さだまさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ、さだまさし氏の小説。本書の元になる曲があったとは知らなかった。
若い医師の航一郎は、アフリカへ行くことを決意する。伝染病の研究者だったが、ケニアで戦傷者の手当てをする病院に出向する。設定は1980年代後半から90年代初めだが、60年代にモデルとなる医師がいて、さだ氏の友人であるという。
本書は、航一郎の知人たちが彼を回想する形で、書簡もあれば思い出話の形式でも進む。個人的には、人が話して説明するスタイルはあまり好きではない。それでも、アフリカの伝染病や紛争について、著者がよく勉強をしたことも分かり、前にも書いたが、本職が音楽家のさだ氏の文章が素晴らしい。物語の芯は、航一郎に治療された元アフリカ少年兵が、彼の意志を継ぎ、それを伝えて行くというもの。
感動的で美しい。でも作品としては、眉山の方が好きだった。 -
Posted by ブクログ
映画化されるということで、公開される前に購入。
結構前に購入しましたが、この作品を機に「遺品整理」という仕事があるということを認識しました。
あのプロレスラーの名前に似ていて、なぜこのタイトル?と思いながら、読んでいました。その正体は後半に出てきます。思わず、クスッとしてしまいました。
さださんの小説を読むのは、この作品が初めてだったのですが、人の心情を丁寧に描かれているという印象でした。さださんの歌詞は、人を惹きつける魅力があって、小説でも発揮しています。
主人公は、遺品整理の仕事に就き、色々な人と出会うことで成長していきます。その間に過去に起きたエピソードとからめながら、主人公の心は氷の心から徐々に溶けていきます。高校生のエピソードは、ムカつくところもありましたし、胸が痛いところもありました。
「死」や「命」というものを深く考えさせられました。重厚感のあるストーリーですが、そんなに暗くなく、明るい感じになっていました。読み終わった後は、心が暖かい気持ちになりました。
ちなみに読んだ後に映画版を見ましたが、最後「えっ、嘘?あの人が…」と驚くくらい、小説と異なっていました。
個人的には、小説版の終わり方にして欲しかったなと思いました。ただ、Greeenの主題歌には、ジーンとしてしまいました。 -
Posted by ブクログ
アフリカで活躍した実在する日本人医師のフィクションの物語。
東日本大震災と絡めてくる物語は所々が実話なので胸が苦しくなる…ちっとキレイ過ぎる物語だが涙腺が緩むし、人に優しくしたくなる物語。また、著者は医師には、こうあって欲しいと訴えているのだろうか…?
まず、アフリカという異国の地の事も全く知らなかった…戦争や病気の事など…知らない事が沢山あった…ここに行く全世界の医師や、なにも知らなくても極限の中に再度身を投げ出す医師は、医師たる認識が絶対的違うと思う。
私も経験ある。よく聞く話だが病院に行って五分で診察終り、質問するとこうだと断定する医師、顔を見ないで話す医師、この物語でもあるように、見下している事が多々ある。そんな態度だと、治ってないし…治してみろ!!と言いたくなる時が多々ある!
私達は医師に対して恐縮する事があるが治してて欲しいから、謙虚な態度というのがわかってない。普通の企業だったら超クレームものです。
勿論そんな医師じゃない人も私は知っている。その様な医師は、まず患者の話を真剣に聞いていると思う。病は気からって言葉があるけど、言葉を聞きちゃんと説明して不安を取り除くのも医師の仕事だと…思った事がある。この物語でもそんな事が、書かれていたので共感した。
この本で書かれている言葉…
「笑わなきゃ人間じゃない。笑うのは人間の特権なんだ!」
これって、人間にとって一番の特効薬な気がした。この物語の医師と、震災地の避難所の男性に常に暖かく、笑っていたと思う。
最後に。
キレイ過ぎる本も、読書の心を浮き彫りにする事も学んで本だなーお思いました。 -
Posted by ブクログ
まさしが童話?ふうせんのはか?どこかで聞いたことあるなあ。ふうせんのはか---そうか,あのお祭りの話だ。泣いた赤鬼の話だ。ピンときた。お祭りに行ったとき,2人のお兄ちゃんが小さな妹のため,ふうせんを買ってあげる。妹はうれしくてはしゃいで,でもいつしか疲れて,お兄ちゃんの背中で眠ってしまう。家に着いたとき,ふうせんはもう天にのぼってしまった後だった。泣きじゃくる妹・・・。
この話のいいところは,ここから後だ。わんぱくでやさしいまさしの弟は,ぷっといなくなる。そう,ふうせんを手に入れるためだ。でも彼にはお金がない。弟は,腕を組み,ふうせん売りのおじさんをにらみつける。「さっき買ったふうせんがとんでいっちまったからもうひとつくれ。」と。「あれはおじさんのむすびかたが悪かったから,とんでいった。もうひとつくれ。」と。ものすごい顔で。そんなところにまさしとお父さんがやってくる。
妹思いの弟の願いはかなった。家に帰って,妹にふうせんを渡すと妹は大喜びした。ふうせんを抱いて寝るほど。それがいけなかったのか,それとも寿命だったのか,次の日ふうせんはしぼんでしまう。それを見たときの弟のショック。妹以上に傷つく弟。しばらくのち,まさしはある光景を見る。弟が,人前ではめったに涙を見せない弟が,こっそりふうせんのはかをつくりながら,・・・。
何でも買える時代じゃなかった。1日10円のこづかいの中で生活していた少年時代。あの頃,100円は大金だった。だから,みんなものを大切にした。そして,買えないものは自分たちで作り出していた。なけなしのお金はたいて買ったふうせんだからこそ,この話は感動をよぶ。自分の買いたいものもがまんして買ってあげたふうせん。妹を思うまさしの弟の男気とやさしさに胸が熱くなる。娘達にも読ませたい。