおける素晴らしい本。後半はしょっちゅう泣いてしまった。後半、電車では読まない方が良いかも。前半は話の輪郭が見えてくるまでに時間がかかったが、読みにくいというほどでもない。後藤健二の「ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白」、ミシェル・チクワニネ「ぼくが5歳の子ども兵士だったとき―内戦のコンゴで」などを読んでいたり、寄生虫博物館に半年前位に行ったのとか、人によっては東日本大震災の現場を知っていたりとかそういう周辺知識も内容の深い共感に繋がると思います。
しかし、加藤シゲアキと、さだまさしが書いてるものに対する構えがあまりにも違い過ぎて自分の色眼鏡に反省。又吉への構えは中間点だったかなー。
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感涙しました
戦争と震災の過酷さ、残酷さ
それに立ち向かう日本人医師と戦果で家族も心も何もかも失った1人の少年との間で結ばれる硬い絆の物語です
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年始の「生さだ」で聴いた曲。読んでみて、ケニアの某病院の現状は若かりし日、研修で度々登場していた事を懐かしく思い出し、この作品にご縁を感じました。島田医師の人として、医師としての高い志に胸を打たれました。そしてそれが時間と場所を越えて伝えられていく事に感動しました。 人として大切なことは何なのか深く考えさせられました。
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涙する場面が多々。
航一郎の人柄、生き方に影響を受けたり、関わったりした人たちのまさに命のリレーであり、善意のリレー。
世界の紛争地帯の悲劇、日本の自然災害での悲劇、その中で、善意があり、救われる人がいて、、、。
ガンバレ、は自分に言う言葉。
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映画を見て、元の小説はどのようなものなのだろうと思って読んだ。
映画では時系列に沿って話が展開されていたが、小説では日本(現在)→ケニア(過去)→日本(現在)と、過去と現在を対照化させ、過去では子供だった登場人物も大人になるなど、人々の成長や別れを描いており、心温まる話になっていると思う。
また、この本には日頃私達がよく使うであろう、頑張れという言葉の独自の使い方が書かれており、これからはその意味でも使っていこうと思うようになった。
一読しておけば、今後の人生、考え方に少なからず良い影響を与えてくれるかもしれない。
幻冬舎 さだまさし著
5月9日2回目チャンプ本
徳島大学蔵本2階中央閲覧室所蔵
請求記号 913.6 sa
マッケン
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ミスター安請け合いと言われた航一郎の思いが時・場所を超えて受け継がれていくストーリー。
登場人物の言葉の一つ一つが胸に突き刺さる。
読後、おもむろにガンバレーと叫びたくなる自分がいた。
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正直なかなかハマれなくてカタカナ多いし難しい〜どこの国〜なんの話〜って感じで読んでたけど、だんだんそれぞれの人柄を掴んできてからはもう面白くて止まらなかった。そして感動した。
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話し手が高頻度で入れ替わるので、軌道に乗るのに時間がかかった印象ですが、内容はとてもよかったです。
航一郎がとにかくかっこよくて、魅力的でした。最後は泣きそうになった。
Posted by ブクログ
(2014/3/19)
「雨やどり」のヒットと同時にファンになり、それ以前に聞きかじっていたグレープ時代の曲を聴き直し、
アルバム風見鶏、私花集は何十度と聴き、大借金映画「長江」も、「飛べイカロスの翼」も「関白宣言」も観て、
今も「生さだ」は録画して聴いている?私ですが、、、あ、「解夏」も観ました。
何の話だっけ?
あ、そう、長いことさださまさしにお付き合いしている私ではありますが、
この「風に立つライオン」を読んだ感想としては、どうかなあというところです。
そもそもこのタイトルの原曲、ファンは多いようではありますが、別にそんなに好きじゃない。
「フレディもしくは三教街」のほうがいい、って比較対象じゃないかな?
