さだまさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ電車の中で読んで泣き、続きを寝る前に読んでも泣き、こんなにどっと感動した本は何年振りか。
貧乏・戦争・大切な人との死別、
「お涙ちょうだい」的な要素は多いが、時代背景のせいか、そんな安いものでない。
雅人が待ち続けたエンとの再会
愛犬パールの死
喜代子がおろしたかもしれない赤ちゃんの死
ばあちゃんの死
たくましく咲くバラの花
野川と洋治との出会い、別れ
バンド仲間樫山の死
徳恵ちゃんの死、春人の死
バイオリニスト涼子の死
節子おばちゃんの死
登美子おばちゃんと忠おじの死
一番心に残ったのは、雅彦の子ども時代。
おばあちゃんのおにぎりや、繁と遊んだことや、貧乏で給食費も払えなかったこと。貧乏だけど、家族仲良く幸せに暮らしていた様子が、なぜだかいいなあと思った。
戦後すぐの時代だから、今なら助かるであろう命もあった。
被爆してずっと病気がちだった登美子おばちゃんも。
ナガサキの原爆投下のシーンは悲しかった。
ちょっと遠くへ行こうが海外へ行こうが、現代であればいつでも電話で声を聞けるしメールで近況報告もできる。でもこの時代はそうはいかない。遠くへ行くとなると本当に一生の別れのような感じだし、雅彦が上京したときに送りに来てくれた友達とのエピソードがそれを物語っている。
精霊流しって、あんまり知らなかった。
でも死者の魂を船に乗せて流してあげるって、すごく素敵な風習だなと思う。
☆唯一この本で面白かったのが、
第5話「精霊流し」で出てくる林幸之助の遺言書
「一、江山楼宴会費用(格安にて)
二、長崎東検番 花代(格安にて)
三、税務署贈与税領収書(格安にて、笑)」
ここだけ、やたら笑えた。
恥ずかしながら精霊流しの曲も聞いたことがなく、この本が本当に自伝的小説だということも読み終えて調べて初めて知った。
でも読み終えてからでよかった・・先入観持たずに読めたから、こんだけ感動できたのかも。
雅彦=さだまさしさん、ですね。
精霊流しは、いとこの春人を思って書いた歌だそうで。
出てくる長崎弁、なつかしかった。
学生時代なぜか九州(特に長崎)出身の子が周りに多く、あったかい感じのするその方言に結構なじんだものだった。
思い出の作品になりそうです。 -
Posted by ブクログ
さだ氏の作品では、読破2作目。
すーーーーーっごく良かった!!!
もともと好みの作風だけれど、これはかなりツボでした。
出だしの部分では、定年・離婚・家族との確執・家族の死・病気、実家の家業の苦戦。。。などという、重めの札がいっきに提示され、かなり心して読まねば、少し気負って読み進めたのだが。
進むにつれて、とってもマイルドに、ロマンチックに変化。
まさか、舞台が海外に移って、恋の要素が加わるとは。
一貫して、バイオリンにまつわるエピソードが鍵になる。
この点は、さだ氏の持ち味と思われ、◎。
しかし、達筆!センスがある!!
知識と品性に裏打ちされた物語には、感嘆。 -
Posted by ブクログ
ちょっと心温まる話を読みたいなと思ったらさだまさしを読むといい。
この作品はさだまさしの自伝ではないが、彼の生い立ちや落語好き、交友関係などが散りばめられた短編集である。
まず銀河食堂がある東京葛飾区の四つ木という場所設定。さだまさしはバイオリン修行のために長崎から上京し、中学から高校にかけて多感な時期を四つ木で過ごした。彼にとっては希望と挫折を味わった第二の故郷とも言うべき場所で、アルバム収録曲の「木根川橋」はその時の思い出に満ちたノスタルジックな名曲だ。ちなみに2025年に開校した東四つ木小学校の校歌はさだまさしが作り、校章は「キャプテン翼」の高橋陽一が描いた。
登場人物もみな味があって面白い。「ヲトメのヘロシ」「オヨヨのフトシ」「マジカのケンタロー」など地元の幼馴染みが下町情緒溢れる(くだらない)会話を交わす。ここで美味い料理と酒を飲みながら聞く話はどれも奥が深く心を揺さぶられるネタばかりだ。短編のタイトルもダジャレ好きなさだまさしらしく「セロ弾きの豪酒」はその最たるものだろう。
彼の交友関係の中でも縁の深い山本直純(がモデルの人物)も登場し、その友人のセロ(チェロ)に関するエピソードにはさだまさし自身のチェロへの思いが込められていると感じられる。
これは是非続編を書いてほしいところだが、多分書かないだろうなぁ...。