戦後政治史を概観するコンパクトな通史。日本政治の歩みを辿る読書は大変楽しかった。索引や選挙データも充実しており、辞書としても活用出来そうだ。
特に、第二次安倍政権の記述が素晴らしかった。8年にも渡る長期政権の複雑な軌跡が経済・安全保障・外交を主に分かりやすく纏められており、毀誉褒貶激しい安倍政権をフラットな視点で捉え直す良い機会となった。
著者の山口二郎氏はリベラル派の闘士であるが、中立な立場から本書を記しており、氏の学者としての力量が窺い知れた。
第5版の出版は6年後だろうか。楽しみにしたい。