さだまさしのレビュー一覧
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ネタバレ小説集
どの話も良かったが特に描写や設定が好きだったのは『水底の村』
『サクラサク』は家族を顧みてもう一度繋ぎ直そうと奮起したところは素敵だったが、私が上手くいっていない家庭の子供の立場でもし親が急に仕事を休んで夜明けに「車に乗れ」しか言わずに家族旅行に連れていかれたらこのあと一家心中するのではないかと疑って純粋に楽しめなさそう!と思った。サクラサク、良い話だったが家族を大切にするために会社をブッチするのはなんか違わないか!?何かを得るためには何かを犠牲にしなければならなくても報連相というか…会社に居るのも同じ人間ですけど…
でも全部の話が面白かった -
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感動で涙が止まらなかった。
さだまさしの歌「風に立つライオン」を初めて聞いたのはいつだったか。そのメロディの美しさと感動的な歌詞に即座に引き込まれた。それ以来何度も聞いている。
歌の方が遥かに前に作られ、この小説はそれから随分と経ってから書かれたものだ。その甲斐あって、歌で描かれていたアフリカで献身的に活動する医師の話だけではなく、小説は2011年の東日本大地震にまで繋がり、まさに「魂のリレー」が描かれた感動作品となった。
「風に立つライオン」のモデルはご存知の方も多いと思うが、実在の柴田紘一郎氏でさだまさしさんとは数十年来の交流があるという。
歌にしろ小説にしろこの作品がすごいのは、この -
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ネタバレケニアの戦傷病院で働く医師、航一郎は、"オッケー、ダイジョブ"と何でも引き受けてしまう、内に熱いものを秘めた医師。
入院した子供たちの中でも一際心を閉ざしたンドゥングは、航一郎と日本人看護婦(本書の中では、まだ"看護婦"が使われている)の和歌子の元で次第に心を開き、やがて医師になる。
そして、東日本大震災直後に東北に渡り、被災地医療に携わったンドゥングは、避難所のリーダーとして活動する木場さんに、航一郎と似たものを感じ、さらに、そこで出会った被災児童にかつての自分を見る。
戦争や震災でツライ立場にいながらも、他人のために動ける人たちがいる。そうしたバト -
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(2007/6/10)
本気で言いたいことがある 国家の品格みたいな調子で、今の日本を嘆いた文章が続く。
これはまあこれでよし。
最後の1章が気に入った。さだまさしの挫折をつづっている。長崎の天才バイオリン少年が東京で音楽高校受験に失敗し、失意の中でギターに目覚め、加山雄三をひき、曲を書き始め、アルバイトで体を壊し長崎に帰り、グレープが誕生、精霊流しが大ヒット。再び体を壊しソロになり、雨やどり、関白宣言、、、印税で映画「長江」を撮り数十億円の借金、、、。
長崎8・9で毎年コンサートをやるようになり、加山雄三にボランティアで参加してもらい、泣けた、、、。
人生45でかためようと思ったらしいが、そ -
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「さだまさし」さんと言えば、シンガーソングライターとしての一面しか認識がありませんでした。
数多くのヒット曲、名曲を生み出されていますが、その中でも『風に立つライオン』は大好きな曲の一つです。
ある日、会社の後輩と話をしていると、「『風に立つライオン』の主人公は(後輩の母校である)長崎大学の医師なんですよ。」と、満面の笑顔を浮かべながら教えてくれました。
それが切っ掛けとなり、『風に立つライオン』について調べてみると、なんと「さだまさし」さんが書いた小説が刊行されており、映画化もされていることを知りました。
ならば本を読んでみようと思い立ち、本屋さんで『風に立つライオン』を探し当てると、その横 -
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ダンディなマスターのいるスタンドバー風居酒屋「銀河食堂」で繰り広げられる人情話
以下、公式のあらすじ
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大きな人生なんてない。
ただ、小さな幸せがあるだけ――。
謎めいたマスターが旨い酒を出す、四つ木銀座にある風変わりな飲み屋「銀河食堂」。そこで常連客が語るのは、ささやかな人生を懸命に生きた無器用な人たちの、不思議で切ない物語。感涙の連作長篇。
ひとり静かに亡くなっていたお婆さんは、実は昭和の大スター・安斉美千代だった。愛した人を待ち続けた彼女に、死の1週間前に届いた手紙に書かれていたのは……。「ヲトメのヘロシ始末『初恋心中』」
2000枚のS -
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ネタバレ両手どころか両足の指まで使っても足りないほど、私には、この世で怖い人、怖い物、怖い事がある。あまりにも多すぎて並べられないほどだが、それでも、最も、一番、絶対に怖い事は決まっている。それは、視力を失ってしまう事だ。病気、怪我などで、何も見えなくなる事を、私はこの世で一等に恐れている。
そんな臆病な私の心にぶっ刺さってくる小説が、この『解夏』だ。映画と連続テレビドラマになっているので、読んだ事がある方も多いだろう。もしかすると、その人たちも、私と同じように、目が見えなくなる、つまり、本を読めなくなる事が最大の恐怖である人かもしれない。もちろん、さだまさしさんのファンって人もいるだろう。当然と言っ -
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雅彦は、少年時代に自分の力が全く及ばなかったこの天女がいま、ふいに羽衣を脱ぎ捨て、生身のまま自分の腰掛けている椅子へ舞い降りてきて人間になったのを見ているような、奇妙な愛しさに貫かれた。言葉の選び方と組み合わせは作詞作曲と同じような感覚なのだろうか?読み進める中で情景とリズムがリンクしていくような気持ちになり知らず知らず涙が溢れます。さださんがこれまで歩まれてきた中で温かく接してくれた大切な人を思う気持ちが優しい言葉となっていると感じました。さださんの小説は全部読みたくなりました。また、映像化された作品と歌も是非聴いてみたくなりました。