さだまさしのレビュー一覧

  • 解夏

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    さだまさしさんと言えば、NHKの長時間番組でゆるゆるお話ししている面白いおじさんという印象しかなかったが、こんなに温かい文章を書く人だということを初めて知った。
    解夏
    視力を失いつつある主人公にとって、失明する恐怖は行(修行)であり、失明した瞬間に失明するという恐怖から解放される。それが修行が終わる瞬間であり仏教の言葉で「解夏」というらしい。
    視力を失う程ではなくても、人生は苦悩の連続であり、また死ぬことへの恐怖は誰もが抱えているだろうから、そういう意味では生きている間は行であり、死んだ瞬間が解夏ともいえるのではないかと思った。

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    2023年02月25日
  • 酒の渚

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    これまで、さだまさしさんの曲も本もほとんど触れたことがありませんでしたが、機会があったので読んでみました。
    さださんと大切な人との関係性が、お酒の席でのエピソードを通して、色濃く、褪せることなく綴られています。お酒があることで思い出が残るのは、切なくも温かいなと思いました。
    この本を読み、さださんは周りの人からとても愛されていて、それと同時に人を大切にする方なのだと感じました。大切な人との大切な思い出を振り返らせてくれるエッセイです。

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    2022年11月13日
  • 永六輔 大遺言

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    久し振りに永さん語録を再確認しました。黒柳さんや渥美清さんとのエピソードも読めて良かったです。永さんを忘れずにいたいです。孫の拓実さんの文章も優しさが溢れています。

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    2022年10月12日
  • アントキノイノチ

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    タイトルとは裏腹に、題材は真面目で堅い内容だったけど、読みやすい。
    読んでいて苦しい描写もあったけど、私の普段の生活では触れることのない職業の物語で、知らない世界を知ることができた貴重な本だった。
    居酒屋のゆきちゃんとの会話が心に残った。

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    2022年07月17日
  • 酒の渚

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    さだまさしの酒と人のエッセイ
    本人の人柄だろうか本当に一流の素晴らしい人に可愛がられていることが分かる
    紹介されるお酒がどれもおいしそう
    贈呈してくれた仲間さんに感謝!

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    2022年05月28日
  • 風に立つライオン

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    さだまさしの文才に驚愕。さだまさしの同タイトルの曲から生まれた小説、そしてそれをリクエストした大沢たかおが主演で映画化まで。ストーリーが素晴らしい。学ぶことたくさんあり。

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    2022年05月03日
  • 眉山

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    ネタバレ

    道ならぬ恋で産んだ子を、見知らぬ土地で一人育てていくと決意した「神田のお龍」
    一本気で気が強い、その気っ風の良さは男女問わず惹きつける魅力がある。そんな「神田のお龍」が臆面もなく、大好きであったと言い切る姿に、彼女は死ぬまで「女性」であったのだろう。
    どうして彼の郷里に移り住んだのか、何故父親の人柄をを娘・咲子に話さなかったのか、何故献体という選択をしたのか。
    添い遂げることは叶わなかった。けれど、この想いは一生自分の胸の内に秘め、その想いと一緒に生きていく。たとえ、死ぬまで彼と生きる道が交わることはなくても。この「想い」だけが、彼からもらった唯一自分だけのものだから。そんな覚悟を「神田のお龍

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    2022年04月14日
  • アントキノイノチ

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    誹謗中傷、命の重さを知る
    世間では自分の責任を回避した形で、人の悪口を勝手に誇張し吹聴する輩がいる。特にSNS、Twitterで誹謗中傷的で言いたい放題の輩もいる。例えそれが誰かの売り言葉・表現でも現在では犯罪であり刑罰(3年以下の懲役又は50万円以下の罰金等)が徐々に厳しくなっている。その被害者が「命を落とす」ことに繋がれば重刑となる。ネットでは「プライバシー保護」も逆に保護できない域になりつつあることを自覚しておくべきだ。

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    2022年03月11日
  • ラストレター

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    中学時代からラジオが大好き。

    そういえば、さだまさしさんのラジオ番組に投稿して、ハンドタオルをもらったのも中学時代。
    ラジオはその人柄が良くも悪くも出てしまう。
    それがいい。
    ハマってしまう。

    この小説はラジオの深夜放送を舞台にした、さださんらしい物語。
    作品に出てくる人たちが、とても素敵。

    ラジオって、生活の一部になってしまう。
    今も好きな番組があって、ありがたいことにパーソナリティやDJさんと親しくさせてもらって、そこからいろいろな人のつながりができて、本当に世界が広がった。
    そんな私なので、この作品はとても面白く読みました。。

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    2021年10月08日
  • 銀河食堂の夜

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    一つ一つが落語の演目のような、噺家さんが話されているような、そんな感じで書かれている小説。

    頭の中に噺家さんがいて、噺家さんのリズムで物語を読んでしまうから、もの凄く読むのに時間がかかった。

    一つの話の最後に毎回涙が出た。セロ弾きの豪酒以外の。

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    2021年09月01日
  • 銀河食堂の夜

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    葛飾にある小さな居酒屋、銀河食堂は本物のチェロが飾られ、謎めいたマスターが経営する。そこに集う常連たちが、順番にそれぞれの身近で起こったストーリーを語る形で、6つの話が共有される。