この本、医学部からアフリカに派遣された日本医師がそのままそこで骨をうずめ、
彼が救った子が逆に東日本大震災に遭った日本の子供を救う、
という内容。
それをいろんな関係者のモノローグがつないで、日本人医師と、アフリカ医師を描くという、
新しいといえば新しい形式で綴っている。
正直読みにくい。
狙いはわかるが、読みにくい。
誰の立場で描かれているのか、ふと忘れて数ページ前に戻らなくてはいけなくなる。
そのページがわからず右往左往。
それと、舞台がアフリカと東北と、さらに関係者の場、孤島だったり、、、
いろいろ動きすぎて、どこにいるのかもわからなくなる。
人生そんなものかもしれない、私は誰、ここはどこ。でも小説を読むときくらいはしっかりしていたい。
も一つ、エピソード盛り込みすぎ。
さださん自身言いたかったんだろうね。避難所のリーダーがばかだとみんな不幸になる。
150人いて100個しか物資が来ないと平等に配れないからいらない、、、さだでなくとも「誰に配るべきか判断で着ないなら隠居しろ!」だ・
あとは被災者を心配する態で結局自分が高みにいる人。つい最近も「ラジオを聞くふりをするやらせ」があったとか。
被災者にずっと頭下げさせて、不幸でいらせたいのか、遊んじゃいけないのかだ。
そういうステレオタイプな頭のやつが日本をダメにする、、
思いはさださんと一緒でいいんだけど、この本なんの本なのよ、と、改めて思ったりした。
というわけで、本筋もメッセージも十分理解できるが、
本としてはなんだかな、というのが私の評価でした。ごめんねさださん。
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さだまさしの文才に驚愕。さだまさしの同タイトルの曲から生まれた小説、そしてそれをリクエストした大沢たかおが主演で映画化まで。ストーリーが素晴らしい。学ぶことたくさんあり。
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9歳のときに著者の「関白宣言」をはじめて聴いた。
「俺より先に寝てはいけない
俺より後に起きてもいけない
めしは上手く作れ いつもきれいでいろ
出来る範囲で かまわないから」
「俺より先に死んではいけない
例えばわずか一日でもいい
俺より早く逝ってはいけない
何もいらない俺の手を握り
涙のしずくふたつ以上こぼせ
お前のお陰で いい人生だったと
俺が言うから 必ず言うから」
圧倒的に威張っているのに、最後は「大好きだ」ということを匂わして「じぃ~ん……」。さらに心に染み入る美しいメロディー。
「大人になったらこんな結婚をしたい!」
と、わずか9歳の胸に強烈な衝撃を残し、それは40年以上経った現在でも続いている。つまり永久不滅の名曲だ。
そして本作。ここには人間の感情のすべてが描かれている。「喜怒哀楽」では済まない。「悔しさ」「もどかしさ」「恨み」「無」「じれったさ」「ほろ苦さ」「イライラ」「悲しさ」「虚しさ」「あきらめ」「決意」「うれしさ」「ワクワク」「愛おしさ」「心配」「不安」「恐怖」「懐かしさ」「郷愁」「使命感」「情」「懇願」、もう語彙が足りない!
このような人間の微妙な心の変化を著者は上記のような言葉を一切使わず、態度や言葉遣いや情景を想像させることによって見事に伝えている。9歳から「作詞が上手いな」と思っていたが、そんなもんじゃない。文章を作ること全部、要するに「作文」の天才だ。
(名作詞家=名作家ではけっしてない)
ただし、ストーリーの創り込みに若干雑さを覚えた。主人公の死に方が簡単すぎる。後半に死んだ主人公に似た人を出すのは安易。なので☆5は付けなかった。
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面白かった。書き方が叙述体で書かれており期待したものと違いましたが、よかったですね。少しよい話にまとめようとしすぎる感じもしましたが、心に残るフレーズたくさんありましたね。よかったです。
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久しぶりに読んだ、さだまさし氏の小説。本書の元になる曲があったとは知らなかった。
若い医師の航一郎は、アフリカへ行くことを決意する。伝染病の研究者だったが、ケニアで戦傷者の手当てをする病院に出向する。設定は1980年代後半から90年代初めだが、60年代にモデルとなる医師がいて、さだ氏の友人であるという。
本書は、航一郎の知人たちが彼を回想する形で、書簡もあれば思い出話の形式でも進む。個人的には、人が話して説明するスタイルはあまり好きではない。それでも、アフリカの伝染病や紛争について、著者がよく勉強をしたことも分かり、前にも書いたが、本職が音楽家のさだ氏の文章が素晴らしい。物語の芯は、航一郎に治療された元アフリカ少年兵が、彼の意志を継ぎ、それを伝えて行くというもの。
感動的で美しい。でも作品としては、眉山の方が好きだった。
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アフリカで活躍した実在する日本人医師のフィクションの物語。
東日本大震災と絡めてくる物語は所々が実話なので胸が苦しくなる…ちっとキレイ過ぎる物語だが涙腺が緩むし、人に優しくしたくなる物語。また、著者は医師には、こうあって欲しいと訴えているのだろうか…?
