さだまさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとても好きな本。徐々に視力を侵されいずれは失明する病を患いながら、残された時間を仏教の「行」に例え、故郷の景色を己の中に刻もうとする表題作は、視力を完全に失うラストシーンを決して饒舌な文章ではないのにあれほど美しく書き切ったのは見事の一言。また解説で重松清氏も引用した「大好きだった祖母は死んだ後この樹のどこかに住まわせてもらっていることにしよう、と思ったとたん隆之は自分が救われたような気がしたのだった。」をはじめ、所々見えるさだまさし氏の生死感や人への暖かな眼差しが心地良いです。全4編の短編集ですが、どの話も珠玉の出来栄えなのでぜひ読んでほしい。
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Posted by ブクログ
ルビはないが、小学校にもおける素晴らしい本。後半はしょっちゅう泣いてしまった。後半、電車では読まない方が良いかも。前半は話の輪郭が見えてくるまでに時間がかかったが、読みにくいというほどでもない。後藤健二の「ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白」、ミシェル・チクワニネ「ぼくが5歳の子ども兵士だったとき―内戦のコンゴで」などを読んでいたり、寄生虫博物館に半年前位に行ったのとか、人によっては東日本大震災の現場を知っていたりとかそういう周辺知識も内容の深い共感に繋がると思います。
しかし、加藤シゲアキと、さだまさしが書いてるものに対する構えがあまりにも違い過ぎて自分の色眼鏡に反省。又吉への構えは中間点だったかなー。
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Posted by ブクログ
地球っこさんのレビューを見せていただき、是非読みたいと思った一冊。
悩み苦しむ杏平が周りの人に接しながら「生きる」ことを考える。
途中は読んでいて苦しくなるところも沢山あったけれど、最後は素晴らしい読後感。
杏平くんもお父さんも佐相さんもとても素敵。
雪ちゃんは本当にすごいと思う。
「生きる」ということはずっと考えてきたように思っていましたが、これを読んでまたヒントをもらったように思いました。
解説では遺品整理の吉田さん、佐相さんと著者のさだまさしさんはずっとつながっていて、3人ともこの世界をよりよき世界にしたいと思っている、とそのことにつきるような気がします。
メモ
父から息子へ
「イジメかって訊いたのはね、逃げるんだったら、どんどん逃げろって言おうと思ったんだよ。僕はどこまででもつきあうぞ。いや、原因が・・・そういうのじゃなきゃいいんだ。学校なんて命懸けて行かなきゃならないような場所じゃない」
六根清浄
人と人をつなぐ仕事。子と孫をつなぐ仕事、迷子になった「愛」を宛名の人に伝える仕事。故人が届けられなかった何かを届ける仕事。それでも、僕らの役目はただ一生懸命に部屋を片付けること。
緘黙症
「うん。命ってすごいね。生きているだけで、すごい、と思う。私ね、老人ってホントにすごいと思う。だってね、ずっと生きていないと老人になれないんだよ。なりたくてもなれない人の方がずっと多いんだよ。いろんな、それこそ沢山の苦労をしていきたっていうだけで老人は尊い、と思わない?私は素敵なお婆さんなりたいなぁ」 -
Posted by ブクログ
登場するお酒はどれもおいしそうで(実際に貴重でおいしいはず)、さださんの愛を感じました。
そして同じようにお酒にまつわるお店、人に対しても温かな目をとおした細かい描写が見られ、これも愛を感じ、僕も今すぐにお店に繰り出したくなる衝動をおさえるのに苦労しました。
「蛍光灯が幾度か瞬きをして」など、ジジッ…と点くときのあの音がしたかのような、僕もそこに居合わせたかのように錯覚しましたし、さださんもそのとき思っていたであろう、これから始まるお店での時間に対する高揚感を、僕まで一緒に感じていました。
そんな素敵なお店に繰り返し通うには、何より他者への想像力が必要だと思います。
酔っても絡まず大声にならず、人からよく聞きよく教え、「体温の交流」をとおしてお店が一体感に包まれる…。
学校や会社では教えてくれない、しかし大切なスキルを持ち合わせていなければ、難しいに違いありません。
お店で同席していて、いつものこの人イヤだなあ…と思っていると、いつの間にか見なくなったり。
単におとなしくしていれば良いわけではなく、周りに気を配れる人こそ常連になれるのだと、少ない経験を振り返ると思います。
そのためには、自分を磨くしかありません。
チェーン店しか知らず、日本酒といえばマズいけど頑張って飲むものという考えだった僕ですが、いつの間にか未熟ながらも、小さなお店に出入りするようになりました。
20代の頃は騒ぐわ潰れるわで大変な迷惑をかけましたが、間もなく40歳になる今、少しは作法を学べているかなと思います。
とはいえどれも紹介してもらったお店ばかりで、自分でも見つけてみたいですが、まだまだ鼻のききが悪いようです。
僕も好きな「ふなくち菊水」を、本文中の高山さんのようにカッコよく飲みたい。
そのためには、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。
具体的なひとつは、現象に対する本質や経緯を探ること、でしょうか。
粟津泰成さんのイラスト、とくに「『鳩』のお母さん」は見入ってしまうほどの素敵さで、良いお店に集まる人っていいなと思いましたし、僕も潜り込めるように頑張ろうと、邪な気持ちですが思いました。 -
Posted by ブクログ
‹内容紹介より›
聴取率0%台。人気ゼロの深夜ラジオ番組を改革しようと、入社4年目の新米アナウンサー寺島尚人が名乗りを上げてしまう。何という無謀‼しかしファックスやメールではなく、リスナーからの「葉書」に頼るという方法が、小さな奇跡を起こし続けて…。
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JOPR東亜放送という、関東の中堅ラジオ局。
歴史はあるものの、聴取率は低く、営業成績を上げるべく編集局長の檄が飛ぶ…そんな中、「視聴覚教育を思い出せ」というベテランの伝言を伝えた新米アナの寺ちゃんは、その発言から、深夜に冠番組を持つことに。
「オマ×コ」という放送禁止用語を連呼するベテラン大越さんの思いを受け止めつつ、マスコミ(ラジオ)としての在り方を試行錯誤しながら番組作りをすすめる寺ちゃんたち大越一派。
単純な「笑い」や「目先の真新しい情報」にとらわれず、人々の生活の小さな声を拾う、葉書を読む番組が、少しずつ人々に勇気と感動を与えていく。
私自自身も大学受験のころに聞いていたラジオを、最近車の運転中に又聞くようになりました。
当時はメールでの投稿でしたが、何度かパーソナリティに読んでもらえたことはとても嬉しく印象に残っています。その番組が先日終了してしまったのはとても悲しいのですが…。
日常の些細なことを見つめなおし、葉書にしたためて送る。その作業のもつ「やさしさ」や番組のほっこりした感じがとても心地よかったです。
お仕事小説としても、ハートフルな作品としても楽しめると思います。