    個人的には、まじめに一生懸命生きているにも関わらず、不運続きの男がついに母親と心中しようとして、母を殺してしまう"不器用な男"は泣けた。

    そして、最後の"セロ弾きの豪酒"では、マスターの過去が明かされる。
    それぞれの話で描かれるのは、ままならない運命に翻弄されながらも懸命に生きる人たち。切ないながらも、人間って棄てたもんじゃないな、と思わせてくれるのは、さだまさしさんなら

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    2021年08月02日
  • 精霊流し

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    さだまさしさんの自伝的小説で、主人公、雅彦の子供時代から、アーティストになった後までの家族や友人とのいろんなエピソードが描かれている。
    時代があちこち飛ぶので、初めはちょっとわかりにくかったが、ほとんどは別れに関するもので、人の縁のようなものを感じさせる話も多く、かなり泣けた。

    個人的には、雅彦が子供の頃、誕生日に祖母が自分の好きなおにぎりをたくさん作ってくれたのに、プレゼントとしては不満で、それを態度に出してしまい、後でそれがお金がないせいだと思い当たり、後悔して謝ったときの祖母の対応や、長崎のお盆の行事、精霊流しに込める人々の思いが描かれたシーンなどが響いた。

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    2021年05月30日
  • 銀河食堂の夜

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    最初は描写と内容がうーん。という感じであまり好みではないなと思いました。(恋愛系)
    ただし54ページ以降は
    心を動かされる内容ばかりで
    なんとなく日々を過ごしている方にオススメしたい1冊です。
    私は文字を読むのが得意ではないので
    2ヶ月ほどかかりましたが
    会話文が多めで起承転結もスッキリしているので
    分かりやすく、読み飽きることはなかったです。

    とくに、144ページは1人で読むことをオススメします。

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    2021年05月02日
  • アントキノイノチ

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    主人公である若者(永島君)が抱え続けた「生命」に対する受け止め方の変遷、もがき続けた変遷を、彼の心情をリアルに描きながら、語り続ける内容

    そこには、様々な形で現れる「生命」の形

    「アントキノイノチ」にたどり着くまでの辛く、長い道のり

    辛いけど、勇気づけられる内容でもありました

    「生命」について、色々考えさせられました

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    2021年04月20日
  • ラストレター

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    土曜日の深夜枠に新番組を作ることに。そのパーソナリティーを流されるまま、引き受けることになったアナウンサーの寺島。メールやファックスではなく、リスナーから葉書のみで構成されていく。また、同時間帯では似たような新番組が登場し、競走することに。ラジオの大手4社の中では、いつも3位な会社が果たして追い上げることができるのか?


    ラストレターと聞くと、何かの最終回を想像したのですが、この作品では、番組の最後に読む感動の投稿「ラストレター」として表現されています。

    ラジオということで、リスナーからの内容が読み上げられるのですが、投稿された内容はもしかして実際の投稿?と思うくらい面白いものばかりで、さ

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    2021年03月29日
  • 眉山

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    凛とした素敵な女性とその娘の物語。
    登場する皆が優しく温かな人たちで安心して読めた。
    徳島の自然や阿波おどりの情景も目に浮かんだ。
    最後に載っている解剖実習感想文集の文がすばらしく、調べてみると実在するさださんの友人の医師の方だった。

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    2021年03月10日
  • かすてぃら

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    お父様が破天荒だが憎めないキャラクターだったことがよくわかる。そしてエピソードにみなカステラが絡んでいることが面白い。
    “それがあなたの人柄でした”って最高の贈り言葉。

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    2021年02月14日
  • 銀河食堂の夜

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    元が2018年刊行だからなあ、というのは置いといて。
    ずっと地元に住んで幼馴染みと飲み屋さんに集まれるのが羨ましい。そこでまた新しい人たちと知り合えるのが羨ましい。皆が語れるものを持っているのが羨ましい。
    酒が飲めなくて、人付き合いが苦手で、人見知りする奴が憧れるものがここに。

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    2021年02月10日
  • 銀河食堂の夜

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    「さだまさしは天才である」と、誰かがユーチューブで唱えていたが、さもあらん。
    シンガーソングライターにして、映画監督、エッセイストに作家、そしてこの小説。
    落語のマクラのような軽妙な語り口の導入部から、たちまちその世界に取り込まれてしまう。
    葛飾区四ツ木の「銀河食堂」という名前の居酒屋が舞台。
    そこに集まる幼馴染たちの常連。彼らが語る様々な物語。
    著者の筆のもたらす冴えに、読者もまたその一員になって、話を聞いているかのよう。
    さらに、「お母さん」から次々と供される料理の数々。
    雪花菜にきんぴら、季節の野菜の天ぷら、完熟トマト、ポテトサラダ、イサキの塩焼き、鰻の蒲焼まで!
    お相伴に与りたく、生唾

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    2021年02月05日
  • 眉山

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    愛する人の子どもを、一人で育てていこうと決意して、強くまっすぐ生きてきたお龍さんと、その娘咲子の話。
    お龍さんの、優しさ、間違ったことに対する毅然とした振る舞い、病気の苦しみを表に出さない我慢強さ、身のしまい方、愛の貫き方。かっこよかった。
    徳島の夏が目に浮かぶようでした。

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    2021年01月18日