まず、アフリカという異国の地の事も全く知らなかった…戦争や病気の事など…知らない事が沢山あった…ここに行く全世界の医師や、なにも知らなくても極限の中に再度身を投げ出す医師は、医師たる認識が絶対的違うと思う。
私も経験ある。よく聞く話だが病院に行って五分で診察終り、質問するとこうだと断定する医師、顔を見ないで話す医師、この物語でもあるように、見下している事が多々ある。そんな態度だと、治ってないし…治してみろ!!と言いたくなる時が多々ある!
私達は医師に対して恐縮する事があるが治してて欲しいから、謙虚な態度というのがわかってない。普通の企業だったら超クレームものです。
勿論そんな医師じゃない人も私は知っている。その様な医師は、まず患者の話を真剣に聞いていると思う。病は気からって言葉があるけど、言葉を聞きちゃんと説明して不安を取り除くのも医師の仕事だと…思った事がある。この物語でもそんな事が、書かれていたので共感した。
この本で書かれている言葉…
「笑わなきゃ人間じゃない。笑うのは人間の特権なんだ!」
これって、人間にとって一番の特効薬な気がした。この物語の医師と、震災地の避難所の男性に常に暖かく、笑っていたと思う。
最後に。
キレイ過ぎる本も、読書の心を浮き彫りにする事も学んで本だなーお思いました。
Posted by ブクログ
アフリカ、日本、どこにいたってみんな生きている。命に関する物語はやっぱり読んでいて苦しくなるけど、強さもある。戦争は絶対にいやだ。ケニアには行ったことはないけれど、いつか行きたいな。つらいけど優しい。悲しいけどパワーをもらえる。そんな、あったかい話でした。夢は叶う。ダイジョブ。
Posted by ブクログ
映画化されていたのは知っていたが、曲があることまでは知らなかった。
初めは、登場人物多くて読みにくいなーなんて思っていたが、読み進めていくうちに航一郎と和歌子の素敵さを感じました。
リレーで繋がっていくといいね。
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こんなに心が熱い人間が自分のそばにいてくれたら、きっと人生変わるだろうなぁ。ハイパワー。
暇があることは平和の証。日々の苦しいと感じる物事に毎度フォーカスしてしまうのではなくて、そもそも今いる場所が平和で、それだけで幸せな場所で時間を過ごせているんだということを忘れないですごしたい。きっとそれを忘れずにいられる人がどんなときも幸せでいられる人なのかなぁ。
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初めてのさだまさしの本。鎌田實氏のおすすめ本リストからの1冊。さだまさしがこんなに本を書いているとは知らなかった。
医師・看護師の方々のアフリカでの働き生き様、そしてそこから繋がる命のバトンの交換が、東日本大震災を経験した日本に帰ってくる。
ストーリーとしては鼓舞される部分も少なからずあるのだが、純粋に小説としてとらえたときにどうなんだろうか……
語り部による展開というのは初めから映画化を考えての構成なのかもしれないが、小説として成功しているとは思えない。また、人の描かれ方が随分と単純すぎる様に感じる所も多々あり、物足りなさを感じてしまう。
Posted by ブクログ
良い話だ。
引き継がれる善意の話。
とても、感動的、涙無くして読めません。
ただ、あまりにも良い話すぎて、
素直に感動出来ないひねくれた自分もいます。