山口二郎のレビュー一覧
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1〜2章、現在のポピュリズムまでの成り立ち
3〜4章、当時の民主党政権の課題と展望
戦後の昭和の時代はうまくやれていたのに、なんで今はうまくいかないんだろう?前と同じやり方で対処できないのかな?という、初心者な私の疑問を解決してくれた。
シンプルにいけば資本家vs労働者の構図のはずだけど、小泉改革によってミスリード的線引き(政治家&市民vs中間団体)とされ、それに踊らされたという印象。
裏表紙の「敵味方を正しく見極めよう!」という一見過激なキャッチコピーに慄いたけど、本来ありもしない対立構造を見せることで余計な分断を煽る人には気をつけよう、という教訓になった。 -
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総選挙を前にして、前回の政権交代の総括を求めるため読んでみた。民主党のブレーンである著者がかなり踏み込んで旧民主党政権の失敗を批判している。どれも正しい分析だと思う。『何だったのか』と問われれば『失敗だった』と答えざるを得ない。一回の失敗で全てを諦めて良いのかとの投げ掛けがあったが、やはり今枝野さんが言っていることを見ると、全然懲りてないことがわかるし、まだ政権を任せるには至らないと思う。それが投票結果にもよく表れている。自民党はもう懲り懲りだが、さりとて政権交代の悪夢は嫌だ。そういう人たちが単なる自公補完勢力の維新に流れただけに終わった。
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戦後民主主義、いわゆる55年体制がどのように生まれ、機能し、衰退してきたのかを分かりやすく解説しており、特に第4章の政策分類と政治勢力のマトリクスは秀逸である。どこで道を誤ったのかが一目で理解できる。しかし全体的に掘り下げが浅く、政策提言としては物足りない。
最後まで通読して感じるのは、自民党、野党ともに著しい劣化が進んだ元凶は小選挙区制の導入であると確信する。これにより自民党内の多様性が消失し、官邸の暴走を許し、「悪夢の民主党政権」の反動で政権交代への拒否反応=現状維持が選挙で最優先されるようになった。そもそも2017年に総選挙における自民党の小選挙区得票率は48%しかなく、こんな政党が75 -
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長期政権そのものを論じるというよりも、戦後の日本の政治をなぞるような内容だった。対談というよりも往復書簡のような様相で、これまでの佐藤氏の対談本で、ほんとにこんなふうにしゃべったんだろうか?会話のやり取りにしては、ちょっと内容が文語じゃないか、と不自然さを感じていた身には、とてもしっくり来たと思う。
安倍政権は長く続いてきただけに、個人的なものというよりも日本の政治そのものの姿を映しているという。なるほどなぁ、と思った。そして誰がそのあとを継ぐとしても、経済に全力投球せざるを得ないだろうし、ひょっとすると短期政権がぽつぽつと続く中で傷が広げられていくのかもしれない。
処方箋は提示されていた -
ネタバレ 購入済み
民主主義をあきらめてはいけない
日本の民主主義の現状がよくわかる本で、とても読みやすいです。
最後に今後の提言の記載がありますが、この部分をもう少し分量を割いて記載してもらいたかったです。 -
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「平成とは何だったのか」を二つの大いなる知性が語る本。平成を概観する事とは現在を理解することだと、本書を読み痛感した。
小生はこの平成時代をリアルタイムで全て体験したが、本書が指摘しているような時代認識は持てなかった。なるほど時代は体験だけでは理解出来ないものだ。著者お二人の知性に感嘆する。
山口先生の方がちょっと左かと思ったが、ここまで進むと左・右の分類はあまり意味を持たない。
本書を読んで、現在の世界がどういう時代とみるべきなのかはわかったが、どうも未来は悲観的に思えてならない。「成長の時代は終わった」との本書の結論は大きなインパクトをもって迫っている。 -
Posted by ブクログ
著者は政権交代推進の立場のようで、民主党にはややひいき目の姿勢も感じられるが、3年間を振り返って評価する観点からは論点がわかりやすくまとめられている。
自民党政治では、公共事業補助金、護送船団方式による業界保護が中心で、行政指導や補助金の箇所づけといった裁量的政策が最もよく発揮された。競争力の弱いセクターで雇用が確保されることによって、貧困、失業のリスクから守られたり、「国土の均衡ある発展」のスローガンによって、空間的・地理的な平等が進められた一方、ルールのない裁量的政策は政策の形成と実施の過程が不透明で、無駄や腐敗、既得権を生み出す弊害があった。政策形成過程は会員制クラブのようなもので、自