さだまさしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
切なく苦しい恋が胸に熱く残る一冊。
狂おしいほどの想いというのは、本当にこの世界に存在するのだと、自分も身をもって知ったわけで、そんな中この小説は、とても大切な一冊になった。
気が遠くなるほどの隔たりの後の一瞬の逢瀬の瞬間が、切なくも本当に美しくて、心が熱くなりました。
この人の人生と私の人生が熱く交差したことは確かにあるけれども、全く異なる別の道を、私は誇りを持って生きてきたのだーー
無言の母に胸を打たれた。母は「一生を賭けた大好きな人」と今、命懸けですれ違っている。
そうして"神田のお龍"は「大好きな人」に最後まで一切迷惑をかけずに死のうというのだ。
どれほど切なく -
Posted by ブクログ
さだまさしって凄い人だ。
作家だけやっているなら、この本がいくらレベル高くても、そうは言わないけれど…
民俗学ファンタジー?
日本各地の「ふしぎ」のお話。
ちょっと怖いのかもしれないけれど、懐かしさのようなものがじんわり来る。
『はかぼんさん』(京都)
旧家に伝わる、古くからの儀式
『夜神、または阿神吽神』(金沢)
神経衰弱…
『鬼宿』(長野・信州安曇野)
節分に追い出された鬼をもてなす家系
『人魚の恋』(青森・津軽)
人魚の肉を食べると…という言い伝えでは
『同業三人』(四国)
罪…贖罪…神のたたり
『崎陽神龍石』(長崎)
龍を宿した石の話
どこまで信じるかはあなた次第!
他にもネ -
Posted by ブクログ
仲良しだった読書家の先輩が大学を卒業する時、ごり押しと共に私にくれた本。
最初に読んだ時も「好きだな」って思ったけど、最近再読してみて更に思うのは、私だったら絶対自分の手元に置いておきたいと思うのに、先輩はよく私に譲ってくれたなぁ、と。
挙げればきりがないんだけど、大なり小なり親や地元の期待を背負って故郷を離れたことのある人なら、じーんとくるものがあるんじゃないかな。
後半は、はやり反戦のメッセージが強く感じられました。原爆を経験した方の貴重なお話が、登場人物を通して語られています。
また、タイトルにもなっている「精霊流し」の章では、その行事、というか慣習そのものの切なさが感じられて -
Posted by ブクログ
私の実家と違って、とにかく人間関係が濃い(^ ^;
親子・きょうだいなど家族関係だけではなく、
友達の親父さんとか、先代からの付き合いの中華屋とか、
「東京の親父」だの警察官からヤクザに至るまで、
主人公(さだまさし氏)の父親を中心に
生身の人間同士のやりとりで満ち満ちている。
だから、たくさんのドラマが生まれている。
もちろん、いいことばかりではない。
さだ家は、昔からかなり上り下がりが激しいらしい。
父方の祖母がロシア生まれでロシア語ペラペラ、
というところからしてかなりの「ただ者ではない感」(^ ^;
そんな中でも常にポジティブで、
持ち前のバイタリティで未来を切り開いてきた...